第17回 福岡入管との意見交換会
要 請 書
2015年3月6日
法務大臣 殿
福岡入国管理局長 殿
移住労働者と共に生きるネットワーク・九州
連絡先 福岡市博多区美野島2-5-31 美野島司牧センター内
共同代表 井上幸雄 (福岡市・アジアに生きる会・ふくおか)
岩本光弘 (北九州・外国人実習生権利ネットワーク)
コース・マルセル (福岡市・美野島司牧センター)
中島真一郎 (熊本市・コムスタカ-外国人と共に生きる会)
1、 個人識別情報の提供の義務化について
- 外国人(特別永住者や16歳未満などを除く)を対象として、指紋情報など個人識別情報の提供を義務として求めることは外国人を「テロリスト予備軍」とみなし、管理・監視の対象とするもので、外国人を差別し基本的人権を侵害するものであり、すみやかに廃止してください。それに向けた段階的な対応として、まず永住者の適応を除外してください。
- 提供された個人情報をプライバシーとして保護し、その目的外利用を許さず、その目的達成のための合理的な期間経過後はすみやかに消去してください。
2、「日本人配偶者等」や「定住者」の在留資格の更新や変更について
- 別居中の日本人配偶者と離婚調停や離婚訴訟など係争中の外国人の在留資格(「日本人配偶者等」)の更新・変更について、夫婦双方に婚姻継続の意思がない場合には、「短期滞在」とし、それ以外は在留期間「6月」とする運用になりました。外国籍の配偶者が、調停や訴訟の目処がつくまで、対等・公平に争えるように、「日本人配偶者等」の在留資格で、「在留期間 1年間」の更新を認めてください。
- 「日本人配偶者等」から「定住者」への在留資格の変更申請に関して、在留特別許可のガイドラインや永住者のガイドラインを公表しているように、ガイドラインを設けて公表してください。
- 「定住者」あるいは「日本人配偶者等」の在留資格を有して日本で暮らしている外国人が、その親の介護あるいは子どもの育児のため親を呼び寄せたいとき、「短期滞在」ではなく、「特定活動」あるいは「定住者」の在留資格を付与し長期的に滞在できるようにしてください。
3、DV被害者及び人身取引の被害者について
- 改正DV防止法の主旨にそって、外国籍のDV被害者に対しては、夫と離婚成立前であれば日本人配偶者等の在留資格の更新を、離婚後であれば日本人配偶者等の在留資格から定住者の在留資格への更新を認めるなど、在留資格の付与をより明確にしてください。
- 外国籍の在留資格のない人身取引の被害者に対しては、刑事や民事上の加害者責任の追及を可能とするため、被害者に仮放免の弾力的運用や在留特別許可により就業可能な在留許可を付与するなど、長期的な在留を可能とする被害者保護を行うことを要請します。
- 男性や旅券上が男性となっているセクシュアル・マイノリティの人身取引被害者を一時保護できる施設を設けるか、DV被害者(DV被害者については男性の被害者にも全額公費援助で、民間委託などで一時保護されている)と同様に全額公費援助で一時保護できるように予算措置を取って下さい。
- 人身取引被害者には、性的搾取だけでなく労働搾取による被害者も含まれます。技能実習生の中には、送り出し機関などに多額の保証金を支払わされ、違約金の契約を締結され、日本で働けば多額の貯金ができるとだまされ、来日している者もいます。これらの技能実習生を人身取引被害者と認定し保護するようにしてください。
4、外国人労働者の就労届出からの摘発の中止
事業主に義務付けられた外国人労働者の就労状況の公共職業安定所(ハローワーク)への届出情報は、外国人及び外国人労働者の個人情報であり、それらの情報を活用した入管の摘発は個人情報の目的外使用でありプライバシーの侵害となります。事業主の外国人就労状況の届出から外国人の摘発をやめるようにしてください。
5、技能実習生制度の見直しについて
技能実習生制度において来日している人たちに、今も様々な不法な行いが行われていることが 私たちへ報告されています。従って、この制度について次のとおり要請をします。
- 新制度でも「日本の優れた技術移転を通じての国際貢献」という理念と、日本人が就労しない分野や格安の労働力を求める企業や農家という実態の乖離は基本的に解消せず、この制度のひずみは、むしろ拡大しています。「技能実習生」の在留資格は廃止し、実態に合わせ、転職の自由を認める「労働」の在留資格を設けてください。
- 受け入れ団体・企業・農家の「不正行為」や「法令違反による人権侵害」からの救済を求めている外国人技能実習生が、その権利や損害の回復ができるまで日本に滞在できるように在留資格の更新や変更をしてください。また帰国後であっても裁判などの証言のために来日を希望する場合には在留資格を付与して来日できるようにしてください。
- 技能実習生が来日する前に80万円から120万円ほどの保証金の支払いや300万円を超える違約金契約などが締結されるケースが後を絶ちません。送出国の政府と政府間協定を結ぶなど、このような行為を行う送出機関の認定取り消し、仲介―斡旋機関の介入を排除できる仕組みを作り、技能実習生が借金を抱えて来日しなくてすむ制度に変えて下さい。
6、改定入管法に関して
- 永住者に対して、2015年7月8日までに外国人登録証から在留カードに切り替える事、在留カードの有効期限7年間の期限を迎える前に、郵便で事前に多言語で、その旨を説明したものを郵送してください。
- 外国籍住民への周知が徹底していない現状において、各種届け出義務違反に対する警察や検察への入管からの告発を3年間は控えるべきです。また、入管から告発する事案については、悪質な事案に限定することにしてください。
- 配偶者として在留している外国人が配偶者としての活動を6月以上怠った場合の在留資格の取消、あるいは、中長期在留外国人が、住居の移転の届出を90日以上怠った場合の在留資格の取消に関しては、取り消されない正当事由の具体例を含めて、その運用のガイドラインを公表し、恣意的な運用にならないようにしてください。
- 日本人等の配偶者と離婚後に、前配偶者との婚姻を理由とする在留期間が残っている期間中に日本配偶者等と再婚した外国人には、日本人配偶者等の在留期間更新時しか再婚したことを入管に届出ることができません。一方、離婚後2週間以内に届出が義務付けられていますが、再婚していても、6月以上の配偶者としての活動を行っていないとみなされ取消の対象として、調査や通知がなされるおそれがあります。そのような事態にならないように、再婚した外国人が、再婚した旨を入管に届出られるようにしてください。
7、その他(入管行政への苦情窓口、外国人女性の長期収容者問題、人権救済のための職員の増員)
- 出入国審査での入国審査官の対応や警備課職員の対応など入管職員の職務行為などに苦情がある場合、苦情を受け付けられる対応窓口を設けてください。
- 外国人女性の場合、収容できる入国管理センターは、現在 茨城県牛久市にある東日本入国管理センターしかなく、福岡入管の収容施設から遠く離れた関東地方へ移送されることになります。外国人女性で長期的な収容が必要なケースでは、可能な限り福岡入管内の収容施設で収容を継続するか、積極的に仮放免を認めるようにしてください。
- 非正規滞在の外国人は減少し続けており、退去強制される外国人も減少しています。警備課職員を減員し、外国人の技能実習生の不正行為認定や人身取引被害者の認定や難民の認定等に専門に従事する職員を増やすような配置転換を進めて下さい。
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