〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目2-14-302
須藤眞一郎行政書士事務所気付
2026年8月5日 中島 眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)
元フィリピン人技能実習生が妊娠出産による不利益を受けない権利を侵害されたこと等に対する損害の補償を求めて実習先介護施設や監理団体、監理団体役員と送出機関代表を被告らとして、フィリピン技能実習生イッサ(仮名)さんは、2022年10月12日に福岡地方裁判所(当初行橋支部から小倉支部に管轄が変更)に約645万円の未払い賃金等損害賠償請求訴訟を提訴しました。 この裁判は、提訴後3年以上を経過して、途中二度の和解のすすめが裁判官からありましたが、原告が判決を求めたため、原告がフィリピンから来日して、2026年2月3日(火曜日)、2月10日(火曜日)の2日間にわたり、原告と被告4人の証人調べが、福岡地方裁判所小倉支部で行われました。 そして、2026年5月12日の口頭弁論で結審し、2026年8月4日(火曜日)午前10時、福岡地方裁判所小倉支部203号法廷で、判決が宣告されることになりました。
2026年8月4日午前9時30分から10分程度、福岡地方裁判所小倉支部裁判所前門前で、判決前の門前集会を熊本市・福岡市、北九州市などから集まった支援者と弁護士による10名余りの参加で行いました。
そして午前10時から、 福岡地方裁判所告小倉支部203号法廷に移動し、傍聴者は26名(支援者関係が16名、マスコミ関係者が10名)、3名の裁判官の入廷後、2分間のテレビ局による法廷撮が行われ、千賀卓郎裁判長(福岡地方裁判所小倉支部第2民事部)が主文を読み上げ、10分ほどで閉廷しました。
判決宣告後の記者会見の午前10時30分から12時前まで、福岡地方裁判所小倉支部敷地内北九州弁護士会館5階ホールで、記者会見兼報告会を行いました。
記者会見にはテレビ3社、新聞5社、フリー等2名の参加及び支援者ら約30名の会場参加(オンラインで20名の参加)がありました。
最初に、フィリピンからオンラインで参加した原告であるイッサさんから、被告ら4つのすべてに不法行為が認められた勝訴判決に対するアピール文を英語で読み上げました。
次に弁護士より判決内容の説明と今回の判決の意義について報告がありました。
原告イッサさんから相談を受け5年以上にわたり支援の中心として担ってきたコムスタカー外国人と共に生きる会の佐久閒事務局長から、原告と共に歩んだ5年間の歩みと支援者から見たこの判決の意義について、ユニオン北九州の末永委員長から、労働組合として技能実習生の相談(妊娠出産問題を含む)に対応してきた経験とこの判決の意義について報告がありました。
その後、メデイア関係者や支援者から数名の質疑をへて閉会となりました
被告 実習実施先介護施設に原告の労務提供不能の責めに帰すべき事由があることを認め、原告に45万1626円(訴寿應請求額45万1626円)の支払いを命じた。
実習先介護施設と監理団体は、原告の妊娠について著しく社会的相当性を欠いた不利益取り扱いを行ない、技能実習生として保護される権利を侵害したものとして不法行為の成立を認めた。
実習先介護施設と監理団体は、技能実習生の妊娠出産に際して、その意思に反して技能実習が中断させられるなど不利益な取り扱いがなされることがないように、調査やその調査に基づいて説明四、必要な措置を取る義務を負っている。 実習先介護施設と監理団体は、この義務に違反しており、不法行為責任を負うと判断した。
監理団体役員も、技能実習法48条の2項(技能実習生の私生活上の自由の制限の禁止)に違反することは禁止されており、これに違反したときは不法行為が成立する。
送出機関代表も、上記の義務や原告の私生活上の自由を侵害しない義務を負っており、この義務に違反し、原告の権利を不当に侵害しているから不法行為責任を負う。
被告らの行為は客観的にも主観的に連携しており、共同不法行為が成立する。被告らの原告に負う債務は不真正連帯債務の関係にとなる。
(1)出産手当金相当額 31万2664円(訴状請求額31万2664円)
(2)賃金相当額 163万5500円(訴状請求額163万5500円)
(3)技能実習3号への期待権侵害 認められず。(訴状請求額50万円)
(4)慰謝料 50万円(訴状請求額300万円)
(5)弁護士費用 24万4816円(訴状請求額55万円)
合計269万2980円 (訴状請求額599万8164円)
※争点1の未払い賃金額45万1626円を加えた合計314万4606円(訴状請求額644万9790円)が、被告らに原告への判決が認めた支払額
Today, my heart is filled with gratitude, relief, and hope.
After years of fighting, I am deeply thankful that my fight for my basic human rights has finally been recognized. This victory is more than a legal decision—it is the affirmation that every woman deserves to be treated with dignity, fairness, and respect, regardless of her pregnancy or where she comes from.
Looking back, I remember the fear, the uncertainty, and the countless moments when I questioned whether my voice would ever be heard. But today reminds me that no sacrifice, no tear, no sleepless night, and no act of courage was in vain. Every step of this journey carried a purpose, and every person who stood beside me helped make this moment possible.
This victory is not mine alone.
It belongs to every current and future pregnant technical intern trainee, to every woman who has been made to feel that motherhood is something to be ashamed of, and to every worker who has experienced maternity harassment in silence. I hope this decision becomes a light for those who are walking through the same darkness I once faced. I hope it gives you the courage to speak, the strength to keep going, and the confidence to know that your rights matter. Your pregnancy should never be used against you. Your voice deserves to be heard.
I also hope this case becomes a lesson—not only for Japan, but for every country in the world. No woman should ever have to choose between her child and her livelihood. No woman should ever be threatened, discriminated against, or stripped of her dignity because she becomes pregnant. Maternity harassment has no place in any workplace, any institution, or any society that believes in human rights and equality.
While this judgment closes one chapter of my life, I hope it opens a new chapter for many others—a future where women are protected instead of punished, where laws are truly enforced, and where compassion is stronger than discrimination.
To everyone who believed in me, stood with me, and never gave up on justice, thank you from the bottom of my heart. Your support carried me through my darkest days.
Today, we celebrate more than a victory in court. We celebrate humanity, dignity, and hope.
May this be a reminder to the world that every woman deserves to become a mother without fear, without discrimination, and without sacrificing her fundamental human rights.
【日本語訳】
今日、私の心は感謝と安堵、そして希望で満たされています。長年にわたる闘いの末、私の基本的人権を求める闘いがようやく認められたことに、心から感謝しています。この勝利は単なる法的な決定にとどまらず、妊娠の有無や出身地に関わらず、すべての女性が尊厳と公平さ、そして敬意をもって扱われるべきであるということを証明しました。
振り返ってみると、恐怖や不安、そして自分の声が果たして届くのかと自問自答した数え切れないほどの瞬間を思い出します。しかし、今日という日は、どんな犠牲も、涙も、眠れない夜も、そして勇気を振り絞った行動も、決して無駄ではなかったことを私に思い出させてくれます。この道のりの一歩一歩には意味があり、私のそばにいてくれた一人ひとりが、この瞬間を可能にしてくれたのです。
この勝利は私だけのものではありません。
現在および将来において妊娠を希望するすべての技能実習生、また、妊娠を継続して母になることを「恥」と言われたすべての女性、そして黙って産前産後のハラスメントに耐えてきたすべての労働者のものです。この判決が、かつて私が直面したのと同じ暗闇を歩んでいる人々の光となることを願っています。この判決が、あなたに声を上げる勇気、歩み続ける力、そして自分の権利がいかに大切かを確信する自信を与えることを願っています。妊娠を理由に、決して不利な扱いを受けてはなりません。皆さんの声は伝える価値があるのです。
また、この事件が、日本だけでなく、世界中のあらゆる国にとっての教訓となることを願っています。いかなる女性も、子供と生計のどちらかを選ばなければならないような状況に置かれてはなりません。妊娠したからといって、脅迫されたり、差別されたり、尊厳を奪われたりしてはなりません。人権と平等を信じる職場、組織、社会において、マタニティハラスメントは決して許されるものではありません。
この判決で私の人生のひとつの章は閉じますが、多くの人々にとって新たな章の始まりとなることを願っています。女性が罰せられるのではなく、守られ、法律が真に執行され、差別よりも思いやりが勝る未来への始まりを。
私を信じ、共に立ち向かい、正義を諦めなかったすべての方々に、心からの感謝を申し上げます。皆さんの支えが、私の最も暗い日々を乗り越える力となりました。
今日、私たちが祝うのは、単なる法廷での勝利以上のものです。私たちは、人間性、尊厳、そして希望を祝うのです。
この判決によって、すべての女性が恐れや差別なく、また基本的人権を犠牲にすることなく、母親になる権利を有していることを、世界中に思い起こさせることを願っています。
2026年8月4日 I S S A(イッサ)
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須藤眞一郎行政書士事務所気付
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