熊本市が、DV被害者のための複数の市営住宅の

来年度からの提供を決定

2010年9月10日  中島 眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)

 

 2010年9月10日のNHK熊本のローカルニュースで、「熊本市が、市営住宅を

DV被害者のために複数提供することを決定し、来年度からの実施をめざしている」

と報道しました。

 熊本県営住宅は、2007年度より、DV被害者のための提供(1年間限定 1戸)が

はじまり、2010年度から複数化(4つの団地に最大7戸提供)へ拡大していました。

2011年度から、熊本市の市営住宅でも、DV被害者用の提供が始まります。

 以下のように熊本市DV防止連絡会議でコムスタカとして、要望を繰り返してきた

課題の一つでしたが、ようやく実現することになりました。

 

2010年度 熊本市DV防止連絡会議の報告
 2010年8月8日   
中島眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)

 熊本市DV防止連絡会議(熊本市男女共生推進課を事務局として、31団体・機関で構成)が、

2010年8月5日午前10時から午後12時30分頃まで、熊本市役所4Fの

会モニター室でひらかれました。

(コムスタカも、7つの民間サポート団体の一つとして、構成団体となっているので、出席しました。)
 会議は、熊本市におけるDV相談の状況、昨年殿DVに関する活動状況について、民間支援団体と

行政の関係機関の取組報告が、1時間半ほど行われ、質疑応答が1時間ありました。 

植木町や城南町が熊本市と合併し、人口約74万人の新熊本市となり、2012年度から

政令指定都市へ移行が確実となったこともあり、昨年の会議よりも参加者も多く、議論は活発で、

予定時間を30分オーバーしてしまいました。

コムスタカから事前に質問・要望したものは3つです。


  熊本市営住宅のDV被害者のために提供する施策の検討状況(同様な質問は、

熊本県女性相談センター からもありました)



回答  昨年度、全国の政令指定都市や中核市の実施状況を調査したところ、実施している

ところがいくつかあることがわかり、熊本市と市営住宅のDV被害者のための目的外使用が可能か

検討している、ただ、市営住宅の競争倍率が10倍をこえていることや、実施には国の許可が必要なので、

いつから、どの程度実施できるかは検討中である・

 母子生活自立支援センター(大江荘)の改築や新築計画の進展状況について

 
回答  平成23年度に移設・新設工事を開始し、平成24年度から提供できる予定で計画を進めている。

これまで風呂や台所やトイレが共用というあり方から、個室の中に台所やフロやトイレも備わり、

セキュリテイにも配慮したものになるように検討している。



 配偶者暴力相談支援センター設置へ向けた検討状況(同趣旨の質問は、熊本県女性相談センター、

火の国女軒からもありました)



回答 全国の政令指定都市19のうちDV対策防止法で努力義務とされている

配偶者暴力相談支援センターを設置しているのは、5つ(九州内では北九州市のみ)

あることが分かった。熊本市として、配偶者暴力相談支援センターを設置するとなると、

 相談は従来から「福祉総合相談室」や「男女共同参画センター はあもにぃー」

 において行ってきているが、シェルターの設置など一時保護や生活自立などの機能も

検討しなければならず、今後検討していくとしかいえない



コメント(中島)

 熊本市では、2007年からの熊本市内の民間病院での「こうのとりのゆりかご」の設置を

契機とする議論を踏まえて、妊娠出産に悩む女性相談・乳幼児対策や児童虐待に関して行政として

積極的に取り組もうとしていることと比べて、DV対策や女性政策いついて消極的で

従来の施策を踏襲する域を出ていませんでした。

 昨年度まで、熊本市として政令指定都市の実現で手一杯ですべてはそれが決まってからという

雰囲気に終始していましたが、今年度になり政令指定都市への移行のめどがついたことから、

熊本市としてのDV対策について少し姿勢が前向きになってきたように思えます。
 今後とも、コムスタカとして熊本市に対して、市営住宅のDV被害者への提供(1年間)や、

老朽化した市職員住宅を活用したステップハウス(3ヶ月から6ヶ月)、

母子生活自立支援センターの充実、配偶者暴力支援センターの設置などの要望の実現を

めざしていきたいともいます。

 

追記  このうち熊本市の市営住宅の複数戸の提供は、2011年度より行われることが

決定しました。

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