コムスタカ―外国人と共に生きる会

「外国人犯罪」問題


An alarming analysis of Hype and Silence
間違った方向に人々を導く政治家やメディアの扇情的言説、
無批判にそれに従う多くの人々、こんな社会風潮に警鐘をならしたい
ポール・スチール

2005年8月20日

 2004年度の犯罪に関する警察白書を批判的に分析すると、日本国内の犯罪における緊急課題は外国人犯罪ではないことがわかる。それはレイプである。外国籍住民がかかわる訴訟は2003年から16%増加しており (2) 、4年連続して増加している。外国人は2004年の全逮捕人員の5%を占めている。外国人は日本人の人口の1.5%を占めるにすぎないが、外国人の犯罪は2.4%日本の犯罪の2.4%を占めている。しかし、外国人逮捕の3分の1は入管法違反であり、凶悪犯罪ではない(11)。一方、90年代に総犯罪件数は60%増加している。凶悪犯罪の起訴件数は120%増加している(7)。そして、この犯罪のほとんどは日本人による犯罪なのである。これは、長引く不況の当然の結果だといえる(8)。このように犯罪が急増しているにもかかわらず、2004年のレイプの全認知件数は1400件を少し越えるくらいで、前年から10.6%下がっている(2)。しかし、この数値は安心してよいものではない。

 日本のメディアや政治家は暴力的で残虐な犯罪は日本人的ではないと暗にほのめかすことがある。しかし、調査の対象となった69.2% の女性が、官公庁でセクシャルハラスメントを体験したと答えている。このうちの10% は上司との性交渉を拒否したために不当な扱いを受けたと答えている(4)。2000年に出されたユニセフの報告書では調査対象の59% の女性がドメスティックバイオレンスを体験したとしており (12)、また、東京のJRの調査では20代、30代の女性の64% が電車の中で痴漢にあったことがあると答えている(13)。2004年の東京で地下鉄内の痴漢行為として警察が起訴した件数はほんの2,201にすぎない(10)。 2002年の国連の女性のための開発基金の日本における調査によると、回答した女性の9%が配偶者からのレイプを受けているということである。この数字だけで、一年間に7万人もの女性が女が配偶者からのレイプを受けているのである。家庭内レイプ、 知人によるレイプ、暴力団によるレイプ、知らない人によるレイプはこの数字には含まれていない。

 2004年2月4日入国管理局は一般の人たちが地域の「不法滞在者」をインターネットを使って通報できるようにした。通報する人は自分の名前を名乗らなくてもよく、また、通報の内容が事実かどうかを証明する必要もない(1)。一方、「性犯罪」とか「強姦」とか言葉をヤフージャパンの検索エンジンに入力すると、性犯罪に関する相談所や支援グループではなく、ポルノのサイトにヒットするのである。女性たちは何年もの間、日本では肉体的、性的暴力の被害受けた場合、どのように被害を申し立てればよいのかについて教育や情報が少なすぎると訴えてきた。申し立てのプロセスは非常な苦痛を伴うものである。

 申し立てのためには、出すのがためらわれるような証拠の提出が求められる。暴力的な性的虐待の被害者は、女性であろうと男性であろうと、疎外され、自分を責め、恥の意識を持つ。このような犯罪によって決して消えることのない様々な障害が現れる。例えば、鬱症状、不安、性的機能不全、摂食障害、心的外傷後ストレス障害, 強迫性障害、自殺観念。 そして、梅毒感染、妊娠、薬物濫用、アルコール多飲などの危険が増すなどの、数々の身体的な問題が生じる (12)。

 日本の全人口は90年代に2.3%増加した。この数字には44.5%増えた正規の滞日外国人も含まれている(7)。日本で外国人人口が増えるにつれて外国人犯罪も増え続けるだろう。将来の労働力不足は外国人移民を必要とする。働き口を求めて国際的な移動をより行い、また、より犯罪を犯しやすいのは統計的にみて若い男性である。

 警察が外国語を学習し、また、日本の移住労働者の日本語でのコミュニケーション能力が高まめれば、外国人が外国人の犯罪を通報することも増えてくるだろう。犯罪の被害者と加害者はたいていの場合、地理的にも、社会的経済的にも、近い距離にいるからである。しかし、この次、あなたがニュース番組や政治家が外国人犯罪について語るのを聞いて、あなたの家族に対する不安を掻き立てられたときは、どうぞ、次のことを思い出してほしい。あなたの娘さんや、奥さん、そして、お母さんが、被害者になる可能性がもっと高いのは(このように政治家やニュース番組によって大きく取り上げられる外国人犯罪によってではなく)誰もが、そのために対策を立てたり、ニュースにしたり、それについて議論したりする価値がないと思っているような犯罪によってなのだということを。

参照文献及びホームページ

1) Arudou, Debito. "Ministry of Justice's Immigration, 'Snitch Sight.'" www.debito.org
2) "Crime goes down in Japan but Cases Involving Foreigners Rise." A.F.P. Feb. 24th, 2005
3) Curtin, Sean J. "Japan Murder Fuels False Anti China Furor." Asia Times Online, 2004
4) "Domestic Violence against Women and Girls." UNICEF Innocenti Digest No.6, June 2000
5) english.people.com December 27th, 2000
6) Hards, Scott. "The Big Lie About Foreign Crime." Japan Student Times
7) Hards, Scott. "Learning to read the Numbers." Japan Student Times
8) Khan, Hussain. "Japan's Foreigner Crime Fears." Japan Times, October 10th, 2002
9) "Insecure." The Economist, October 23rd, 2003
10) Japan Student Times, February 24th, 2005
11) "Tokyo Introduces Women only Trains to Prevent Gropings." japantoday.com April 5th, 2005
12) McNeill, David. "Japan's Laborious Delimma." Yale Global Online, January 13th, 2005
13) "Women in 20's and 30's Groped on Japan Trains." A.P. November 23rd, 2004


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