コムスタカ―外国人と共に生きる会

行政への提言


熊本市の住民票備考欄への外国人配偶者への記載問題での要請行動報告
2002年6月10日

2002年3月15日総務省は全国の市町村へ住民票の備考欄へ外国人配偶者の記載を原則的に要望があれば認めるようにとの通知をだしていましたが、今年4月以降も熊本市が実施しようとしないため、4月16日午後2時半過ぎに、コムスタカ事務局メンバー3人と、国際結婚しているAさん夫妻の5名で熊本市役所に申し入れに行きました。熊本市役所市民課から瀬瀬井課長、西島主管ら4名が応対しました。1993年ごろから国際結婚した外国人配偶者を中心に住民票の備考欄へ同じ家族であることを示すために記載してほしいとの要望が熊本市に寄せられていました。いわば、熊本市は、住民票の備考欄への外国人配偶者の記載を求める運動の草分け的存在でした。そして、自治省の1967年の通達にそって、1997年9月1日より事実上の世帯主である場合に限り、住民票の備考欄への記載を認めるようになりました。しかし、事実上の世帯主でない場合には、記載されませんでした。毎年数回外国籍住民が熊本市に記載してもらえるように要望する活動が行われてきましたが、熊本市は他の自治体に例がないとか、国が認めていないとかの理由で拒否しつづけていました。2002年3月15日の総務省の通知が出された以降も、写しの交付に付いて、2000年の総務省の通達にある「帰化などの備考欄への記載は省略して交付する事が適当」との通達を理由に、従来と変わっていないとして4月1日から実施しようとしませんでした。そこで、4月16日に申し入れに行きました。

この日の話し合いで、今年3月15日の総務省の通知を示したところ、熊本市市民課は、今年3月15日の総務省の通知に「当該住民から要望があった場合については外国人配偶者の氏名を住民票の備考欄に原則として記載する事が適当であるものと考えられる」と記載されている事を認め、今年4月1日に電話で聞いたときの従来どおり対応するという反応とは異なり、4月12日金曜日の熊本市の局長クラスの会議で、熊本市としても前向きに対応しようということになって検討中であるとの言い方に変わっていました。Aさん夫妻は、「子どもが学校に入学する時に、家や自動車を購入する時などいろいろな場面で住民票が必要になるが、いつも外国籍の妻が記載されていないため同居している同じ家族として理解されない。早急に、住民票への記載を認めてほしい」と要望し備考欄への記載を申請することを宣言しました。すでに、全国の自治体で今年2月から岡山市が、長崎市などでは4月1日より実施しているところも現れています。この日の申し入れを踏まえ、後一息で実視しそうなので、今後備考欄への記載を希望する外籍住民が申請や要望を熊本市に行っていくことになりました。

4月17日の熊本日日新聞は、熊本県内11市のうち今年3月の総務省の通知をうけて、4月16日現在、熊本市を除いた十市がすべて住民票の備考欄へ外国人配偶者の記載を行うっていると、報道しました。その結果、現在県内の11市のうちで実施せず検討しているのが熊本市だけであることがわかりました。熊本市も現在、実施する方向で検討しており、、外国人配偶者の住民票の備考欄記載問題の外国籍住民から要求がなされた最初の自治体、いわばこの問題の発祥の地であった熊本市でも、10年以上かかりましたが、実施されていくことになりそうです。

追記 6月21日

熊本市の市民課からコムスタカへ7月1日より希望する外国人配偶者に対して住民票の備考欄への記載を認める決定をしたという連絡がありました。市の説明によると家族の住民票備考欄への記載を希望する外国人配偶者は、外国人登録した市民センターの市民課で申請を行う必要があるということです。申請時に市は申請者が日本人と結婚していることを確認する必要があるため、日本人の夫の本籍地が熊本市にない場合は即日手続きができないこともありえます。この場合は前もって夫の戸籍謄本をとっておき、当日持参すればその日に手続きが完了するということです。外国人である妻が家族の住民票の備考欄へ記載された後は、住民票の写しが発行できる市の機関(市民センターなど)であればどこでも、備考欄に外国人の妻の名前がある住民票の写しを交付してもらえるということです。


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