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第14回 福岡入管と移住労働者と共に生きるネットワークとの意見交換会報告 2012年5月22日 中島 眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会) 移住労働者と共に生きるネットワーク・九州
福岡入国管理局への質問と回答 統計数値に関する質問への回答で、昨年2010年中は集計中として未回答だったものについては2010年中も、他は2011年中の統計数値をご回答ください。 T、入管業務に関する質問 1、出国命令制度、在留資格取消制度、難民認定申請件数や認定件数 @ 出国命令制度により出国した外国人は、2011年中 何人いますか。 『昨年の回答』 2009年 29名 2010年 37名 2011年43名 A 在留資格取消がなされた外国人は、2011年中は何人いますか。 『昨年の回答』 2010年 8名 2011年7名 B 難民認定申請件数及び難民認定件数は、2011年中は何件ありましたか。 『昨年の回答』 2010年 認定申請件数8件 認定件数 1件 2011年 認定申請件数4件 認定件数2件 2、個人識別情報の提供義務化 @ 上陸審査時における外国人の指紋や顔写真など、個人識別情報の提供義務化が2007年11月20日から施行されるようになりました。個人識別情報提供義務化により2010年、2011年中に福岡入管管内で上陸を拒否された者、退去を命ぜられた者、退去強制の手続をとった者の人数をお答え下さい。 『昨年の回答』 全国ベース 2009年11月20日〜2010年12月31日まで、個人識別情報提供義務化により上陸を拒否された者2412名、退去強制の手続を取った者140名、2010年は集計中 2010年個人識別情報提供事務化により上陸を拒否された者727名、退去強制の手続きを取った者38名、2011年は集計中 A 2010年、2011年中に福岡入管管内で免除対象者でないにもかかわらず、個人識別情報の提供を拒否して退去強制を命じられた外国人の数は何人ですか。 『昨年の回答』 2010年は集計中 2010年1人(全国)地方入国管理局管内の統計データは公表しない 2011年集計中 地方入国管理局管内の統計データは公表しない 3、外国人登録及び外国人労働者届出義務化と入管による摘発 在留資格のない外国人が、市町村の窓口で外国人登録を行った場合、市町村から入管に必ず報告がなされますが、外国人登録の情報をもとに入管が摘発したケースは、2011年中に何件ありましたか、また、入管単独の場合と警察と合同しての摘発の場合の件数を明らかにしてください。 『昨年の回答』 2010年 0件 2011年 該当者なし 4、行政訴訟、裁決の見直しについて 在留特別許可を認めない裁決を行い、退去強制令書が発付された事例のなかで、入管側が裁判で敗訴しその判決が確定して在留特別許可を付与した事例、裁判中に和解、あるいは訴訟の取り下げにより在留特別許可を付与した事例、裁判以外に、それぞれ福岡入管の2011年の事例で何件ありましたか。 『昨年の回答』 2010年 0件 2011年 0件 5、E-メール通報制度による摘発 法務省は2004年2月よりE-メールによる通報制度をおこなっていますが、このE-メール通報制度により、通報の対象者が福岡入管内在住の場合に連絡を受けて摘発をしたケースは、2011年中何件ありましたか。 『昨年の回答』 2010年 0件 2011年 該当者なし 6、人身売買の被害者の保護について 人身取引(トラフイッキング)の外国籍の被害者が入管難民認定法違反者で退去強制対象者の場合にも、在留特別許可を付与し、被害者保護として特別な配慮するとしています。福岡入国管理局は、人身売買の被害者の保護として、入管難民認定法の運用においてどのような配慮がおこなわれてきたかを知りたく以下の質問をします。 @ 2011年の「興行」の在留資格者の退去強制者数を教えてください。 『昨年の回答』 2010年 6名 2011年 0名 A 2010年、2011年に人身売買被害者として保護された外国人は、全国および福岡入管内でそれぞれ何名いましたか。国籍別の内訳も教えてください。 『昨年の回答』 2009年 全国ベース20名 福岡管内 0名 タイ8名 フィリピン10名 中国・香港 1名 中国 1名 2010年は集計中 2010年 全国ベース29名 福岡管内6名 タイ 1名 フィリピン 26名 中国1名 韓国 1名 2011年 全国ベース21名 福岡管内1名 タイ8名 フィリピン13名 B 2010年、2011年に福岡入管管内で人身取引被害者の疑いがあり調査した件数と、その国籍の内訳を教えて下さい。 また、調査したものの、被害者ではないと判断した場合の理由は何でしたか。 2011年 1件被害者として調査した。被害者でないと判断したものはない。※国籍の開示はなし C 2010年、2011年に入管により保護された人身売買被害者のうち、在留特別許可により在留資格を得られた人数と、そのうち長期の滞在や定住を可能とする在留資格の取得が認められた人数は何名いましたか。 『昨年の回答』 2009年 11名 (タイ6名 フィリピン4名 中国1名) 2010年は集計中 2010年 6名 在留資格別の内訳は公表していない 2011年 15名 在留資格別の内訳は公表していない 7、2010年7月1日から施行されている新しい技能実習生制度について @ 2010年7月1日から2010年12月末日までの期間中と、2011年中に、新規に来日した技能実習生(1号イ、1号ロ)は、全国で何人いますか。また、2009年同期間中及び2009年中の新規に来日した「研修生」と比べてどのぐらい増減していますか。 『昨年の回答』 2010年全国で集計中 2010年7月1日から2010年12月末日までの新規入国者数 1号イ(企業単独型)2282名 1号ロ(団体監視型)23720名 2011年 1号イ(企業単独型)5178名 1号ロ(団体監視型)60847名 2009年研修生として来日した同時期との比較 2009年7月1日〜12月末 38673名 2010年7月1日〜12月末 32219名 減少数6454名(減少率16.7%) 2009年1月1日〜12月末 80480名 2011年 1月1日〜12月末 66025名 減少数14455名(減少率18%) 2011年の数字は速報値 A 2010年、2011年中の受け入れ団体で不正行為の認定を受けた件数は全国でいくつありましたか。その内訳である企業単独型、団体監視型の第一次受入機関、第二次受入れ機関別の不正行為認定の件数を教えてください。 『昨年の回答』 2010年集計中 2010年総計 163件 企業単独型3件 団体監視型の第一次受入機関 17件 団体監視型の第二次受入機関 143件 2011年は集計中 B 送り出し機関で、技能実習生やその親族などから違約金を取る契約する等の不正行為を行っている送り出し機関が、新制度の下でも私達の調査では後はたちません。不正行為を理由に送り出し機関の申請を不許可とした件数、および、このような送り出し機関の不正行為を取り締まる対策についてご説明ください。 『昨年の回答』 違約金を取る契約をしていたことを理由とする不許可件数は集計していません。在留資格認定証明書交付申請時に違約金の契約があることが判明した場合には、申請自身について不許可とするとともに改善を促すことになります。また、個別事案に関する回答は差し控えますが、一般的には送り出し機関に不正または、その疑いがあれば、事案に応じて可能な限り調査を実施し、その結果に応じた対応を取ることになります。 違約金を取る契約をしていたことを理由とする不許可件数は集計していない。 一般的に、違約金徴収にかかる契約を締結している疑いがあれば、事案に応じて事実の調査を行い、その結果に応じた対応を取ることになる。 8、改正DV防止法の施行に伴う入管の対応について @ 入国管理局におけるDV事案の認知件数について、2008年7月以降より法務省として統計を公表するようになりました。(総数26件、期間更新等15件、退去強制手続き 8件、 相談のみ3件) 2011年中の福岡入管管内で、DV事案の認知件数の総数とその内訳(期間更新等、退去強制手続、相談のみ)を教えてください。 『昨年の回答』 *2009年8件 ( フィリピン5件 中国3件 内容、期間更新5件 相談3件 ) *2010年6件 ( フィリピン4件 中国1件 ルーマニア1) 2011年6件(フィリピン4件 中国1件 ベトナム1件 いずれも期間更新等) 9、 北朝鮮から大量の難民が流入する可能性についての対策について 新聞報道(2011年12月25日共同通信配信)によると、「政府は、不測の事態に備えて、北朝鮮から大量の難民の流入を想定した対策の検討に入った」「政府は、すでに新潟、石川、福岡各県などで一時保護のための数カ所の公共施設を選定済み」と報道されているが、福岡県内に選定されている一時保護のための公共施設とは、具体的にどこに何カ所あるのか、施設数とともに施設の名称を明らかにしてください。 当局ではそのような情報は入手していない U、 統計数値に関する質問 件数または人数は、特に指定のない限り2010年(確定値)及び2011年(概数値)を、それぞれお答え下さい。 1、福岡入管の管内での在留特別許可の運用の現状について @ 在留特別許可が認められた件数 『昨年の回答』 2010年 143件(概数) 2010年 143件(確定値) 2011年 172件(概数値) A 福岡入管で収容中に60日以内で在留特別許可が認められた件数 『昨年の回答』 2010年1件(概数) 2010年 1件(確定値) 2011年 3件(概数値) B 1年以上の懲役または禁固刑の有罪判決(執行猶予付き判決も含む)を受けるなど上陸拒否事由者に該当するケースで、 退去強制されずに在留特別許可が認められた件数 『昨年の回答』 2010年 9件 2011年 9件(確定値) 2011年 9件(概数値) 2、福岡入管内での上陸特別許可の運用の現状について @ 上陸特別許可の件数を明らかにしてください。 『昨年の回答』 2010年34件 2011年 225件(概数値) A 退去強制された外国人で上陸特別許可が認められた者のうち事前審査した在留資格認定申請者のうち入管法第5条該当者数を明らかにして下さい。入管法第5条該当者で上陸許可された数は何人ですか。 『昨年の回答』 2010年5件 2011年 2件(概数値) 3、福岡入管内上陸拒否者 福岡入管管内の空港や港で、来日しながらも上陸拒否された外国人は何人かを教えて下さい。 『昨年の回答』 2010年218件 (概数) 2011年 225件(概数値) 4、福岡入管の退去強制処分について @ 福岡入国管理局管内で退去強制された者の総数及び内訳などについてお尋ねします。 2010年の確定値、2011年慨数値をお答えください。 『昨年の回答』 *退去強制者の総数 (2010年概数値) 355名 *不法残留者 252名 *不法入国者 57名 *不法上陸者 5名 *資格外活動 15名 *刑罰法令違反者 26名 退去強制者の総数(2011年概数値) 312件 不法残留者 239名 不法入国者 23名 不法上陸者 4名 資格外活動 14名 刑罰法令違反者等 32名 A 入管法違反の受理件数のうち本人の自主申告者数は何人ですか。 『昨年の回答』 2010年81名 2011年 142名 B 退去強制者のうち福岡入管より警察・検察に告発した人数と、告発理由別内訳数 『昨年の回答』 2010年8名 不法入国 5名 偽装滞在者 3名 2011年 0名 5、福岡入管内の収容施設 @ 福岡入国管理局の収容定員、平均収容期間、最長収容期間について教えてください。 『昨年の回答』 2010年 平均収容期間 4.17日 最長収容期間 30日 収容定員 36名 2011年平均収容期間 3.12日 最長収容期間 32日 A 福岡入管の収容施設内での被収容者の自殺未遂(自傷行為)を引き起した件数は、どのくらいありましたか。 『昨年の回答』 2010年1名 2011年 0名 6、福岡入管の職員体制について @ 2011年度福岡入管職員の総定員、警備部門、在留審査部門、審判部門の大まかな定員数を教えてください。また、2011年度は前年度に比べてどの分野にどのぐらい増員がなされましたか。 『昨年の回答』 2010年度 定員240名 *福岡本局 77名 内訳、警備 39名 在留審査部と審判部門26名、その他12名 *2010年度の人員は前年度と比べて4名減員 2011年総定員 253名 福岡本局 80名 うち入国審査部門と審判部門 32名、警備部門36名、その他12名 2011年度の人員は、前年度と比べて13名増員 A 2011年福岡入管職員の一人当たりの月平均残業時間はどれぐらいになっていますか。 『昨年の回答』 2010年度 平均19時間 2011年度 平均18時間程度 7、2010年及び2011年研修生及び技能実習生について @ 2010年と2011年中の九州内の研修生の総数と各県別の数、及び技能実習生(1号イ、ロ 2号イ、ロの総数)の総数と各県別の数 『昨年の回答』 *2009年12月末 5131名 (研修生・技能実習生の総数) 各県別 ・福岡県1259名 ・佐賀県 488名 ・長崎県 639名 ・熊本県 917名 ・大分県 604名 ・宮崎県 569名 ・鹿児島県 584名 ・沖縄県 71名 2010年12月末現在における九州8県の研修生 420名 (福岡県 149名、佐賀県 34名、長崎県71名、熊本県55名、大分県34名、宮崎県37名、鹿児島県25名、沖縄県15名) 2010年12月末現在における九州8県の技能実習生 7778名 (福岡県 1835名、佐賀県 703名、長崎県1005名、熊本県1403名、大分県955名、宮崎県917名、鹿児島県878名、沖縄県82名) 2011年12月末現在における全国の研修生 3388名 2011年12月末現在における全国の技能実習生(1号イおよびロ、2号イおよびロ) 141994名 なお、2011年の数値は速報値であり、詳細の外国人登録者数については現在集計中 A 九州内の研修生及び技能実習生で2010年と2011年に失踪、逃亡した者の数、研修や技能実習中に死亡した者の数、研修途中や技能実習中に帰国した者の数を教えて下さい。 『昨年の回答』 2009年 失踪 79名 死亡2名 途中帰国 774名 福岡局に管理団体等から報告のあった件数(外数値) 2010年 失踪41名 死亡1名 途中帰国511名 2011年 失踪59名 死亡0名 途中帰国567名 V、改定入管法に関する質問 2012年7月9日に改定入管法が施行されますが、この入管法の施行に関して私たちは多くの疑問 を持っていますので、以下の質問をしますのでお答え下さい。 1、改定入管法の完全施行に備えて、2012年度の福岡入管の人員の増員総数の見込み、及び部門別増員数の見込みを教えてください。 在留カードの交付等の業務のため1名増となる見込み 2、2012年7月9日の施行前に、中長期在留者等外国籍住民への在留カードなど新制度への周知徹底を図る必要があるとおもいますが、そのための広報は、どのような方法でおこなうことになっていますか。 @入管局ホームページへの掲載 A当局の総合インフォメーションセンターにおける資料の配布等 B各関係機関へのリーフレットおよびポスターの配布 C各関係機関への当局職員派遣による説明会の開催 3、新制度では住所の届出は市町村ですが、それ以外の各種届出は入国管理局となっています。この場合、本庁以外の支局、出張所でも届出ができますか。また、届出で郵送によるものが可能なものがあれば教えてください。 新制度において地方入国管理局へ届けていただくものとしては、在留カードの住居地以外の記載事項変更の届け出(入管法19条の10)、中長期在留者による所属機関等に関する届け出(入管法19条の16)、所属機関による届け出(入管法19条の17)がありますが、いずれも住居地を管轄する地方入国管理局の支局・出張所へ出頭して届け出をすることができます。 またこのうち中長期在留者による所属機関等に関する届け出と、所属機関による届け出については、東京入国管理局に届け出事項を記載した文書を郵送して届け出ていただくことが可能です。なお具体的な郵送方法等については、追って入国管理局ホームページ等でご案内する予定です。 4、新制度では、利便性の向上として在留期間の最長期間が3年から5年などに伸長されることが強調されていますが、これまで3年の在留期間を得ていた者は、新制度下に在留期間の更新では、その大半が5年の在留期間になるという理解でよいのですか。 また、一方で、活動に対する在留資格(別表第1)では3カ月が、身分や地位に対する在留資格(別表第2)では、6カ月という最短期間の在留資格が新たに設けられます。これらの最短の在留期間はどのような場合に認められることになりますか。 5年を含めた在留期間の決定については、それぞれの在留資格に応じた運用を本省において検討中と承知しています。また最短期間の在留期間については、短期間経営指導等を行うため、投資経営等の在留資格で入国する方や短期間大学において教育活動を行うため教授の在留資格で入国する方など、当初から3か月未満の滞在予定である方も少なくなく、そのような外国人まで住居地等の届け出義務を課すことは、当該外国人本人にとって、過度な負担になることから、中長期在留者とはならない3月の在留期間を新設し、また日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の在留資格を有する外国人については、許可後に安定的な在留活動を行っているか、比較的短期間のうちに確認すべき場合があることから、6月の在留期間を新設したと承知しています。 5、新制度で、市町村が作成する外国人住民の住民基本台帳の届出情報のうち、入管へ通知される項目を教えてください。また、それらの外国人住民の個人情報の保護と管理はどのように行われていくのですか。 市区町村から法務大臣に外国人住民にかかる住民地情報等について通知しなければならない場面は、 @中長期在留者や特別永住者から住居地にかかる届け出があった場合(入管法第19条の7、第19条の8および19条の9、入管特例法第10条、改正法則第17条、第18条、第30条および第31条) A市町村において住民票の記載、消除または記載の修正をした場合(入管法第61条の8の2) B特別永住者証明書を交付した場合(入管特例法第7条、第11条、第12条、第13条および第14条)である。 またその際の通知事項は次のとおりである。 上記@の場合は、個人を特定する情報:氏名、生年月日、性別、国籍、地域、在留カード番号、または特別永住者証明書番号▽住居地の移動に関する情報:届け出の年月日、届け出事由、住居地を定めた年月日または新居住地へ移転した年月日、届け出た住居地情報(住居地を変更した場合には、届け出直前と旧住居地情報もあわせて通知される)である。(入管法施行令第2条入管特例法施行令第3条、入管法および入管特例法の一部を改正する等の法律の施行に伴う関係政令の整理及び経過措置に関する政令第18条および第25条) 上記Aの場合も、基本的には上記@の個人を特定する情報のほか、中長期在留者、特別永住者、一次庇護許可者、仮滞在許可者または経過滞在者の別や、それぞれの事由に応じた事項(住民票の記載、消除または記載の修正の別等)を通知することとされている。(入管法施行令第6条) 上記Bの場合は、特別永住者証明書の交付事実、交付年月日および特別永住者証明書番号である(入管特例法施行令第2条) これら市区町村の長を経由して法務大臣に届け出ていただいた住居地情報等については、双方で共有することとなりますが、届け出ていただいた情報につきましては当然のことながら行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づき他の個人情報と同様適正に管理します。 6、これまで外国人登録法の規定する届出義務違反に対しての刑事罰の適用は、市町村が告発してきましたが、新制度では各種届出義務違反に対する刑罰の適用は、住所を除いて入管による告発になるという理解でよいのですか。また、住所の遅延届出など各種届出義務違反の告発はどのような運用基準でおこなわれることになるのかですか。 個別の事情を精査した上で対応することになります。 7、日本人配偶者等、配偶者として在留する外国人には、入管へ離婚や死別の場合の14日以内に届出が義務付けられています。届出た場合に、その配偶者としての在留資格は、取消し制度が適用され取り消されるまで有効となるのですか。離婚や死別の届出後の配偶者の在留資格の取り扱いについてご説明ください。 日本人との婚姻を理由に日本人の配偶者等の在留資格を有する外国人が、日本人と離別や死別をしたことを届け出た場合、当該届け出と同時に在留資格変更許可申請を行わなければならないわけではありませんが、正当な理由がなく配偶者としての活動を継続して6か月以上行わずに在留していると、在留資格取り消しの対象となりますので、引き続き本邦への在留を希望されるときにはできるだけ早期に適当な在留資格への変更手続きをしていただくことになります。 8、婚姻継続中で、別居中の外国人配偶者などには「配偶者としての身分を有する者としての活動を継続して6月以上行っていない」と入管から見なされた場合に在留資格が取り消されることになりますが、配偶者としての活動とは同居以外にどのような活動を意味しますか。また6カ月以上の期間の計算はどのような基準でおこなうのですか。 配偶者の身分を有する者としての活動を行うとは、現に法律上の婚姻関係が成立していて、かつ同居し互いに協力し、扶助しあって社会通念上夫婦の共同生活を営むという婚姻の実態を伴っている場合をいい、当該活動を6月以上行っていないかについては、個別事案ごとに事実確認を行ったうえで対応することになります。 9、配偶者として在留する外国人への在留資格取り消しの規定(法第22条の4の@の7)は、但し書きで、「当該活動を行わないで在留していることにつき、正当な理由のある場合を除く」と規定されています。この「正当な理由のある場合」に該当する場合を具体的に説明してください。 たとえば子の親権をめぐって調停中の場合や日本人の配偶者が有責であることを争って離婚訴訟中の場合であることが考えられます。 10、住所の届出義務の遅延は、日本国籍の住民でも相当数が存在すると思われますが、罰則は5万円以下の過料のみです。一方、外国籍住民に対する住居の届出義務の遅延等には、罰則として過料だけでなく、刑事罰が科されています。外国籍住民の住居の届出義務違反に対して、どのような運用基準で、刑事罰の適用を行っていくことになりますか。 個別の事情を精査した上で対応することになります。 11、法第22条ノ4の@の8及び@の9の規定には、但し書きとして、「届け出をしないことに正当な理由がある場合を除く」と規定されていますが、住居地の届出をしないことに正当な理由が認められる場合とは、具体的には、どのような場合が該当しますか。 務めていた会社が急に倒産して住居を失った場合や、長期にわたり入院したため居住地の変更を届け出ることができなかった場合などのほかDV被害者が加害者に所在を知られないようにするため住居地の変更を届け出なかった場合などが考えられます。 12、永住者については、施行から3年以内に外国人登録証から在留カードへの切替えが求められていますが、在留期間がなく再入国手続きのため以外特に入管へ来ることもない永住者を対象に入管から切り替え通知の案内を郵送することは考えていませんか。 永住者の方については在留カードへの切り替えに関して積極的に広報活動を行う予定であり、その状況等を踏まえつつ検討を行うと承知しています。 13、永住許可への申請は、これまで日本人配偶者等の在留資格を持つ外国人配偶者が、日本人等との婚姻期間3年以上で、最長の在留期間(現在3年)があれば申請が可能となっていますが、7月9日以降、在留期間の最長期間が5年となった場合、婚姻期間3年以上で現在3年の在留期間をもつ日本人等の配偶者は、従来通り3年の在留期間のままで、永住権の申請を行うことができますか。それとも5年の在留期間を持つものしか申請できなくなりますか。 永住許可に関するガイドラインについて、見直しの要否も含めて検討中と承知しています。 14、住所の変更届出義務に90日以上遅延した場合等にも、永住者に対しても在留資格の取消しの規定(法22条の@の9)が適用されますが、永住者の在留資格が取り消された場合には、他の在留資格に該当すれば変更することはできますか。また、法第22条の5(在留資格手続きにおける配慮)の規定のような他の在留資格変更への配慮はなされないのですか。 法第22条の5の規定は22条の4第1項第9号の取り消し事由には適用されません。なお一般論で申し上げれば、取り消し事由に該当する場合でも在留資格を取り消さないと判断される場合はあり得ます。在留資格が取り消された後には在留資格は無くなり、在留資格の変更手続きそのものができなくなります。 15、仮放免許可者については、在留カードも外国人住民票も発行されないことになっていますが、在留資格がない場合にも認められている公的サービスを受ける場合に必要とされる氏名や住所の公的証明について、法務省入国管理局としてどのような配慮をしていくつもりですか。 外国人に対する行政サービスの提供については、各制度の趣旨に基づきその手続きや必要書類が定められており、原則として行政サービスの手続き等の場面でどのような書類を求めるかは行政サービスを行う各機関において判断されるものです。現在受けられる行政サービスの範囲は新しい在留管理制度の導入後も変わらないものと承知しています。なお入管局としては、改正入管法付則第60条第1項の趣旨を踏まえ、被仮放免者の情報を市区町村に通報する予定としています。 16、留学生の在留資格は、在留期間が1年、1年3月、2年、2年3月から、3月、3年、3年3月、4年、4年3月が新たに設けられ多様化します。これらの在留期間は、留学生のどのような基準で付与されるのですか。 例えば、4年制大学に入学した留学生は、原則として4年、あるいは4年3月の在留期間の在留資格が付与されるという理解でよいですか。それとも入学した4年制大学の評価により1年、あるいは2年間の在留期間しか付与されない場合もあり得るのですか。 新しい在留管理制度における在留期間の具体的な決定方法については、現在本省において検討中と承知しています。いずれにしても在留期間は個別に決定されることになります。 要 請 書
2012年3月7日
法務大臣 殿 福岡入国管理局長 殿 移住労働者と共に生きるネットワーク・九州 連絡先 福岡市博多区美野島2-5-31 美野島司牧センター内 Tel 092-431-1419 Fax 092-431-5709、 共同代表 井上幸雄 (福岡市・アジアに生きる会福岡) 岩本光弘、(北九州市・多文化共生センター北九州) コース・マルセル(福岡市・美野島司牧センター) 中島真一郎(熊本市・コムスタカ−外国人と共に生きる会) 1、個人識別情報の提供の義務化について @ 外国人(特別永住者や16歳未満などを除く)を対象として、指紋情報など個人識別情報の提供を義務として求めることは外国人を「テロリスト予備軍」とみなし、管理・監視の対象とするもので、外国人を差別し基本的人権を侵害するものであり、すみやかに廃止してください。それに向けた段階的な対応として、まず永住者の適応を除外してください。 A 提供された個人情報をプライバシーとして保護し、その目的外利用を許さず、その目的達成のための合理的な期間経過後はすみやかに消去してください。 2、在留特別許可について 入管法違反で収容され、退去強制令書発付後に日本人等との婚姻届が受理された場合には、夫婦としての実態を総合的に判断して在留特別許可を与えて下さい。また、在留特別許可が不許可となり、退去強制令書発付処分がなされた外国人にも「裁決後に事情が変更し、退去強制することが人道上過酷であるような場合について裁決を見直すこともある」という運営方針を積極的に活用し、法務大臣の裁決を見直して在留特別許可を与えるようにしてください。 3、「日本人配偶者等」や「定住者」の在留資格の更新や変更について @ 別居中の日本人配偶者から離婚調停の申立や離婚訴訟を提訴されて係争中の外国人配偶者の在留資格(「日本人配偶者等」)の更新・変更について、調停や訴訟の目処がつくまで、対等・公平に争えるように在留資格の更新や変更を認めてください。 A 日本人配偶者との離婚により日本人配偶者ビザから定住者ビザへの変更を希望するケースで子どもの親権のない場合でも、子どもの面接を行うなど子どもとの交流を続けているケースや、子どもがいない単身者の場合でも、定住者の在留資格への変更を認めるようにしてください。 B 子どもがいない単身者で、「日本人配偶者等」から「定住者」への在留資格の変更申請に関して、在留特別許可のガイドラインや永住者のガイドラインを公表しているように、ガイドラインを設けて公表してください。 C「定住者」あるいは「日本人配偶者等」の在留資格を有して日本で暮らしている外国人が、その親の介護あるいは子どもの育児のため親を呼び寄せたいとき、「短期滞在」ではなく、「特定活動」あるいは「定住者」の在留資格を付与し長期的に滞在できるようにしてください。 4、DV被害者及び人身取引の被害者について @ 改正DV防止法の主旨にそって、外国籍のDV被害者に対しては、夫と離婚成立前であれば日本人配偶者等の在留資格の更新を、離婚後であれば日本人配偶者等の在留資格から定住者の在留資格への更新を認めるなど、在留資格の付与をより明確にしてください。 A 外国籍の在留資格のない人身取引の被害者に対しては、帰国を希望する場合には速やかな帰国の実現を、帰国を希望しない場合には仮放免の弾力的運用や在留特別許可により就業可能な在留許可を付与するなど、積極的な被害者保護を行うことを要請します。また、男性被害者も女性と同様の保護が受けられるように要請します。 5、外国人を対象とする E-メール通報制度の廃止について 法務省入国管理局のホームページで外国人のみを対象として、E-メールでの通報を呼びかけ摘発に利用することは、外国人を「犯罪者、あるいは犯罪予備軍」とみなし、外国人の基本的人権を侵害します。すみやかにE-メール通報制度を廃止してください。 6、外国人登録や外国人労働者の就労届出からの摘発の中止 自治体での外国人登録や事業主に義務付けられた外国人労働者の就労状況の公共職業安定所(ハローワーク)への届出情報は、外国人及び外国人労働者の個人情報であり、それらの情報を活用した入管の摘発は個人情報の目的外使用でありプライバシーの侵害となります。事業主の外国人就労状況の届出から外国人の摘発をやめるようにしてください。 7、技能実習生制度の見直しについて 技能実習生制度において来日している人たちに、今も様々な不法な行いが行われていることが 私たちへ報告されています。従って、この制度について次のとおり要請をします。 @ 新制度でも「日本の優れた技術移転を通じての国際貢献」という理念と、日本人が就労しない分野や格安の労働力を求める企業や農家という実態の乖離は基本的に解消せず、この制度のひずみは、むしろ拡大しています。「技能実習生」の在留資格は廃止し、実態に合わせ、転職の自由を認める「労働」の在留資格を設けてください。 A 受け入れ団体・企業・農家の「不正行為」や「法令違反による人権侵害」からの救済を求めている外国人技能実習生が、その権利や損害の回復ができるまで日本に滞在できるように在留資格の更新や変更をしてください。また帰国後であっても裁判などの証言のために来日を希望する場合には在留資格を付与して来日できるようにしてください。 B 受け入れ機関や企業・農家などで「不法行為」や「法令違反」があるとの申告がなされた場合でも、申告から処分がなされるまで10ヶ月から1年間ほどの期間を要していました。新制度の下で、入管は速やかに実態調査を行い、「不正行為」を認定して処分を行うようにしてください。 C 技能実習生が苛酷な労働環境や搾取状態に置かれている要因として、日本側受け入れ機関や企業・農家と賃金や残業に関する違法な契約を締結させられていることや、高額の保証金や違約金を取る契約をして技能実習生を送り出している外国の送出し機関(派遣会社等)の存在がありました。新制度の下でも同様な状態が行われています。このような契約を締結している送出し機関が関与する受け入れ申請を不許可にしてください。 8、改定入管法に関して @ 改定内容や改定される運用の周知徹底について、特に永住者へは郵便で事前に多言語で改定の内容を説明したものを郵送してください。 A 外国籍住民への周知が徹底していない現状において、各種届け出義務違反に対する警察や検察への入管からの告発を3年間は控えるべきです。また、入管から告発する事案については、悪質な事案に限定することにしてください。 B 配偶者として在留している外国人が配偶者としての活動を6月以上怠った場合の在留資格の取 消、あるいは、中長期在留外国人が、住居の移転の届出を90日以上怠った場合の在留資格の取消に関しては、取り消されない正当事由の具体例を含めて、その運用のガイドラインを公表し、恣意的な運用にならないようにしてください。 C これまでおおむね在留期間は「1年」と「3年」の2種類でしたが、改定により従来の「1年」と「3年」に加えて最長の在留期間「5年」そして最短の在留期間「6ヶ月」あるいは「3ヶ月」が新たに設けられ、在留期間の種類が多様化しました。どのような場合に、どのような「在留期間」となるのか、その運用のガイドラインを制定し、公表してください。 9、北朝鮮からの難民が発生した時について 「今後、北朝鮮からの大量の難民の流入という事態に備えて、政府も具体的な検討に入った」と報道されていますが、そのような事態が発生した時は、難民の一時保護の施設として大村入国管理センターを収容施設として活用できるようにしてください。 |
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