熊本県天草市の縫製企業で働いていた中国人女性技能実習生訴訟・控訴審でも勝訴判決
 2010年914日  中島 眞一郎

(コムスタカー外国人と共に生きる会)

 2010年9月13日、午後1時10分、福岡高等裁判所501法廷で、

熊本県天草市の縫製中国人女性技能実習生訴訟で、控訴審判決(福岡高等

裁判所第五民事部 西 謙二 裁判長)が言い渡されました。(控訴人側は、

代理人弁護士も含めて誰も法廷には出席せず、被控訴人側の代理人弁護士5人と 

被控訴人の中国人女性3名が出席、傍聴席約80席がほぼ埋まる支援者の参加がありました。)
主文  1、本件控訴をいずれも棄却する
 2、 控訴費用は控訴人の負担とする
とする被控訴人(原告ら中国人女性技能実習生4名)の勝訴判決でした。


 判決文はA4 17枚程度のもので、同判決は、控訴人 (プラスアパレル協同組合)側の

主張をことごとく退け、「原判決は相当であり、本件控訴はいずれも理由がないからこれを棄却する

こととして、主文のとおり判決する」として、原判決が第一次受け入れ機関である「プラスアパレル協同組合」に

作為義務違反を認め、不法行為の成立を認めて慰謝料原告一人当たり100万円と弁護料10万円の総額440万円の

支払を命じたことを支持し、控訴人の控訴を棄却した。この判決は第一次受け入れ機関の責任を控訴審でも認めた

最初の判決と思えます。
 
 2008年9月に熊本県天草市の縫製企業2社で研修ー技能実習生として働いていた中国人女性技能実習生が、

熊本県内の労働組合に保護され、そのうち中国人女性技能実習生4名が原告となって2007年12月に提訴しました。

弁護団や労働組合らの支援者から、コムスタカー外国人とともに生きる会にも協力依頼があり、原告らの在留資格の更新

や裁判支援などに取り組んできました。

訴訟は、2010年1月29日に熊本地方裁判所の1審判決が言い渡されました。
 1審判決では、JITCOの責任を認めませんでしたが、第二次受け入れ機関の縫製企業2社に、研修時の労働者性を認めて、

残業代や賃金の未払い分や慰謝料の支払い、そして、初めて 第一次受け入れ機関の協同組合の責任を認め慰謝料の支払いを

命じる原告勝訴判決でした。 被告のうち第二次受け入れ機関の縫製企業2社は控訴を断念し、第一次受け入れ機関の協同組合

のみが、控訴し、控訴審は2010年6月の1回目で結審し、9月13日の控訴審判決期日が決まりました。

追記

  2010年9月29日控訴人の協同組合が上告断念したことが明らかになり、第一次受入機関の責任を認め、被控訴人

(中国人女性技能実習生4名)に、協同組合から一人当たり、110万円の支払いを命じる控訴審判決が確定しました。2007年

9月に労働組合に保護されてから約3年間の闘いが勝訴で終わることになりました。

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