コムスタカ―外国人と共に生きる会

入管政策について


2005年12月13日 第8回移住労働者と共に生きるネットワーク九州と福岡入管意見交換会の質問と回答
中島真一郎(コムスタカ−外国人と共に生きる会)
2006年1月7日

1、報告

 移住労働者と共に生きるネットワーク九州と福岡入管との第8回の意見交換会は、2005年12月13日(火)午前10時から午前11時45分まで、福岡入管3階会議室で行われました、今回は、過去2年間の総務課の調整官1人という出席から、3年ぶりに福岡入管から在留審査部門、警備部門、審判部門の統括審査官各1名の実務担当者3名が出席し、総務課の調整官1名の計4名が出席しました。また、移住労働者と共に生きるネットワーク九州(以下、ネットワーク九州)から、宮崎、熊本、福岡、北九州より10名が参加しました。
 最初に出席メンバーの自己紹介を双方行い、2005年10月7日にネットワーク九州が事前に福岡入管に文書で提出していた質問に対する回答の説明が約30分ありました。(今回から、質問に対する福岡入管の回答部分についてのみ双方の録音が認められました。)その後、福岡入管の回答に対して、人身売買問題、資格外就労者(興行の在留資格者)の摘発の急増問題、在留特別許可申請者の審査期間中の就労問題、入管への通報と報酬の支払い問題、テロ対策問題などについて質疑を1時間余り行いました。そして、最後にネットワーク九州から福岡入管への要請書を読み上げて提出して終了しました。過去2年間と異なり、各部門の実務担当者が出席した第8回意見交換会は、質疑においてもより内容のある議論ができました。

2、 福岡入国管理局からの回答と質疑の内容の主な報告

T 2004年5月に国会で成立した改定出入国管理難民認定(以下、入管法)の運用状況

 改正入管法で新設された出国命令制度により出国した外国人は、福岡入管内で59人、在留資格取り消しがなされた外国人は1人、難民認定申請者は0人ということでした。

U 在留資格及び在留特別許可について、

 (1) 在留期限を短期間遅延してから更新申請をする外国人に、退去強制手続きを適用せずに更新を認める「特別受理」については、現在でも適用されているが、その範囲を厳格にして運用していることが明らかになりました。
 (2) 2004年2月から法務省のE−メール通報制度により福岡入管内で摘発した外国人は、2件18人と、昨年の回答が0人でしたから初めて摘発者がでました。(その内訳を明らかにしませんでしたが、興行の在留資格者の「接客」などの資格外就労による摘発と思われます。)
 これに関連した質疑では、「通報者」への報奨金について、入管法の規定があるので予算措置はなされているが、その額が限られており、かつて多かった「密航」事件の通報者などには支払われていたが、現在はほとんど使われていないとのことでした。

V 人身売買の被害者の保護について

 (1)人身売買被害者と認定されて特別な配慮を受けた外国人は、全国統計では2005年上半期(1月―6月)において36人で、福岡入管内にも存在するが、特定されるおそれがあるので人数は明らかにできないということでした。

 これに関連した質疑では、福岡入管内の人数を公表しないことへの批判と人身売買被害者であるという認定方法について質問が出ましたが、福岡入管からは、人数の公表については今後検討すること、認定方法は、プロモーターにより旅券を自分で所持していない場合は一事情として考慮するが、それだけで人身売買被害者といえないこと、摘発した外国人から被害者でないか聞き取りをして判断していると、述べるにとどまりました。

 (2)興行の在留資格者で退去強制される外国人が、2003年12名から、2004年183名と急増しており、2005年も2004年を上回ることが予測されます。

 これに関連した質疑では、『人身取引』の取り締まりを理由に、興行の在留資格者に対する「接客」を理由とする摘発を強化しているのではないかという疑問に対して、福岡入管は、当初「25万の不法滞在者 半減計画」に関係してと、回答していました。しかし、合法的な「興行」の在留資格者を摘発しても「25万人の不法滞在者」は減らないと反論すると、「人身取引」に関係しているかもしれないと認めました。

 「接客」行為を理由とする資格外就労による外国人の摘発を増やしても、保護された被害者も「帰国を希望している」として帰国させているだけならば、結局外国人を日本から追い出しているだけであり、人身取引被害者の保護や救済につながらないのではないか、「接客」行為を問題とするのならそれを強いている経営者やプロモーターの側を問題として、契約内容を守らせるべきであるという反論がなされました。

 福岡入管は、「私たちは、入管法違反の外国人の摘発を仕事としており、外国籍以外の日本人の店の経営者やプロモーターなど摘発する権限は与えられておらず、それらは警察の仕事である」ということでした。これに対して、「興行」の在留資格に関係する業者関係者が最もおそれるのは、入管から在留資格認定書の交付や在留資格の更新が認められなくなることであり、人身売買被害者と認定された外国人と契約していたプロモーター、店のオーナーなどからの申請に関して、許可しないようにするか、一定期間不許可とするなどの制裁措置をとることが入管の権限として可能であり、あくまで「資格外活動」取り締まりにすぎない「接客」行為を理由とする取り締まりより、人身売買被害者の救済や保護にとって有効であるという意見がでました。福岡入管は、「これについては検討する」という回答でした。

W 元中国残留日本人の家族に関する定住者告示の見直し

 福岡入管は、定住者告示の改定が、2005年3月7日の福岡高裁判決をきっかけに改定となったことは認めましたが、新たに設けられた「6歳に達する前に同居していた」という要件に該当していない場合の運用については、「この要件を満たしていた場合は一律に定住者の在留資格を付与する意味であり、それに該当しない場合にも諸般の事情を総合的に判断して運用する」という回答にとどまりました。

X 統計数値の回答

 在留特別許可は、2003年366件、2004年350件、2005年1−10月250件でした。日本人などとの婚姻を理由とする
 1年以上の懲役又は禁固刑の有罪判決をうけた入管法第5条違反の上陸拒否事由該当者で、在留特別許可が認められた件数は、2003年7件、2004年11件、2005年1−10月10件、在留資格認定者のうち入管法第5条(上陸拒否事由者)該当者数は、2003年4件、2004年4件、2005年1−10月2件でした。
 退去強制者総数は、2003年584人、2004年682人、2005年1−10月653人と増加しています、その内訳では、その他の資格外活動と刑罰法令違反者が、2003年29人、2004年220人、2005年1−10月 266人と増加していることわかります。
 福岡入管の収容施設の定員は36人、平均収容日数は、2004年 3.3日、2005年1−10月 3.4日、最大収容日数 2004年 52日、2005年1−10月29日でした。


資料1、入管行政への質問項目と回答

質問項目

福岡入国管理局長殿

   2005年10月27日

移住労働者と共に生きるネットワーク・九州
 連絡先 福岡市博多区美野島2-5-31 美野島司牧センター内
      (092-431-1419 Fax 092-431-5709)

共同代表 
  岩本光弘(北九州市・外国人と共に歩む会)
  コース・マルセル(福岡市・美野島司牧センター)
  塚田ともみ(鹿児島市・ATLAS)
  中島真一郎(熊本市・コムスタカ- 外国人と共に生きる会)

T 2004年5月に国会で成立した改定入管法の運用状況

(以下の質問は、福岡入国管理局管内の数をお答え下さい。)

1、 改定により新設された出国命令制度により、施行以降2005年10月末までに出国した外国人は、何人いますか、

回答  59人(全員 出国しています。)

2、 在留資格の取り消し制度が新設されましたが、施行以降2005年10月末までに在留資格取り消しがなされた外国人は、何人いますか、また、従来から「明白な不正や偽装」がある場合におこなわれてきた上陸許可取り消し処分により上陸許可が取り消された外国人は何人ですか。

回答  在留資格の取り消し 1名( 内容 偽装結婚)
     上陸許可取り消し処分は、在留資格取り消し制度の創設により、行っていない

3、 上陸拒否期間が見直され、これまでの一律5年が、出国命令により出国した者1年、過去に強制送還歴などがない者5年、過去に強制送還暦がある者10年となりますが、施行から2005年10月末までの間で、過去に強制送還暦がある者で上陸拒否期間10年として退去強制された者は何人いましたか。

回答  上陸拒否期間10年として退去強制された者の統計は取っていない。

4、 新しい難民認定制度の施行以降、新たな難民認定申請件数、及び難民認定件数は、何件ありましたか。
 
回答  現在、福岡入国管理局管内においては、難民認定申請はありません。

U 在留資格及び在留特別許可について、

1、 入管難民認定法違反で摘発された外国人が、摘発後に日本人との婚姻届けを提出し在留特別許可を申請した場合には、婚姻届提出前の同居の有無は、在留特別許可が付与される上で有利な事情となるのですか。また、同居がない場合には在留特別許可を認められたケースは、これまでないと理解してよいのですか。

回答  在留特別許可は、個々の事案の諸般の事情を総合的に考慮し判断して行われており、ひとつの事情だけを抜き出して有利な事情とか、不利な事情とかいうことはできず、また、同居がない場合についての在留特別許可が認められたケースについて、このような統計はとっていないため、お答えすることは困難である。

2、 「日本人配偶者等」の在留資格で在留している日本人の配偶者が、日本人配偶者が事故や病気で死別した場合に、日本人の子どもがいない場合に、定住者への在留資格の変更はどのような場合に可能となりますか。

回答  一般論として申し上げれば、申請者の在留中の状況、在留の必要性、その他の諸般の事情を勘案して、変更を認めるにたりる相当の理由のあるときに限り、定住者への在留資格への変更を認める場合がある。

3、 刑事事件の被告人として拘置所に拘留中、あるいは懲役の有罪判決確定により刑務所に受刑中に「日本人配偶者等」、「定住者」などの在留資格の更新期限を迎えた外国人の在留資格の更新は、どのような場合に可能となるのですか。

回答  一般論として申し上げれば、退去強制事由にあたる場合は別としまして、申請者の在留中の状況、在留の必要性、相当性等諸般の事情を総合的に勘案して、許可更新を認めるに足りる相当性の理由があるときに限り、許可される。(なお、福岡入国管理局管内においても、認められた例はある。)

4、 刑事事件で懲役あるいは禁錮1年以上の有罪判決が確定し、刑務所で受刑後に退去強制処分となる外国人で、日本国内に日本人配偶者やその子どもがいる場合に、在留特別許可が認められる場合はありますか。あるとすれば、どのような要件が必要ですか。

回答  これも前の回答と同じになってしまいます。それから、どのような要件が必要かという質問についてですが、在留特別許可は、個々の事案ごとに諸般の事情を総合的に勘案して判断されるので、これを満たせば在留特別許可が許可されるという要件はない。

5、 2002年6月より在留期限を忘れて、期限内に在留資格の更新を怠った短期のオーバーステイとなった外国人にも、従来認められたていた「特別受理」が認められなくなり、退去強制手続きが執られ、在留特別許可による在留資格の付与がなされています。このような短期のオーバーステイ者が、2004年に在留特別許可が付与された外国人のうち何%ぐらいいますか、また、他の長期のオーバーステイ者と比べて特別な配慮はなされていないのですか。

回答  このような統計を取っていないので、お答えできない。(なお、特別受理は、まったくなくなったわけではなく、範囲を厳しくして運用しており現在でも認められている。)

6、 法務省は2004年2月よりE-メールによる通報制度をおこなっていますが、このE-メール通報制度により、通報の対象者が福岡入管内在住の場合に連絡を受けて摘発をしたケースが2005年1月から10月までの期間中ありましたか。

回答  2件 (18人を摘発しました。)

7、 全国の入管統計では、 1993年まで500人以下であった在留特別許可される外国人は、2004年13000人以上となり26倍に急増しています。在留特別許可の手続きについて、運用面での迅速な処理が可能となるような見直しはおこなわれていないのですか。また、今後、違反調査、違反審判、口頭審理など三審制の見直しの検討はなされていないのですか。

回答  在留特別許可の審査にあたっては、日頃から、迅速かつ適正な処理を行うように努めている。また、第三次出入国管理基本計画などにおいて、退去強制手続の見直しが検討されていることは承知している。

V 人身売買の被害者の保護について

 人身取引(トラフイッキング)の外国籍の被害者が入管難民認定法違反者で退去強制対象者の場合にも、在留特別許可を付与し、被害者保護として特別な配慮するとしています。福岡入国管理局は、人身売買の被害者の保護として、 収容や仮放免や在留特別許可など入管難民認定法の運用においてどのような配慮がおこなわれてきたかを知りたく以下の質問をします。

1、 近年、風俗店などで就労している外国人への資格外就労等による摘発が増加しているように思われます。過去3年間(2003年、2004年、2005年1−10月)の興行の在留資格者への摘発人数と、その国籍別、男女別、摘発人数のうちの未成年者の人数を教えてください。

回答  このような統計を取ってないが、参考までに過去2年間に[興行]の在留資格で退去強制された人数は、 2003年12名、2004年 183名。

2、 摘発された外国人と契約していたお店の経営者や所有者、プロモーターなどの業者関係者で、摘発された者は何人いましたか。過去3年間(2003年、2004年、2005年1−10月)について、事由別、国籍別、男女別に教えてください。

回答  入管としてこのような統計を取っていないので答えられない。

3、 これまで人身売買被害者と認定された外国人は何人いましたか、また、そのうち人身売買被害者ということで、興行の在留資格から特定活動あるいは短期滞在などへ在留資格が変更されたもの、仮放免が認められたもの、在留特別許可が認められた外国人はそれぞれ何人いましたか。その他、人身売買被害者と認定されて特別な配慮を受けた事例がありましたらお教えください。

回答  2005年1月−6月の上半期で、全国で人身取引被害者として保護された外国人は36人。(福岡入管管内でも保護した者はいるが、特定される恐れがあるので人数は明らかにできない)

4、 摘発した外国人のうち人身売買被害者と認定する場合には、どのような方法と基準で判断しているのでしょうか。興行の在留資格で来日している外国人の中には、「逃亡防止」のためパスポートを業者関係者に取り上げられている場合もあるようです。入管として、パスポートを取り上げられている場合はそれだけで人身売買被害者として認定されるのでしょうか。それとも他の条件が必要なのでしょうか。

回答  旅券が業者関係者に保有されている事案だけで、人身取引被害者と認定するわけではないし、逆に旅券を本人が所持していても人身取引の被害者である場合もある。個々の事情に応じて、事案を具体的に調査して判断している。個々のケースごとに調査をした上で、人身取引被害者であるかどうか判断している。

W 元中国残留日本人の家族に関する定住者告示の見直し

 これまで改定前の定住者告示では、養子は「入国時6歳未満」、配偶者の婚姻前の子は「入国時に未婚未成年」と規定して、それに該当しない家族は不許可とされる運用がなされていました。元中国残留孤児井上鶴嗣さんの再婚した妻の娘2家族7人を原告とする行政訴訟では、控訴審で原告が逆転勝訴し被告の上告断念により、2005年3月7日福岡高裁判決は確定し、法務省は、この判決をうけて2005年9月より、定住者告示を見直しました。

1、 一部改定された定住者告示は、元中国残留日本人の養子や婚姻前の子について、「6歳に達する前に同居していた」場合には、一律に定住者の在留資格を付与しようとするものです。法務省のパブリックコメントでの回答では、「定住者告示の要件に該当した場合には、一律に定住者を付与するが、それに該当しない場合でも、総合的な諸般の事情を考慮して定住者の在留資格を付与される場合がある。」とされています。今後、元中国残留邦人の養子及び配偶者の婚姻前の子について、「6歳に達する前に同居していた」という 改定要件に該当しないケースの申請がなされた場合、どのような判断基準で運用されていきますか。

回答  定住者告示外の事案については、すべて諸般の事情を総合的に判断して運用していくことになる。

X 統計数値に関する質問

 件数または人数は、2004年及び2005年(1月から10月末日)について、それぞれお答え下さい。 (青文字は、昨年の福岡入管からの回答です。)

1.福岡入管の管内での在留特別許可の運用の現状について

@ 在留特別許可が認められた件数 
   (回答  2003年 366件 2004年1−10月 301件)

回答
    2004年          350件
    2005年1月―10月  約250件

A 福岡入管で収容中に60日以内で在留特別許可が認められた件数、そのうち即日在留特別許可の件数
   (回答  2003年 1件  2004年1−10月 2件)

回答
    2004年         2件
    2005年1月―10月  1件

B 1年以上の懲役または禁固刑の有罪判決(執行猶予付き判決も含む)を受けるなど上陸拒否事由者に該当するケースで、 退去強制されずに在留特別許可が認められた件数、 
   (回答  2003年 7人 2004年1-10件 11人)

回答
    2004年          11件
    2005年1月―10月  約10件

2.福岡入管内での上陸特別許可の運用の現状について

@ 上陸特別許可の件数、及びその要因別内訳を明らかにしてください。

回答
    2004年          46件
    2005年1月―10月  約70件
                 要因別内訳の統計なし、

A 退去強制された外国人のうち上陸拒否事由該当者で上陸特別許可が認められた件数とそのうち入管法第5条該当者数を明らかにして下さい。
   (回答  上陸特別許可者  2003年 41件 事前審査をした在留資格認定申請者のうち入管法第5条該当者数 4件
                     2004年1-10月 37件  事前審査をした在留資格認定申請者のうち入管法第5条該当者数 3件)

回答
    入管法第5条該当者で上陸許可された数
    2004年         4件
    2005年1月―10月  2件

3.福岡入管内上陸拒否者

@ 福岡入管管内の空港や港で、来日しながらも上陸拒否された外国人は何人かを教えて下さい。
   (回答  2003年  431人    2004年1−10月  445人)

回答
    2004年          549人
    2005年1月―10月  約400人

4.福岡入管の退去強制処分について

@ 福岡入国管理局管内で退去強制された者の総数及び内訳などについてお尋ねします。
   (回答  入管法第24条各号に該当する者として、福岡局管内で退去強制手続きを執った者の数について、次の通り。

   引渡しー引継ぎ件数の総数(2003年 584人 2004年1-10月 約565人)
         うち不法残留者 (2003年 407人 2004年1-10月 約310人)
         うち不法入国者 (2003年 133人 2004年1-10月 約80人)
         うち不法上陸者 (2003年  15人 2004年1-10月 約5人) 
         その他の資格外活動と刑罰法令違反者(2003年  29人 2004年1-10月 170人))

回答
    退去強制者の総数 2004年 682人  2005年1月−10月 653人
    うち不法残留者   2004年 366人  2005年1月−10月  298人
    うち不法入国者   2004年  93人  2005年1月−10月  85人
    うち不法上陸者   2004年   3人  2005年1月−10月    4人
    うち資格外活動と刑罰法例違反者
                2004年  220人  2005年1月−10月 266人

A 退去強制者のうち出頭申告による者は、何人ですか。
   (回答  2003年 92人  2004年  未集計) 

回答
    入管法違反者の受理件数のうち本人の自主申告者数
    2004年 86人 2005年1月−10月 約80人

B 退去強制者のうち福岡入管より警察・検察に告発した人数と、告発理由別内訳数
   (回答  2003年  2人(入管法違反  不法残留者) 2004年 未集計)

回答
    2004年         1人 (不法入国の疑い)
    2005年1月−10月  0人

5、福岡入管内の収容施設

@ 福岡入国管理局の収容定員、2004年及び2005年1−10月の平均収容期間、最長収容期間について教えてください。

回答
    福岡入国管理局の収容定員 36人、
    2004年の平均収容期間、       3.3日  最長収容期間  52日
    2005年1−10月の平均収容期間、  3.4日  最長収容期間  29日

A 福岡入管の収容施設内での、被収容者の自殺未遂(自傷行為)を引き起した件数は、2004年および2005年1−10月までにどのぐらいありましたか、
   (回答  2003年 92人  2004年未集計 )

回答
    2004年 該当者なし  2005年1月―10月 該当者なし

6、福岡入管の職員体制について

@ 2005年度福岡入管職員の総定員、警備部門、在留審査部門、審判部門の大まかな定員数を教えてください。また、2005年度は前年度に比べてどの分野にどのぐらい増員がなされましたか。
   (回答  2004年11月1日現在 福岡入管職員の総定員212人、うち福岡本局 58人 内訳 警備部門31人、在留審査部と審判部門13人 その他14人 2004年度の増員はゼロ。)

回答
    2005年11月1日現在 福岡入管職員の総定員208人、うち福岡本局 57人 その内訳 警備部門31人、在留審査部と審判部門13人 その他13人 2005年度の人員は、前年度 減員。

A 2004年及び2005年1−10月福岡入管職員の一人当たりの月平均残業時間はどれぐいになっていますか。
   (回答  本局では、2003年及び2004年1−10月の一人当たりの月平均残業時間は、30-40時間)

回答
    本局では、2004年及び2005年1−10月の一人当たりの月平均残業時間は、30時間

7.研修生及び技能実習生について

@ 2004年の九州内の研修生の総数と各県別の数
   (回答  2003年12月現在 外国人研修生  九州7県内 2693人 (沖縄県を含むと 2823人) 各県別 福岡県 572人 佐賀県 270人 長崎県 456 人 熊本県  450人  大分県 284人  宮崎県  382人  鹿児島県  279人  沖縄県 130人 )

回答
    2004年12月末現在 九州内外国人研修生  (九州7県内) 2560人 
    各県別 福岡県 547人 佐賀県 317人 長崎県 444 人 熊本県  408人  大分県 246人  宮崎県  308人  鹿児島県  290人  )  沖縄県は不明

A 2004年及び2005年1月−11月末現在の九州内の研修生及び技能実習生で失踪、逃亡した者の数を教えて下さい。
   (回答  2003年  90人  2004年1−10月 65人)

回答
    2004年  79人  2005年1-10月  59人

B 現在、研修生として認められている職種の数、及び技能実習生に認められている職種の数は、いくつありますか。
   (回答 (2004年1月1日現在)技能実習生についての  62種類)

回答
    2005年4月1日 62種


要  請  状

法務大臣
福岡入国管理局長殿 

2005年12月13日、 移住労働者と共に生きるネットワーク・九州
 連絡先 福岡市博多区美野島2-5-31 美野島司牧センター内
      ・ 092-431-1419 FAX092-431-5709、

共同代表 
  岩本光弘(福岡県遠賀町)
  コース・マルセル(福岡市・美野島司牧センター)
  塚田ともみ(鹿児島市・ATLAS)
  中島真一郎(熊本市・コムスタカ- 外国人と共に生きる会)

(1)、退去強制手続きについて

1、 在宅での違反調査から審判部審査に移る前の仮放免手続きの際の保証金を取ることを廃止して下さい。 

2、 子どもの収容を行なわないようにして下さい。

3、 退去強制者が退去強制されるまでの収容期間を明確にし、できるだけ短期間の収容で帰国できるようにして下さい。

4、 被収容者の病気や体の変調に際して対応できる収容施設での医療ケア(精神的ケアも含めて)の体制を充実させてください。

5、 通訳の必要な場合には通訳者を、また退去強制手続きの過程をわかりやすく説明した多言語で作られた図表を活用し、退去強制に応じたくない場合には異議申し立てを行い、法務大臣への在留特別許可を申請できることを必ず理解できるようにしてください。

(2)、在留特別許可について

1、 日本人等との婚姻や日本人等との実子を養育していることなどを理由とする在留特別許可申請については現行の三審制を1回の審査で済むように改める等、増大傾向にある在留特別許可申請に対応して迅速に審査し、審査期間を短縮するように改善して下さい。

2、 在留資格のない外国籍の家族について、子どもが就学中の場合には在留特別許可により
定住者の在留資格も認めるようにして下さい。

3、 入管法違反で収容され、退去強制令書発付後に、日本人等との婚姻届が受理された場合には、再審情願により法務大臣の裁決を見直し在留特別許可を与えるようにしてください。

(3)定住者ビザへの変更について

1、 日本人配偶者との離婚や死別等により配偶者ビザから定住者ビザへの変更を希望するケースで、子の親権のない場合でも、子の面接を行うなど子との交流を続けているケースでは、定住者ビザへの変更が認めるようにしてください。

2、 日本人配偶者との離婚により配偶者ビザから定住者ビザへの変更を希望するケースで、日本人配偶者等の在留資格で3年間の在留期間のビザを有し、日本での定住を希望する場合は、原則として定住者の在留資格への 変更を認めてください。

3、 日本人配偶者との死別により配偶者ビザから定住者ビザへの変更を希望するケースについては、日本人配偶者が日本での定住を希望する場合は、原則として定住者の在留資格への 変更を認めてください。

(4)改正 DV防止法の施行に伴う措置について

1、 外国籍のDV被害者に対して、夫と離婚成立前であれば日本人配偶者等の在留資格の更新を、離婚後であれば日本人配偶者等の在留資格から定住者の在留資格への更新を認めるなど、在留資格の付与を明確にしてください。

2、 在留資格のない外国籍のDV被害者で、入国管理局へ出頭し在宅で在留特別許可の審査を受けている場合に、自治体からの国民健康保険加入や生活保護の給付決定を行うための在留特別許可取得の見込みの問い合わせに対して、福岡入国管理局が、「在留特別許可により1年以上の在留期間のある在留資格(「定住者」・「日本人配偶者等」など)が与えられる蓋然性の有無」について回答するようにしてください。

(5)人身取引の被害者について

 外国籍の在留資格のない人身取引の被害者に対して、帰国を希望する場合にはすみやかな帰国の実現を、帰国を希望しない場合には、仮放免の弾力的運用や在留特別許可を付与するなど積極的な被害者保護を行うことを要請します。

(6)、2004年12月2日施行の改定入管難民認定法について

1、難民認定制度について

 @ 難民の認定基準を大幅に緩和して積極的に難民を認定するようにしてください。
 A 難民認定の申請者に対して、審査中において収容施設に収容せず、在宅で難民の認定のための審査を行うようにしてください。
 B 難民認定の申請者に対して、審査中においても申請者の住居・医療・教育・福祉・生活・仕事など人道的に配慮した施策を積極的に行うようにしてください。
 C 難民認定申請者で、難民認定が認められなかったが、在留特別許可を認める場合には、「特定活動」の在留資格ではなく、 生活保護が認められる「定住者」の在留資格を付与するようにして下さい。

2、 在留資格取り消し制度の創設及び出国命令制度について

 出国取り消し制度や在留許可取り消し制度の運用にあたっては、手続きの透明性や公正性を確保し、恣意的な運用をしないようにしてください。

3、上陸拒否期間の見直しについて

 上陸拒否期間内であっても、日本人等との婚姻や日本人等の実子がある場合などには、人道配慮を優先し、上陸特別許可を積極的に認めるようにしてください。

4、「精神障害者」の上陸拒否事由の見直しについて

  「精神障害者」を理由とする上陸拒否事由を全て削除してください。

(7).家族の結合の基準の見直しについて

1、 2005年9月に一部改定された定住者告示は、元中国残留日本人の養子や婚姻前の子について、「6歳に達する前に同居していた」場合には、一律に定住者の在留資格を付与しようとするものです。それに該当しない場合でも、家族の実態がある場合には、「定住者」の在留資格を認めるようにして下さい。

2、 入管難民認定法の定住者告示(1990年)では、「定住者」の在留資格が認められるためには、養子は「6歳未満」、婚姻前の子は「未婚・未成年」が要件として規定されていますが、元中国残留日本人以外の家族にも、家族の実態がある場合には、上記の要件を緩和し、「定住者」の在留資格を認めるようにして下さい。
 
3、 日本人との子を国外で養育する外国籍親が、日本での子の国籍取得手続きや定住するため「短期滞在者」として来日している場合に、日本人親が身元引受人にならない場合にも、「特定活動」あるいは「定住者」としての在留資格を速やかに付与してください。

4、 出身国にいる年老いた親を呼び寄せ日本で一緒に暮らしたいと希望する外国人に対して、親が来日して子どもと一緒に日本で定住できるようにしてください。

(8) 収容施設での収容者の取り扱いについて

1、 裁判係争中の収容者、病気のある収容者、障害のある収容者、妊娠中の女性などに対して、仮放免を積極的に認め、収容施設ではなく在宅で暮らせるようにしてください。

2、帰国意思がありながら、帰国費用がないため長期収容されている収容者に対して、速やかに国費による送還を実視するようにしてください。


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