第9回 大村入国管理センターとの意見交換会報告

2013年4月24日  中島 眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)

はじめに
大村入国管理センターと移住労働者と共に生きるネットワーク九州(以下、ネットワーク九州)との9回目の意見交換会が、2012年12月10日(月)午後1時より、大村入国管理センター 2F会議室で開かれました。
大村入国管理センター側から総務課長、総務係長、企画管理部門、処遇部門の統括審査官ら5名、NGO側として、ネットワーク九州より23名(長崎・大村・熊本、北九州、福岡都市圏から)が参加しました。
大村入国管理センター等全国3カ所の入国管理センターの統廃合や他用途への転用が政府内部で検討されるなか、もしかしたら今回で意見交換会が最後になるかもしれないという期待からか、参加者が多くなりました。
最初に、大村入国管理センター内の施設見学(毎年1.2階のみで、被収容者がくらしている3階は見学できませんでしたが、今年も、運動場でバスケットやランニングをする被収容者数名を見ることができました。)を、20分ほどしました。
その後、事前に提出していた質問書や要望書への回答を含めて1時間半程度の意見交換会、そして、2ヶ月以上収容されている外国人被収容者との面会(複数人との面会を含む)を、参加者を3グループに分け、1グループ各15分ずつ2回に分けて行いました。

大村入国管理センターへの質問と回答

1、収容施設及び被収容者の状況

①現時点(2012年10月末)での収容定員と収容人員
  • 国籍別被収容者数 世代別 (10代、20代 30代 40代 50代以上)
  • 九州外の入国管理センターなどから移送されてきた被収容者の割合を教えてください。
《昨年の回答》
  • 収容定員  800 名
  • 11年10月末現在の収容人員 22名 (全員男性)

九州以外からの移送者 50%(広島、高松など 中四国地方からの分も含む)

  • 国籍別内訳

中国 3名 パキスタン 3名  フイリピン3名  韓国 2名 トルコ 2名その他各1名
計9名 (イラン ケニア ナイジェリア カメルーン アメリカ  バングラデッシュ ペルー ドミニカ)

  • ・年代別

10歳代0名 20歳代7名 30歳代5名 40歳代8名 50歳代以上2名

《今年の回答》
  • 収容定員  800名(実行収容定員は男子区100名)
  • 2年10月末現在の収容人員  26名(全員男性)

九州以外からの移送者 61.5% (九州内は刑務所や警察からが多い)

  • 国籍別内訳 全員男性

ネパール6名   イラン5名   パキスタン3名   ペルー2名   カメルーン2名   その他各1名
計8名(中国、インドネシア、トルコ、ロシア、ナイジェリア、キューバ、ドミニカ、セントルシア)

  • 年代別

10歳代0名  20歳代7名  30歳代7名  40歳代9名  50歳代以上3名

② 2012年の平均収容期間と長期収容期間について教えてください。
《昨年の回答》
  • 平均収容期間  53.1日(2010年の平均収容期間)
  • 長期収容期間  約2年 (2011年9月末現在)
《今年の回答》
  • 平均収容期間  59.01日(2011年の平均収容期間)
  • 最長期収容期間  2年9ヶ月(2012年10月末現在)
③ 現時点(2012年10月末)で6ヶ月以上の長期収容者の人数について教えてください。
《昨年の回答》
  • 6ヵ月以上 9名
《今年の回答》
  • 6ヶ月以上 21名
④ 2011年と2012年1月~10月の収容施設内での被収容者の自殺未遂(自傷行為)の件数は何件ですか。
《昨年の回答》
  • 2010年          自殺未遂 1件  自傷行為 1件
  • 2011年 1月~9月   自殺未遂0件  自傷行為 0件
《今年》
  • 2011年、2012年1月~10月は、自殺未遂、自傷行為のいずれもなし
⑤ 2011年と2012年1月~10月の期間中に仮放免が認められた人数とその主な事由別 (帰国準備、病気療養、行政訴訟係争中、難民認定関係、その他)の内訳人数を教えてください。
《昨年の回答》
  • 2010年 10件許可
  • 2011年1月~9月まで 10件

諸般の理由を考慮して仮放免しているので、個別の理由は答えられない

《今年の回答》
  • 2011年 14件
  • 2012年1月~10月 10件

諸般の事情を総合的に考慮して判断しているので、許可に至った理由は答えられない。

⑥ 仮放免については諸般の理由を考慮して決定しているとのことですが、次の事由うち考慮される事由として含まれないものは、どれですか。
  • オーバーステイ期間の長さ
  • 本人の犯罪歴
  • 保証人の状況
  • 本人の国籍
  • 本人の健康状況
  • センターでの態度
  • 本人の帰国意志
  • 婚姻・婚約の状態
  • 親族の在日状況
  • 本人や親族の資産状況
  • 大村入国管理センターのこれまでの仮放免決定の前例
  • センター施設の状況
  • センターのスタッフ人員の状況
  • 本人の仮放免申請の意志
上記の事由以外に考慮する事由は何ですか。また、決定に際して考慮する事由のうちの上位3つをあげて下さい。

《今年の回答》

諸般の事情を総合的に判断しており、事由は個々により相違するため回答は控える。


⑦ 国費送還者は2011年及び2012年1月~10月の期間中に何名いましたか。
《昨年の回答》
  • 2010年  11名
  • 2011年1月~9月 9名
《今年の回答》
  • 2011年 13名
  • 2012年1月~10月  6名
⑧ 被収容者からの苦情申し立ては、2011年及び2012年1月~10月の期間中に何件ありましたか。 その苦情の内容の主なものは何ですか。 2008年から3年続けて0件になっています。苦情申し立てが出来ることを、どのように周知徹底していますか。
《昨年の回答》
  • 2010年及び11年9月まで該当者なし

案内版を設置するなどして、周知徹底するように配慮しています。

《今年の回答》
  • 2011年 0件
  • 2012年1月~10月 1件(自らの申し出に対する入国警備官への不満を訴えた件)

案内板での掲示、各居室に備え付けの収容生活のガイドラインで周知している。日本語含め8ヶ国語で作成。

⑨ 2011年及び2012年1月~10月の期間中に収容者の中で宗教上の行事を希望した者は何名いましたか。
《昨年の回答》
  • 2010年 ・延べ21名  ・個別 4件 ・集団 4件
  • 2011年1月~9月 ・延べ40名  ・個別 1件 ・集団 9件
《今年の回答》
  • 2011年 延べ65名
  • 2012年1月~10月  延べ177名(2012年はラマダン期間中3名が実施を希望し、給食の支給時間を変更した)
⑩ 記録の残っている限りで、2012年10月までの間に性的マイノリティで特別な処遇をした実人数をお答えください。 そのうち人身売買被害者であつた者の人数をお答えください。

《今年の回答》
該当事例なし

⑪ 2010年及び2011年1月~9月の期間中に収容者の中に男性の人身売買被害者は何名いましたか。 いる場合は、その人数と国籍を教えてください。
《昨年の回答》
  • 2010年及び11年9月まで該当者なし

(注)人身取引被害者ではないが、質疑の中で、2010年性的マイノリテイの被収容者一人がいたことがあり、その場合、他被収容外国人と別の棟の収容室(8-10人の部屋)に一人で収容する配慮がなされた。

《今年の回答》
該当事例なし

⑫ 2012年10月末時点で、大村入国管理センターの被収容者の中に刑事罰を受け受刑後に収容されている外国人は何人いましたか。 また、6ヶ月以上の長期収容されている者のうち何人いましたか。
《昨年の回答》
  • 2010年 13名  うち6か月以上 5名
  • 2011年1月~9月末時点では9名 6ヵ月以上 6名
《今年の回答》
  • 2012年1月~10月時点では10名   うち6ヶ月以上7名

(2011年、及びうち6ヶ月以上 については回答されず)

⑬ 2009年7月に改定入管難民認定法が成立して以降、各地の収容施設で被収容者を対象に新に提案箱が設置されていますが、2010年10月25日以降の提案による改善処置は何かありましたか。
《昨年の回答》
  • 改善措置2件 検討中1件

2010年10月25日の入国管理局のホームページで公表されているが、大村入国管理センターについては、
①収容所内に設置された公衆電話の音声が聞き取りにくい。→ 業者による工事により改善。
②単独室(被収容者を一時隔離するための部屋)のトイレが室外からトイレ使用者の状況が見える → 衝立等の設置工事を実施し、改善。
③イスラム教徒の被収容者ヘのハラールフード(イスラム法で許された食べ物)についての十分な理解に立って、その提供を検討すること。→ハラールフードは、現時点ではコスト面で実施が困難であり、継続して検討する。

《今年の回答》
提案箱に投函されている内容は、西日本地区入国者収容所等視察委員会が箱を開け、中身を確認している。
その内容を踏まえ当所に意見を提出する。 2010年10月以降の同委員会からの当所に対しての意見については、法務省ホームページに掲載の通り。その中で現在までに改善措置をとったものは、
①被収容者の避難誘導のための誘導灯の配備
②非常災害時の対応、施設内のルール、各種申請の方法などについて記載された収容生活のガイドラインを各居室に配備
③シャワー中のプライバシー保護のため、シャワー室入口カーテンを設置
④診療時の通訳は三者間通話機・ハンズフリーフォンを設置し、医療用語が理解できる通訳を確保

2、職員体制について

① 2012年度の大村入国管理センターの職員定員は何人ですか。2012年度は前年度に比べて、どの分野にどのくらい増員がなされましたか。
《昨年の回答》
  • 2011年 49名  5名の減少
《今年の回答》
  • 2012年度 49人 増減なし
② 新聞報道(2012年9月23日 読売新聞)によれば、「大村センターの13年度の維持運用経費については、 今年度(1億5000万円)比で半減するとして13年度予算案の概算要求に盛り込んだ。」とされていますが、2013年度予算が2012年度予算より半減する場合、大村入国管理センターの2013年度の職員数はどのぐらいになる見込みですか。

《今年の回答》
(本省で検討中)

③ 2011年及び2012年1月~10月の入管センターの一人当たりの月平均残業時間はどのくらいですか。
《昨年の回答》
  • 2010年は8時間
  • 2011年1月~9月は7時間
《今年の回答》
  • 2011年 約7.3時間
  • 2012年1月~10月  約6.9時間

3、医療スタッフ及び医療ケアについて

① 2012年度の大村入国管理センターでの医療スタッフ(医師、看護師、薬剤師、その他) の内訳を、昨年の回答と比べて人数など、訪問日に変化しているところがあれば教えてください。
《昨年の回答》
  • 昨年と同じ(常勤医師 内科医 1名 歯科医師 火曜日と金曜日の週2回 看護師 2名)但し、歯科医師による診療回数は、受診者の減少がみられることから週2回から週1回に減少した。
《今年の回答》
  • 昨年と同じ(常勤医師が1名、非常勤歯科医1名、看護師2名)
② 2011年及び2012年1月~10月の期間中に、長期被収容者の中で精神を病んでいる被収容者のケアについてお聞きします。メンタルケアの専門家によるカウンセリングは昨年の回答に比べて変化していますか。また投薬をしていますか。
《昨年の回答》
  • 昨年と同じ。投薬処方はしている。
《今年の回答》
  • 昨年と同じ。医師の診断で投薬が必要な人には処方している。
③ 2011年及び2012年1月~10月の期間中にメンタルケアの専門家によるカウンセリングの述べ件数及び一人当たりの平均回数を教えて下さい。
《昨年の回答》
  • 2010年 延べ 100件
  • 2011年1月~9月  延べ83件
《今年の回答》
  • 2011年  延べ107件
  • 2012年1月~10月  延べ116件
  • 一人当たり平均の統計はない。複数回の者もあり、受けない者もいる。
④ 2011年及び2012年1月~10月の期間中にメンタルケアの専門家によるカウンセリングの際に、通訳がついたケースは何件ありましたか。
《昨年の回答》
  • 2010年 4件
《今年の回答》
  • 当該期間中の通訳の事例なし
⑤ 2011年に被収容者から外部の医療機関での受診・検査の希望は何件ありましたか。またその内、外部の医療機関に受診・検査が認められたのは何件ですか。具体的に何かの診察を受けましたか。
《昨年の回答》
  • 2010年21件 外部で受診 (内科13件 整形外科8件 泌尿器科 2件 耳鼻咽喉科1件  眼科1件)  すべて官費、希望の有無は取っていない。
《今年の回答》
  • 2011年24件 外部で受診(内科4件、整形外科4件、循環器科2件、耳鼻咽喉科2件、眼科7件、放射線科、歯科、泌尿器科、口腔外科、救急外来は各1件) 希望の有無は統計ない。
⑥ 2012年に常勤医師に診察された被収容者のうち、通訳がついて診察が行われたケースは何件ありましたか。
《昨年の回答》
  • 不明
《今年》
  • 2012年 1件
⑦ 被収容者の治療の際に施設内に常備されている薬はどのくらいの種類の病気に対応できる薬が常備されていますか。また、年間どのくらいの薬が使用されていますか。また 昨年の回答と比べて変化しているものがありましたらお答えください。
《昨年の回答》
  • 常備薬 200種 市販薬 11種あり
  • 内科・外科・整形外科・泌尿器科・耳鼻科の医院が対応できる同等の薬を用意している。
  • 使用実績は、処方19988個 市販1787個
《今年の回答》
  • 内科・外科・整形外科・泌尿器科・耳鼻咽喉科の医院が対応できる同等の薬を常備している。
  • 常備薬(医師処方) 200種 市販薬(警備室保管) 11種あり
  • 使用実績は、処方薬27791個 市販薬2543個
⑧ 昨年の回答においても常備薬、市販薬については一種類を常備しているとのことでしたが、精神安定剤、睡眠導入剤、鎮痛剤別について変更はありましたか。
《昨年の回答》

鎮痛剤のセデス1種類で、精神安定剤や睡眠導入剤は常備していない。
1日最大9錠 服用機関と累積錠数の統計を取っていない。

《今年の回答》
  • 精神安定剤、睡眠導入剤は常備なし。鎮痛薬はセデス1種類のみ。セデスは一日最大9錠。服用期間と累積錠数の統計はない。
⑨ 施設内に設置されているレントゲンは、2011年と2012年1月~10月までに何人の被収容者に使用されましたか。
《昨年の回答》
  • 2010年 149件
  • 2011年1月~9月 82件
《今年の回答》
  • 2011年 115件
  • 2012年1月~10月  130件

4、被収容者の処遇について

① 平成23年度の予算決算と被収容者一人当たりのコストが公表されています。 大村入国管理センターの24年度予算の内訳(庁舎維持管理費、光熱水料、ガードマン委託費、被収容者食糧費)と一人当りのコスト及び平成25年度概算要求における内訳をお答え下さい。
《昨年の回答》
経費は、食料・医療・クリーニング・光熱水道費・冷暖房・配膳・清掃・ごみ処理・護送・警備・人件費など多岐にわたり算出が困難である。

《今年の回答》
24年度予算内訳は、庁舎維持管理費7200万円、光熱水料3700万円、ガードマン委託費3700万円、被収容者食糧費500万円で、一人当たりのコストは算出できない。
25年度概算要求内訳は庁舎維持管理費4300万円、光熱水料1600万円、ガードマン委託費1500万円、被収容者食糧費1300万円。

② 9月25日の新聞報道では「法務省は・・・大村入国管理センターなど3施設について2013年度以降、廃止や統合を含めて体制を縮小する方針を決めた。」とあり、また10月25日の新聞報道では、財務省は大村入国管理センターについて「他用途への転用を含めて適切なあり方を早急に検討し、結論を出すべきだ」としているとのことですが、現在までにどのような方向で検討さていますか。
《今年の回答》
近年の被収容者数減少を踏まえ、効率的な運用の観点から他用途への転用も含めた三センターの収容体制の見直しが図られることになっているが、具体的見直し案については法務省で検討中。

③ 2012年になり、喫煙者用棟と非喫煙者棟に分離されていますが、それぞれの棟の平均収容人数は何人ですか。また、それぞれの棟での11月末の被収容者数は何人ですか。
≪今年の回答≫
11月末の収容者数は、喫煙者用区域7人、非喫煙者用区域18人。入所時に喫煙棟、非喫煙棟の希望を確認しており、途中からの変更は可能。平均利用者数統計は出していない。

④ 2011年の1部屋の定員及び1部屋の平均収容人員数は何人程度ですか。
《昨年の回答》
  • 10人部屋に対し4~5名 1人部屋は無い
《今年の回答》
  • 昨年と同じで、10人部屋に対し4~5名 1人部屋は無い
⑤ 運動時間、入浴、衣類の洗濯について。昨年の回答と比べて変化したところがありますか。変化しているものをお答えください。

《昨年の回答》
昨年は、2010年6月に入浴(シャワー、毎日)時間を13時~16時30分に拡大した。
(従来は14時~16時)と回答したが、2011年は洗濯機と乾燥機を各1台追加設置した以外は変化なし。

《今年の回答》
戸外運動はこれまで移動時間を含めて1時間、実質45分としてきたが、6月1日から移動時間を含まず実質1時間と改めた。その他は昨年と同じ。

⑥ 被収容者の食事については、昨年と比べて変わったことがあれば回答してください。
《昨年の回答》
2010年10月18日から牛肉を含む食材の使用が認められ、提供できるメニューが増した。朝食のパンが冷たいので改善してほしいとの要望を受け、温かいパンを提供できるようにした。
《今年の回答》
朝食のパンは食パンのみだったが、バリエーションをつけて欲しいとの希望があり、検討の結果4月下旬からコッペパンを10日おきに提供。5月下旬から、ご飯が冷めにくいよう発砲スチロール製保温箱を使用している。

⑦ 面会者は2010年に延べ何名くらい被収容者と面会していますか。
  • 2010年 1362名
《今年の回答》
  • 2011年 延べ1259名

5、入国者収容所等視察委員会について

2011年11月1日に入国者収容所等視察委員会による視察が行われましたが、視察後どのような意見と、視察に基づいた処遇の改善がありましたか。
《昨年の回答》
入国者収容所等視察委員会には東日本と西日本地区があり、当センターは西日本地区入国者収容所等視察委員会の所管になっている。視察は2010年9月14日に実施された。
2010年の視察による意見やそれに対する検討結果などについては、2011年10月25日の法務省のホームページで公表している。2011年の西日本地区入国者収容所等視察委員会視察は、2011年11月1日に行われた。
《今年》
1 ⑬に回答は同じ。

1 ⑬
《今年の回答》
提案箱に投函されている内容は、西日本地区入国者収容所等視察委員会が箱を開け、中身を確認している。その内容を踏まえ当所に意見を提出する。 2010年10月以降の同委員会からの当所に対しての意見については、法務省ホームページに掲載の通り。その中で現在までに改善措置をとったものは、
  • 被収容者の避難誘導のための誘導灯の配備
  • 非常災害時の対応、施設内のルール、各種申請の方法などについて記載された収容生活のガイドラインを各居室に配備
  • シャワー中のプライバシー保護のため、シャワー室入口カーテンを設置
  • 診療時の通訳は三者間通話機・ハンズフリーフォンを設置し、医療用語が理解できる通訳を確保

大村入国管理センターへの要望書と回答

以下の要望事項の実現を要請します。
  • 窓ガラスの仕切りの無い家族面会室を設置してください。

≪回答≫ 件数としてはまれであり、今後の状況を踏まえ対応を検討したい。実現には改修工事が必要であり、予算の問題もあり困難な状況。

  • 難民認定申請者、日本人配偶者等及びその他6ヶ月以上の長期収容者について、仮放免を実施し在宅で暮らせるようにしてください。

≪回答≫ 一定期間ごとに、仮放免の必要性、相当性を検証、検討し、個々の事情に応じて仮放免を弾力的に活用する。

  • 被収容者との面会時間1日30分以内を、遠方からの面会者に配慮して、1日60分以内に延長してください。また、平日に休みが取れない面会者のために月に1回か2回、土曜日か日曜日に面会ができるようにしてください。そして被収容者が希望する場合には職員の立会いなしでの面会を実現してください。

≪回答≫ 遠方からの面会者については柔軟に対応している。閉庁日の面会は保安上の問題から考えていない。職員の立会いは、処遇規則の中で決まっている。

  • 家族が日本国内の遠方にいる長期収容者が増大しており、家族の面会が極めて困難です。家族が居住している地域を管轄する入国管理センターへ移送するようにしてください。

≪回答≫ 収容所の施設構造は、被収容者の長期間の生活を前提にしておらず、収容が長期に及んだ場合は健康上の問題が懸念される。被収容者の事情で長期収容が見込まれる場合、各センターに収容する取扱いとなっている。送還を前提に各センターに振り分けて移送しており、面会者の利便性を考慮してその家族の近くに改めて移送するという取り扱いは行っていない。

  • 収容棟の部屋から遠景 (山や海) が見えるような工夫や、緑が多く見えるような工夫をしてください。

≪回答≫ 外部から中にいる被収容者が見えないようにすることで被収容者のプライバシーを保護し、近隣住民に対して配慮している。

  • 薬の処方においては、長期的処方による弊害 (安定剤や睡眠導入剤等による薬物中毒) が生じないように一層の配慮をしていただきたい。

≪回答≫ センター医師が最も配慮しているところ。センター医師の指導、助言に対して、服用している被収容者の協力が得られず苦慮して面もある。

  • 被収容者の中で長期収容者が増大している現実を踏まえ、長期収容者のストレス解消や心の癒しになるような、カウンセリングの充実、日本語などの語学学習ができる環境の整備、運動会、クリスマス会等のイベント実施等を要望します。

≪回答≫ カウンセリングについては、その目的と効果を充分に理解して充実していく。その他の要望については、保安上の問題等により実現は困難。

  • 開放処遇中以外の時間帯でも、被収容者が電話できるようにしてください。

≪回答≫ 17時~消灯時間の22時までは公衆電話の子機を居室ごとに順番で貸与している。時差の関係で、被収容者から早朝や深夜に申し出があれば、就寝している他の被収容者の迷惑にならないよう、別室での使用を認めるなど柔軟に対応している。

  • 被収容者が現在認められている平日以外の土曜、日曜、祝日でも運動場を利用して運動ができるようにしてください。

≪回答≫ 職員の確保等、運営上の問題から、保安上の支障があり実現は困難。なお、平日の戸外運動については、実質45分程度から1時間実施することと運用を改めている。また、GW、年末、年始などは特別に許可している。