熊本地震 外国人被災者に心を寄せていただける皆さんへ (その9)
2016年5月9日 中島 眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)
4月15日熊本市国際交流会館が、外国人への緊急避難所として開設されている旨お知らせしましたが、4月30日で閉鎖となりました。熊本市国際交流会館入口の公開敷地で、コムスタカの責任で、4月16日から避難者のために行ってきた炊き出しも4月30日で終了となりました。
熊本市国際交流会館では、5月1日(日)と、5月8日(日)外国人被災者のための生活相談 が、開催されました。(5月10日(火)から、国際交流会館の会議室貸し出しなど通常業務が再開され、相談も通常業務の相談として行われていきます。)
熊本地震の被災者は、膨大な数の避難者が生まれ、長期の避難所生活や屋外避難を行っているという特色がありますが、避難所のなかに、必要に迫られ自発的に外国人、障がい者、ハラール食を必要とするイスラム教徒、高齢者など特定のマイノリテイを対象とした避難所が生まれてきました。これらマイノリテイを主な対象とする避難所が、今後全国でも当たり前のようになっていくことが期待されます。)
5月8日の2回目の生活相談には、私は他の用事があり参加していませんが、代わりに相談員となられた方及び職員方の報告によると、5月1日の1回目が住居をめぐる相談が多かったが、2回目は、解雇や契約破棄など雇用問題や在留資格、心理的ストレスに関する相談が多くなったということでした。5月9日も、熊本市中央区大江にあるハローワークに多くの相談者が殺到し、駐車場待ちの車が1車線をふさいで長い列を作っています。4月29日からの5月8日までのゴールデンウイーク中に、熊本市内でも多くの店舗が営業 を再開しましたが、店頭や駐車場や1階部分のみの営業など部分営業、供給先が被災して商品がそろわない店、被災により当面や長期的に営業再開ができそうにない店など内実は厳しいものがあります。そして、生産や操業の縮小や停止は、待機期間の長期化や解雇、雇止めなど契約終了等雇用問題を深刻化させていきます。
4月14日の地震から3週間以上が経過し、 熊本市内ではライフラインや交通アクセスが一部を除いてほぼ回復し、5月に入り小中学校や公共施設の避難所が次々閉鎖になり、自宅に戻って暮らす人が増え、5月11日には熊本県内の学校すべて再開(一部避難所と併存しながら)となり、日常生活が次第に戻ってきています。熊本県外や国外へ避難していた人々も次第に戻ってきています。
但し、地震の揺れが止まっているわけではなく、熊本地方を震源とする地震は続いており、かつ震源が薩摩半島西方沖や四国、和歌山へと広がっています。今も熊本市内では、4月14日、16日の2回の激震に続く3回目の大きな地震が来ることへの不安から車中泊など屋外で暮らす人は後を絶たず、「3回目の大地震が5月17日来る」とかいうたぐいの噂話が広がり、震災被害が現在も進行形で進んでいる現状があります。
日常生活の回復とともに、現在進行形の地震の揺れへの不安や恐怖の長期化は、これまで内向していた心理的ストレスを爆発させ、DVや児童虐待の増加、社会的暴力、精神的な病を増加させるリスクが高まっていくように思えます。コムスタカへの在住外国人からの相談も、精神的に不安定になっている人の相談も入りだしています。
今後は、炊き出し費用など緊急避難者向けの支援から、息の長い外国人被災者の個別ケースの住居確保や自立支援、及び、熊本市や熊本市国際交流会館が情報提供している韓国語・中国語・英語以外の少数言語(フイリピン語・ベトナム語・インドネシア語・タイ語・ネパール語等)による多言語化情報の提供などのための資金として使わせていただきます。今後ともご寄附をお願いします。
コムスタカー外国人と共に生きる会では以下のホームページで 熊本地震関連情報 (マップ、 医療、 住宅、罹災証明) を多言語で紹介しています。(多言語への翻訳などにご協力していただける方はご連絡ください。) http://www.geocities.jp/kumustaka85/intro.html
コムスタカによる15日間の炊き出し等の外国人緊急支援活動は終わりましたが、多くの方々が4月中旬から、コムスタカの口座へ寄附金を送金、あるいは国際交流会館へ直接届けてくれました。心より感謝申し上げます。
※ご送金いただける方には通信欄に(地震)被災者支援のためなど 明記してください
送金先口座
郵便振替口座番号 01970−4−26534
郵便振替口座名 コムスタカ
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