コムスタカ―外国人と共に生きる会

「外国人犯罪」問題


首相官邸 KIS ホームページでの記載 「来日外国人犯罪の増加論」「不法滞在者が犯罪の温床論」への批判
中島真一郎
2007年6月23日

1、首相官邸 KIS ホームページでの記載

来日外国人犯罪の増加

 わが国の急速な国際化にともない、来日外国人による犯罪も増えています。とくに、不法滞在者(不法入国者や、査証が切れた後も滞在する不法残留者)による犯罪は、来日外国人犯罪全体の半数以上を占め、来日外国人犯罪の温床となっていると考えられています。

 不法滞在者の犯罪をみると、殺人や強盗といった凶悪犯罪が多く、凶悪犯で検挙された来日外国人のうち、およそ3分の1を不法滞在者が占めています。わが国の治安の維持には、不法滞在者の取締りが欠かせない問題になっているのです。
 
 

2、反論

(1)、「来日外国人」刑法犯の犯罪統計 (2002年から2006年の最近5年間)

 日本全体の刑法犯検挙人員が、2004年389027人をピークに、2005年386955人、2006年384250人と減少しているのと同様に、「来日外国人」刑法犯検挙人員は、2004年の8898人(全国に占める構成比 2.3%)をピークに、2005年8505人(全国に占める構成比 2.2%)、2006年8148人((全国に占める構成比 2.1%)と減少し、その全国刑法犯検挙人員に占める構成比も、2.3%から、2.2%。2,1%と減少している。 また、「不法滞在者」刑法犯検挙人員 は、2003年1520人(全国に占める構成比 0.40%)をピークに2004年 1393人(全国に占める構成比 0.36%)、2005年1304人(全国に占める構成比 0.34%)、2005年 1075人(全国に占める構成比 0.28%) と、2003年と比べて2006年はほぼ3割減少しています。
 「来日外国人」刑法犯検挙人員の最近5年間推移から、「来日外国人刑法犯人員は、最近3年間減少しており、日本全体の刑法犯検挙人員に占める構成比も2.3%から2.1%へ減少しています。「不法滞在者」刑法犯検挙人員は、2003年以降減少し続け、2006年には2003年と比べてほぼ3割減少しており、日本全体の刑法犯検挙人員に占める構成比も、0.40%から0.28%へ減少しています。
以上から、最近5年間の刑法犯検挙人員の推移からみて、「来日外国人」、「不法滞在者」の刑法犯は、増加しているどころか減少しています。また、その構成比からみて、「来日外国人」は、全国の刑法犯検挙人員の2%程度、「不法滞在者」は、0.3%〜0.4%程度しかしめておらず、日本の犯罪の温床ではありません。
 

表1 刑法犯の犯罪統計

 
   年 全国刑法犯検挙人員 来日外国人
刑法犯検挙人員
全国に占める構成比(%) 「不法滞在者」刑法犯検挙人員 全国に占める構成比(%)
2002 347558 7690 2.2 1403 0.40
2003 379602 8725 2.3 1520 0.40
2004 389027 8898 2.3 1393 0.36
2005 386955 8505 2.2 1304 0.34
2006 384250 8148 2.1 1075 0.28

   出典  警察庁 ホームページ 平成18年 犯罪情勢、
       各年版 警察白書及び  「来日外国人」犯罪資料 より
 
 

(2)、「来日外国人」凶悪犯の犯罪統計 (2002年から2006年の最近5年間)

  日本全体の凶悪犯検挙人員が、2003年8362人をピークに、2004年7519人、2005年7047人、2006年6459人と減少しているのと同様に、「来日外国人」凶悪犯検挙人員は、2003年の477人(全国に占める構成比 5.7%)をピークに、2004年 421人(全国に占める構成比 5.6%)、2005年 396人(全国に占める構成比 5.6%)、2006年297人(全国に占める構成比 4.6%)と最近4年間で 2割以上減少し、その全国凶悪犯検挙人員に占める構成比も、5.7%から、5.6%、5.6%4.6%と推移している。
 また、「不法滞在者」刑凶悪犯検挙人員 は、2003年175人(全国に占める構成比 2.1%)をピークに2004年 160人(全国に占める構成比2.1%)、2005年142人(全国に占める構成比 2.1%)、2005年 95人(全国に占める構成比 2.%) と、2003年と比べて2006年4割以上減少しています。

 「来日外国人」凶悪犯検挙人員の最近5年間推移から、「来日外国人刑法犯人員は、最近4年間減少しており、日本全体の刑法犯検挙人員に占める構成比も5.6%から4.6%の間で推移しています。
「不法滞在者」凶悪犯検挙人員は、2003年以降減少し続け、2006年には2003年と比べて4割以上減少しており、日本全体の刑法犯検挙人員に占める構成比も、2.1%から1.5%へ減少しています。
以上から、最近5年間の凶悪犯検挙人員の推移からみて、「来日外国人」、「不法滞在者」の凶悪犯は、増加しているどころか大幅に減少しています。また、その構成比からみて、「来日外国人」は、全国の凶悪犯検挙人員の5%程度、「不法滞在者」は、1.5%?2.1%程度しかしめておらず、日本の犯罪の温床ではありません。
 

表2 凶悪犯(殺人・強盗・強姦・放火の4つの罪種)の犯罪統計

 
   年 全国凶悪犯検挙人員 来日外国人
凶悪犯検挙人員
全国に占める構成比(%) 「不法滞在者」刑法犯検挙人員
()は 「不法入国・不法上陸等」
全国に占める構成比(%)
2002 7726 353 4.56 141(55) 1.8
2003 8362 477 5.7 175(87) 2.1
2004 7519 421 5.6 160(74) 2.1
2005 7047 396 5.6 712(75) 2.0
2006 6459 297 4.6 95(40) 1.5

   出典  警察庁 ホームページ 平成18年 犯罪情勢、
       各年版 警察白書及び  「来日外国人」犯罪資料 より作成


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