大村入国管理センター所長殿
2007年10月  8日 提出

               2007年11月 14日 回答

移住労働者と共に生きるネットワーク・九州
 連絡先 福岡市博多区美野島2-5-31 美野島司牧センター内
      (092-431-1419 Fax 092-431-5709)

共同代表 
  岩本光弘(北九州市・外国人と共に歩む会)
  コース・マルセル(福岡市・美野島司牧センター)
  塚田ともみ(鹿児島市・ATLAS)
  中島真一郎(熊本市・コムスタカ- 外国人と共に生きる会)

T 大村入国管理センターについての質問

 2004年9月と2005年10月、2006年11月に引き続き4回目となる移住労働者と共に生きるネットワーク九州と大村入国管理センターとの意見交換会が、2007年11月14日午後1時にひらかれました。大村入国管理センターには2006年と2007年1月から9月末までの状況について、以下のような質問項目を2007年10月8日付けで事前に提出していました。以下、その回答です。

(1)収容施設の状況

@ 現時点(2007年9月末)での収容定員、収容人数、国籍別被収容者数(うち女性、)、世代別(10代、20代, 30代 40代、50台以上) 九州外の入国管理センターなどから移送されてきた被収容者の割合を教えてください。

回答
収容定員 
800人、

収容人数 2007年9月末現在131人(うち女性 59人)、

被収容者数 九州外の西日本入国管理センター、東日本入国管理センターなど

        から移送されてきた被収容者の比率は、98%を占める。

国籍別では、 中国82人(36人)、ベトナム18人(6人)、インドネシア12人(4人)

韓国11人(8人)、フィリピン4人(2人)、その他6人(3人) 

世代別では  10代1人(1人) 20代40人(15人) 30代44人(17人) 

40代36人(18人) 50代 以上12人(8人)

A 2006年の平均収容期間、最長収容期間について教えてください。

回答
      平均収容期間  23日  最長収容期間 6ヶ月 (2007年9月末時点)

B 現時点(2007年9月末)で6ヶ月以上の長期被収容者の人数について教えてください。

回答    1名

C 2006年と2007年1-9月の収容施設内での、被収容者の自殺未遂(自傷行為)の件数は、何件ですか。

回答
 2005年 2件 2006年3件  2007年1月―9月 14件 (同一人の複数件数を含む)

 

D 2006年と2007年1-9月期間中に、仮放免が認められた人数と、その主な事由

(帰国準備・病気療養・行政訴訟係争中・難民認定関係・その他)別の内訳人数

回答
 2005年 5人、 2006年 15人  2007年1−9月  31人

理由別内訳

2006年 出国準備0人 病気治療(結核)6名 長期収容 6名 

その他(人道配慮等) 3名

2007年1―9月 出国準備 6人 病気治療(結核) 2名 長期収容 22名 

その他(人道配慮等) 1名

 

E 国費送還者は2006年及び2007年1−9月の期間中何人いましたか。

回答
 2005年  11名  2006年  10人   2007年1−9月 8人 

F 被収容者からの苦情申し立ては、2005年及び2006年1−9月の期間中何件ありましたか。その苦情の内容の主なものはなんですか。

回答
 被収容者処遇規則第41条の2に基づく不服申し立て制度への申立は、2005年 該当なし、 2006年 該当者なし   2007年1月―9月 該当者なし

G  2007年9月末現在、難民認定申請中、あるいは難民不認定処分等取消訴訟中の被収容者は何人いますか。

回答  個人の特定につながるおそれがあるので、回答できない

H 2006年、2007年1月−9月の期間中に、収容者の中に、宗教上の行事を希望した者は、何人いましたか。

回答   該当者なし

I 2006年と2007年1月-9月までの期間中、収容者のなかに、人身売買被害者何人いましたか、いる場合にはその人数と国籍を教えてください。

 回答  該当事例 なし

J、収容中に、人身売買被害者であるかどうかの認定はどのように行いますか、認定された場合には、どのような対応がなされ、収容後の行き先(施設へ入所したり、帰国する)はどうなりますか。

  回答(要旨) 人身取引の被害者か否かは、地方入国管理局の違反調査―違反審判―口頭審理の過程で検討され、人身取引被害者と認められる場合には、在留特別許可が付与される。当センターでは、退去強制令書が発付され、人身取引の該当者は存在しない。しかし、仮に人身取引の被害者の申出が被収容者からあった場合や外部の機関から指摘があった場合には、地方入管に連絡して、人身取引被害者か否かを再検討することになる。もし、人身取引被害者と認定された場合には、婦人相談書や領事館などの在日外国公館やIMOや日本のNGO関係に連絡して被害者の保護への協力をもとめ、また、できる限り仮放免を迅速に行うことができるように配慮している。また、すみやかな帰国を希望する場合には、在日外国公館に連絡して旅券等帰国へ必要な書類の発行をすみやかに行う措置をとるように要請し、すみやかに帰国の実現に配慮している。

(2)職員体制について

@ 2006年度大村入国管理センター職員の総定員、また、2006年度は前年度に比べてどの分野にどのぐらい増員がなされましたか。また、女性の被収容者が多いと思いますが、女性職員は総定員のうちどのぐらいいますか、昨年度に比べて何人増員されていますか。

回答
 2007年度 総定員67名(前年度と同数) 職員構成などについては回答できない

A 職員で、対応できる外国語は、何ヶ国語ありますか、また、通訳者を依頼する場合対応できる言語は何ヶ国語ありますか。

回答
 職員には、語学委託研修を実施(2006年 英語 1名、 中国語1名 、2007年 英語1名、韓国語 1名 ベトナム語1名)、通訳者は、中国男性1名は常勤、中国語女性 1名 非常勤 、他の言語については、登録していただいている通訳協力者にそのつど依頼し、でんわではなしてもらったり、センターまで来所してもらっている。ほとんどの言語で対応可能である。

B 2006年及び2007年1−9月入管職員の一人当たりの月平均残業時間はどれぐらいになっていますか。

回答
 2006年及び2007年1−9月 月平均  10時間程度 (昨年度と同じ)

C 2007年度の大村入国管理センターでの医療スタッフ(医師、看護士、薬剤師、その他)の内訳を以下の昨年の回答と比べ人数・訪問日に変化しているところがあれば、教えてください。

回答
 2007年4月1日より、常勤医師が採用されて勤務するようになった。 常勤医師(内科医1名 ) 歯科医師 1名(火曜日と金曜日の週2日) 薬剤師2名 (常勤) 看護士 2名(常勤)  放射線技師 1名(金曜日 週1日)

D 長期の被収容者の中で、精神を病んでいる被収容者のケアについて、メンタルケアの専門家によるカウンセリングは、昨年の回答と比べて変化していますか。

回答
 昨年と同様である。 月2回(午後)メンタルケアの専門家 臨床心理療法士1名によるカウンセリングを実施している

E 2005年に、被収容者から外部の医療機関での受診・検査希望は、何件ありましたか、又そのうち実際に外部の医療機関に受診・検診が認められたのは何件ありましたか。

回答
 2006年 81件が外部の医療機関で受診している。 (2007年4月1日寄り常勤医師に採用に伴い、2007年度は外部の医療機関での受診は減少している。

 

(3)被収容者の処遇について

@ 2006年の被収容者一人当たり1日の経費はいくらかかりますか。

回答
 被収容者一人当たり1日の経費は多岐にわたり算出が困難ですが、2006年度の被収容者の直接経費(食糧、クリーニング代など)については約5895万円、収容者一人当たり1日約1200円です。

A 2006年 一部屋の定員、及び一部屋の平均収容人数は何人程度ですか、また一人部屋の新設はなされましたか。

回答
 一部屋の定員は10人、一部屋の平均収容人数は、おおよそ6−8人

B 運動時間、入浴、衣類の洗濯についての昨年の回答と比べて、現在は何か変化がありますか、変化しているものをご回答下さい。

回答
 昨年と同様である。運動時間(土曜日、日曜日、休日を除く毎日 1回45分 毎日 年末年始、連休中はなし、1日のいつ行うかは、その日の職員の都合で変更される)
 入浴  (土曜日、日曜日を除く毎日1回 午後2時から4時までの時間帯、年末年始、連休中も可能,  夏季は,土・日も含む毎日)、衣類の洗濯 (午前9時から午後5時までの開錠されている時間帯であれば、設置されている自動洗濯機で、毎日可能)

C 被収容者の食事について、昨年の回答と比べて変化したところがありますか、変化しているものをご回答下さい。

回答
 昨年と変化なし。 大村入国管理センター内に厨房があり、その厨房を使って外部の業者に委託し、栄養士による栄養バランスを考慮し、食習慣、嗜好、宗教上の戒律、禁忌に配慮し、1日2200キロカロリーから3000キロカロリー以内で食事は供給している。

D 面会者は、2005年に延べ人数で何人ぐらい被収容者と面会していますか

回答
 2005年  延べ人数で391人  2006年 延べ人数 1107人

E、被収容者の治療の際に施設内に常備されている薬は、どのぐらいの種類の病気に対応できる薬が、常備されていますか。また、年間どのぐらいの薬が使用されていますか。

回答   保安上の理由で、回答できない。

F、 施設内に設置されているレントゲンは、2006年中何人の被収容者に使用されましたか、またその主な使用目的は何ですか、

 回答  2006年 1966件  入所時の健康診断のため

G、女性被収容者のプライバシーへの配慮、(トイレやシャワー 、夜間巡回時など)はどのようにされていますか。

 回答  女性職員を配置するなどして、配慮している

H、被収容者から、医者に腹痛など症状を訴えても、精神安定剤しか処方してもらえないという不満の声が聞かれます。担当医師への苦情や不満に対して、施設としてどのように対処されていますか。

回答  診療担当の医師と協議して、適切に対応している。

大村入国管理センターへの要望書

(要望事項とそれに対する回答)
2007年11月14日

大村入国管理センター所長殿

移住労働者と共に生きるネットワーク・九州

 以下の要望事項の実現を要請します。

( )は、要望事項への大村入国管理センターからの昨年の回答の要旨です。

要望1、窓ガラスでの仕切りのない家族面会室を設置してください。

昨年と同様の回答 (回答 人情として理解できるが、職員数が減員されて余裕がなく、保安上の理由から設置予定はなし。)

要望2難民認定申請者、日本人配偶者等及びその他6ヶ月以上の長期収容者について、仮放免を実施し、在宅で暮らせるようにしください。

昨年と同様の回答 (回答 仮放免については、個々の案件に応じて判断していくので、一律の基準はありませんが、病気その他やむをえない事情がある場合にそれらを総合的に考慮して許可されることがあります。

要望3被収容者と接する職員にも名札をつけ、外国語ができる職員を配置して下さい。

昨年同様の回答(回答 職員に名札をつける予定はありません。すでに質問への回答の述べたとおり、職員への語学研修を実施しています。)

要望4入国管理センターに、常勤の医者を配置してください。

回答 常勤医師は、2007年4月1日より採用し、年齢は明らかにできないが、公務員として採用しているので、定年以下である。

要望5、医者に診察をうけるときや、相談するとき、通訳者が必要な場合には通訳者をつけてください。また、外部の医療機関へ診察や検査を被収容者が希望するときにはできるだけ外部の医療機関で、診察や検査が受けられるようにしてください。

回答 通訳者は必要に応じて配置しており、また、外部の医療機関での診察や検査は常勤の医師の判断で行っている。)

要望6被収容者との面会時間1日30分以内を、遠方からの面会者に配慮して、60分以内に延長してください。また、平日に休みが取れない面会者のために月1−2回でも土曜日か日曜日に面会が出来るようにしてほしい

 

昨年の同様の回答(回答 面会時間30分以内は、これまでどおり実施していくが、状況により柔軟に対応したい。又土曜日・日曜日の面会は、保安上の理由から、実施していない)

要望7女性の収容部屋については女性の監視員を配置してください。

昨年と同様の回答(回答 そのように配置している

要望8運動(屋外の運動場に出られる)時間をもう少し長くしてください。

昨年と同様の回答(回答 保安上の理由から延長は困難

要望9被収容者が希望すれば、収容所内で宗教行事が行えるようにしてください。また、被収容者にそのような希望を職員に伝えることができる旨を多言語で伝えてください。

昨年と同様の回答(回答 希望があれば申し入れができることは6ヶ国程度の多言語で書かれた規則で明示しており、申出があれば保安上支障がない範囲で宗教行事を行うことは認めている。)

 

 

 

大村入国管理センターの業務概況
出典

     『平成18年11月 業務概況書 大村入国管理センター』及び

 『平成19年11月 業務概況書 大村入国管理センター』より

 

資料1     国籍別入居者数          単位:人

 

韓国・朝鮮

中国

フィリピン

タイ

パキスタン

バングラデッシュ

その他

総数

2000

21

1246

14

6

 

1

13

1301

2001

81

1458

60

61

10

60

85

1815

2002

61

1066

9

18

 

 

49

1203

2003

56

1194

16

8

1

2

107

1384

2004

112

1146

36

26

5

1

61

1387

2005

95

1341

30

9

 

1

64

1540

2006

247

1057

256

49

4

9

357

1979

資料2  入所者の男女比率            単位: 人

性別

総数

入所者数

比率

入所者数

比率

 

2000

1187

91.2

114

8.8

1301

2001

1151

83.3

304

16.7

1815

2002

925

76.9

278

23.1

1203

2003

1097

79.3

287

20.7

1384

2004

1039

74.9

348

25.1

1387

2005

835

54.2

705

45.8

1540

2006

810

40.9

1169

59.1

1979

資料3 違反事由別入所者            単位: 人

性別

不法入国・不法上陸

資格外活動

不法残留

刑罰法令違反等

総数

2000

897

2

401

1

1301

2001

1163

6

642

4

1815

2002

855

 

346

2

1203

2003

888

7

489

 

1384

2004

785

4

595

3

1387

2005

823

8

702

7

1540

2006

677

50

1233

19

1979

資料4  年別入出所者               単位 : 人

性別

入所者数

出所者数

1日あたりの平均収容人員

収容延べ人員

2000

1301

1436

119.2

43634

2001

1815

1698

184.1

67189

2002

1203

1297

152.4

55633

2003

1384

1407

166.0

60586

2004

1387

1476

141.5

51778

2005

1540

1504

105.8

38622

2006

1979

1963

131.4

47950

 

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