第11回大村入国管理センターと
移住労働者と共に生きるネットワーク・九州との意見交換会報告
2015年3月4 日 中島 眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)
大村入国管理センターへの質問と回答
1、収容施設及び被収容者の状況について
- 現時点(2014年10月末)での、収容定員と、収容人員につき国籍別・世代別 (10代 20代 30代 40代 50代以上)人数、九州以外から移送されてきた被収容者の割合を教えてください。
(回答)
- 収容定員 800名(実行収容定員は男子区100名)
- 2014年10月末現在の収容人員 20名(全員男性)
- 九州以外からの被移送者 60%
- 国籍別内訳 全員男性 ブラジル5名 イラン、ネパール各3名、 ベトナム・中国 ナイジェリア・ バングラデッシュ各2名 、ガーナ1名
- 年代別内訳 10歳代0名 20歳代8名 30歳代3名 40歳代9名 50歳代以上0名
- 2013年の平均収容期間と、現時点(2014年10月末)での最長期収容期間について教えてください。
(回答)
- 平均収容期間 84.7日(2013年の平均収容期間)
- 最長期収容期間 2年6ヶ月(2014年10月末現在)
- 現時点(2014年10月末)で、6ヶ月以上の長期収容者の人数について教えてください。
(回答)
- 現時点(2014年10月末)で、被収容者の中で刑務所での服役後に収容されているのは何人ですか。うち、6ヶ月以上長期収容されているのは何人ですか。
(回答)
- 2014年10月末現在で11名 うち6ヶ月以上5名
- 収容施設内で被収容者が自殺未遂(自傷行為)はありましたか。
(回答)
- 2013年 自殺未遂0件、自傷行為1件
- 2014年1月~10月 自殺未遂0件、自傷行為2件
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、仮放免が許可された人数を教えてください。
(回答)
- 2013年 17件
- 2014年1月~10月 22件
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、仮放免が許可された人について、大村入国管理センターでの収容期間の最長と、最短そして平均を教えてください。
(回答)
仮放免が許可されるまでの期間については、個々の案件に応じて判断している。期間のめどは設けていない。ただ、相当の期間収容が継続している被収容者について、一定期間ごとにその仮放免の必要性や相当性を検討して、収容期間の長期化の回避に取り組んでいる。
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、仮放免が許可された人について、その保証金の最高額を教えてください。
(回答)
仮放免の保証金の設定については、身元保証人の収入や資産状況等を考慮して判断していることから、回答は差し控える。
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、仮放免が許可された人について、仮放免許可書で指定された住所地の地方別人数を教えてください。
(回答)
- 2013年 関東地区6人、東海4人、九州6人、四国1人
- 2014年1月~10月 関東地区8人、近畿地区7人、東海6人、中国1人
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、国費送還者は何名いましたか。うち、本人の意思に基づかない送還は何名いましたか。また自費で出国した人は何名いましたか。
(回答)
- 国費送還者 2013年 9名 2014年1月~10月 9名 うち送還忌避者は2名
- 自費送還者 2013年 45名 2014年1月~10月 28名
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、被収容者からの苦情申し立ては、何件ありましたか。 その苦情の内容の主なものは何ですか。
(回答)
- 2013年 0件
- 2014年1月~10月 1件
自らの申し出に対する処遇警備官の対応への不満を訴えたものの、翌日あまりにも些細なことで取り下げられた。
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、収容者の中で宗教上の行事を希望した者は何名いましたか。
(回答)
- 2013年 延べ146名
- 2014年1月~10月 延べ172名
(ラマダン期間中の実施を1名が希望し、給食の支給時間を変更する配慮をした。)
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、性的マイノリティで特別な処遇をした人数をお答えください。もし該当者がいる場合、どのような処遇をしましたか。
(回答)
- 2013年 1名
(被収容者の羞恥心に考慮して、出所するまでの間、他の収容者と接触しない区域に収容するという処遇をした)
- 2014年1月~10月 0名
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、収容者の中に人身売買被害者と認定された人は何名いましたか。また人身売買被害者と疑われた人は何人いましたか。いる場合は、その人数と国籍を教えてください。
(回答) 該当事例なし
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、収容者間で起ったトラブルで、警察が調べを行った件数は何件ありましたか。うち、逮捕された人数、起訴された人数は何人ですか。
(回答)
- 2013年 3件 うち逮捕1件 起訴0件
- 2014年1月~10月 該当事例なし
2、職員体制について
- 2014年度の職員定員は何人ですか。2014年度は前年度に比べて、どの分野にどのくらい増減がなされましたか。
(回答)
- 2013年度 49人 増減なし
- 2014年度 47人(-2人減員 処遇部門)
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中の一人当たりの月平均残業時間はどのくらいですか。
(回答)
- 2013年 約6.9時間
- 2014年1月~10月 約6.9時間
3、医療スタッフ及び医療ケアについて
- 2014年度の医療スタッフ(医師、看護師、薬剤師、その他) の内訳を、昨年の回答と比べて人数など、訪問日に変化しているところがあれば教えてください。
(回答) 内科、消化器科の医師2名の非常勤体制となり、月、水、金の週3日の午前中、
歯科医師1名(毎週金曜日午前中の週1回)、その他のスタッフに変化なし。
- 現在(2014年10月末)、収容者の中で精神を病んだ人へのケアはどのように行っていますか。
(回答)
必要に応じてメンタルケアの専門家によるカウンセリングや外部の診療を 受けさせることになります。
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、メンタルケアの専門家によるカウンセリングの延べ件数及び一人当たりの平均回数を教えてください。
(回答)
- 2013年 延べ104件
- 2014年1月~10月 延べ 91件
一人当たり平均の統計はない。複数回の者もあり、1回も受けない者もいるので、平均値を出すことは困難であるため。
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、メンタルケアの専門家によるカウンセリングの際に、通訳がついたケースは何件ありましたか。
(回答)
当該期間中の通訳の事例なし(カウンセラーは英語を解することもあり、今までに通訳の要請はなかった。)
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、被収容者から外部の医療機関での受診・検査の希望は何件ありましたか。そのうち、外部の医療機関に受診・検査が認められたのは何件ですか。具体的に何科の診察を受けましたか。
(回答)
- 2013年 99件 外部で受診。(受診の希望の有無の統計は取っていない)
(眼科2件、内科7件、循環器科22件、耳鼻咽喉科15件、皮膚科、外科各1件、救急外来20件、歯科・口腔外科14件、形成外科9件、整形外科8件)
- 2014年1月~10月 66件
(救急外来21件、循環器科・耳鼻咽喉科各2件、形成外科2件、内科8件、 整形外科8件、歯科4件、眼科4件、皮膚科9件・精神科6件)
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、施設の医師に診察された被収容者のうち、通訳がついて診察が行われたケースは何件ありましたか。
(回答)
- 現時点(2014年10月末)で、被収容者の治療のために施設内に常備されている薬で、どのような種類の病気に対応できますか。また常備されている薬は何種類ですか。年間どのくらいの薬が使用されていますか。また 昨年の回答と比べて変化しているものがありましたらお答えください。
(回答)
- 市中の一般診療所(内科・外科・整形外科・泌尿器科・耳鼻咽喉科)で対応していることと同等の種類の病気に対応できる薬を常備している。
- 常備薬(医師処方) 約 200種 市販薬(警備室保管) 11種あり
- 使用実績は、処方薬32,139個 市販薬1,435個
- 精神安定剤、睡眠導入剤、鎮痛剤について変更はありましたか。
(回答)
精神安定剤、睡眠導入剤は常備なし。鎮痛薬はセデス1種類のみで、 昨年と変化なし。新セデスは1回2錠、1日3回となっているところから、1日最大6錠。
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、施設内に設置されているレントゲンは、何人の被収容者に使用されましたか。
(回答)
- 2013年 109件
- 2014年1月~10月 52件
4、被収容者の処遇について
- 大村入国管理センターの平成26年度予算の内訳(庁舎維持管理費、光熱水料、ガードマン委託費、被収容者食糧費)と一人当りのコスト及び平成27年度概算要求における内訳をお答え下さい。なお、被収容者医療関係経費についてもお答えください。
(回答)
- 平成26年度予算額 6,100万円
- 平成27年度概算要求額 6,100万円
被収容者医療関係経費は薬品及び医療用品購入代に大別されるが、平成25年度の実績では、合わせて440万円だった。平成26年度は現時点で220万円を超えており、前年度を上回る見込み。
- 2012年9月25日の新聞で「法務省は・・・大村入国管理センターなど3施設について2013年度以降、廃止や統合を含めて体制を縮小する方針を決めた。」との報道について昨年質問した際に、「具体的見直し案については法務省で検討中。」との回答を頂きました。これにつき現在どのような方向で検討さていますか。
(回答)
近年の被収容者数減少を踏まえ、効率的な運用の観点から他用途への転用も含めた三センターの収容体制の見直しが図られることになっているが、具体的見直し案については、現在法務省で検討中。
- 現時点(2014年10月末)で、喫煙者用棟と非喫煙者棟の被収容者数は何人ですか。この2つの収容区以外に収容されている人がいますか。
(回答)
2014年10月末の収容者数は、喫煙者用区域7人、非喫煙者用区域13人。
それ以外の区域に収容されている人はいない。
- 2014年度の1部屋の定員及び1部屋の平均収容人数は何名ですか。
(回答)
昨年と同じで、一部屋の定員は10人部屋。1部屋の収容人数は4~5名。 1人部屋は無い。
- 運動時間、入浴、衣類の洗濯について、昨年の回答と比べて変化したところがありますか。変化しているものをお答えください。
(回答)
入浴は2013年10月から13時~16時30分に加えて新たに10時~12時の2時間をプラスした。それ以外は昨年と同様。
- 被収容者の食事については、昨年と比べて変わったことがあれば回答してください。
(回答)
牛肉料理について細切り肉から一枚肉をつかえるようにした。汁ものに玉ねぎをくわえられる献立バリエーションを加えた。
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、 面会者は延べ何名の被収容者と面会していますか。
(回答)
- 2013年 延べ1,139名
- 2014年1月~10月 延べ1,427名
5、入国者収容所等視察委員会について
- 2013年及び2014年1月~10月の期間中に、同委員会の視察後に同委員会より大村入国管理センターに関してどのような意見が出され、これに対してどのような処遇の改善が実施されましたか。
(回答)
2013年6月末までの、西日本地区入国者収容所等視察委員会から当所への意見については、法務省のホームページに掲載の通り。 その中で現在までに改善措置をとったものは、
- 給食業者と定期的に協議を行い、豚肉の使用などメニューの多様化を行った。また継続的なメニューの改善に努めた。
- 宗教上の禁忌食材については、食材について質問があれば業者に確認するなどして、より一層正確かつ丁寧に説明を行うこととした。
- 宗教上の移室の要望については、施設の管理、運営上可能な範囲内で配慮することとした。
- 各ブロックごとに公衆電話の子機2台ずつ計4台を増設した。
2014年1月~10月の期間中に改善したのは次のとおり。
- 各常備薬の効能・効果、用法・要領及び副作用を記載した説明文を作成して多言語に翻訳し、被収容者に教示するために、各室におく。
- 受け入れ準備室に掲示する案内や各種掲示板について、12カ国語にした。
- ガイドランの翻訳を追加して、12ヶ国語に翻訳を済ませた。
ガイドラインに追加予定である。
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