熊本県警今年8月から英語と中国語での受験を可能とする新受験制度の導入方針を明らかにしました。
中島真一郎(コムスタカ−外国人と共に生きる会)
2004年5月20日
2002年9月にコムスタカなど4団体で、熊本県への外国籍住民・帰国者のための8項目の施策の提言(詳細は当サイト内 「2002年9月4日
熊本県への外国籍住民・帰国者のための施策の提言」 をご参照下さい。)を提出し、その2項目に、自動車運転免許学科試験の多言語化を提案していました。九州内では、大分県が1999年11月から英語での学科試験を導入していますが、熊本県では日本語での受験しか認められていませんでした。2002年6月の道路交通法改正により、国際運転免許の更新により日本国内で運転する場合にも、3ヶ月間の国外での滞在がないと上陸と認められなくなり、運転が違法とされるようになりました。そのため、熊本県内在住で、3ヶ月も日本を離れることができないため、今年8月にも国際免許の期間がきれる在留外国人から自動車免許学科試験での英語での受験導入を求める相談がありました。そこで、政策提言を行った4団体で、マスコミにも取材要請して、2004年5月11日熊本県免許センターに行き、要望書を熊本県警交通部あてに、提出しました。
熊本県警交通部は、この日今年8月をめどに熊本県内在住の外国人が英語あるいは中国語で自動車運転免許試験を受験できるようにする新受験制度を導入する方針を明らかにしました。英語による試験は九州で3県目、中国語は九州では初で、全国でも宮城、徳島についで3番目ということでした。この日の導入方針の公表により、相談をしてきた在留外国人も、日本の免許の取得が英語での学科試験で受験できるようになりました。
2002年9月の8項目の施策の提言のうち、熊本県は、2003年4月からDV被害者の自立のためのステップハウスの設置をしました。また、熊本県警は2004年8月からは自動車免許の多言語化(英語・中国語)を一部ですが実現することになりました。むろん、これらは政策提言をしたことだけで実現されていったわけではありませんが、外国籍住民や帰国者が暮らしやすい地域社会を具体的に築いていくために、今後とも政策提言の具体化を行政に働きかけていきたいと思います。
私たちは2002年9月、国際化時代に外国籍住民と共生する社会を目指す観点から、熊本県に対し、8項目からなる提言を行いました。
その中で、自動車運転免許について日本語以外の言語でも学科試験を受けられるようお願いしました。それは2002年6月の道路交通法改正により、日本国外に3ヶ月以上滞在しなければ、国際免許や外国免許による運転が出来なくなり、本人・家族にとって多大なる負担になるからでした。
予想に違わず、免許更新の時期を間近に控えた外国籍の人たちが3ヶ月もの間、家族や職場から離れ、帰国しなければならない事態に困り果てています。
このような状況を踏まえて、大分県などでは既に英語による学科試験を実施しています。熊本県の運転免許試験課によると、英語と中国語による学科試験実施に向け、8割方準備が出来ているそうですが、実施時期については、わからないということです。
準備作業を急ぎ、一日も早く多言語による免許試験を実施されるよう、切望いたします。
熊本外国人妻の会
熊本フイリピン人の会
熊本・同歩会(中国帰国者と共に歩む会)
コムスタカ−外国人とともに生きる会
外国籍住民が日本の運転免許への切り変えの際に、外国での免許取得後、日本国外で通算3ヶ月以上の滞在期間があれば、6カ国語の多言語対応のなされた学科試験(10問中7問の正解)と実技という比較的簡単な試験で日本免許への切り替えが認められています。しかし、通算3ヶ月を満たせなかった外国籍住民は、日本人と同じ日本での運転免許試験での切り替えが困難(特に学科試験では日本語しかなく、漢字が読めないと合格できない)なため、外国免許取得国で国際免許をあわせて取得し、1年間の期限が来ると外国免許取得国に帰国して、国際免許の更新を行い、日本国内で運転している外国籍住民が多くいます。しかし、2002年6月施行の道路交通法の一部改正により、日本から国外に出た場合3ヶ月以上の滞在がないと再上陸と認められず、更新した国際免許での日本での運転ができなくなりました。このため日本での仕事や家庭の事情でこの条件を満たせず、日本での自動車の運転ができなくなる外国籍住民があらわれています。
そして、実際に3ヶ月国外にいなかったことを理由に国際免許で運転していた在留外国人が、道路交通法違反として摘発されるケースもでてきています。
(詳細は当サイト内 「あなたの運転免許証は大丈夫? 外国籍住民が日本で運転を続けるには」 をご参照下さい)
総数 7,135人
|
|
1位 中国籍 |
2,797人
|
2位 フイリピン籍 |
1,566人
|
3位 韓国・朝鮮籍 |
1,243人
|
4位 アメリカ籍 |
298人
|
5位 インドネシア籍 |
177人
|
6位 イギリス籍 |
127人
|
7位 ベトナム籍 |
107人
|
8位 カナダ籍 |
90人
|
9位 ブラジル籍 |
86人
|
10位 ルーマニア籍 |
78人
|
戻る |