本文へスキップ

コムスタカ―外国人と共に生きる会 Kumustaka-Association for Living Togehte with Migrants

〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目2-14-402

須藤眞一郎行政書士事務所気付

2026年熊本地震報告�C

2026年9月30日 中島眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)

1.はじめに

 2026年9月28日は、7月28日熊本地震発災から2ヶ月目となります。 その2日前の9月26日土曜日午前10時31分、震度4の地震が,熊本地方にありました。 私は熊本市中央区の自宅にいましたが、体感でもかなりの揺れを感じ、依然として揺れが続いており、再度大きな地震が来るのではという不安があります。

 熊本県八代市や氷川町、宇城市など深刻な被害のある被災地域には、8月末には上水道はほぼ復旧して水道水を飲料水として利用している世帯は、飲料水が飲めるようになりました。 しかし、井戸水を飲料水として暮らしている世帯(八代市48%)が多くあり、地震によるポンプや配管の破損や、地下水の流れが変わり、あるいは水位が低下し、井戸水が出なくなり、また、給水されても濁り等により飲料水として使えない世帯がまだ数多く残っています。 井戸の復旧には、地域によっては数ヶ月から数年かかると言われています。 また、宇城市小川町のように、スーパーなど店舗の被災が多く、近くに店が開いてなくて、食料品など遠方にいかないと購入できない地域もあります。

 この2ヶ月間、店舗の再開や工場の操業再開など復旧復興へ向けた動きも進展していますが、その一方で、被災が深刻な地域では、病院の閉院、スーパーや店舗のなど商業施設の再開断念、企業の操業再開断念、被災から2ヶ月経過しても、操業や営業再開のめどの立たない工場や商業施設が多く残されています。

2.コムスタカの熊本地震外国人被災者救援支援活動

(1)被災外国人への救援物資の配布の取り組み

2026年8月11日から9月30日まで、農業技能実習生の多い熊本県八代市郡築地区を中心に、八代市内や宇城市、宇土市など主に技能実習生や特定技能の外国人などからの飲料水や食料など支援物資の要請を受け,76カ所 664人 (複数回配達カ所を含む)に、住んでいる寮やアパートに直接配達する取り組みを行ってきました。

 当初、9月10日で支援物資の配布は、終了する予定でしたが、依然として飲料水の問題が解決していない地区があるため、要請があいつぎ、9月13日、9月19日、9月24日、9月28日と支援物資の配布を行いました。 8月29日から八代市の支援物資の集積場所が八代市郡築地区にある民間会社の倉庫に移り、9月以降はそこから飲料水やカップ麺、米など食料品の必要数をもらい、配布することができるようになりました。 但し、八代市は外部からに支援物資の受け入れを8月末で終了しており、飲料水を除く食料品などの支援物資は在庫品としてあるものだけとなり、今後は飲料水の供給を継続するだけとなります。

 コムスタカも,熊本地震発災から2ヶ月が経過し、今後の支援物資について,飲料水を原則として、食糧支援などについては、被災で近隣の店舗がいまだ営業再開しておらず、買い物が困難な地域に限定することにしています。

(2)コムスタカへの熊本地震外国人災害寄付金

 2026年熊本地震外国人被災者支援活動のために寄付をコムスタカで呼びかけたところ、8月はじめから9月27日現在までに約200名を超える団体や個人の方々から総額180万円をこえる寄付金が寄せられました。

 これらは、コムスタカの外国人被災者への支援救援物資(飲料牛、米、カップ麺、生理用品等)の購入費用や被災地へのガソリン代や高速代など交通費への支出、被災地への支援物資の救援活動を行ったベトナム籍やインドネシア籍、フィリピン籍らのコミュニテイの災害救援支援活動への寄付金として使わせていただきました。 また残金は,今後の被災外国人への相談対応などの費用に使わせていただきます。これまで、寄付を寄せられた皆さんへ、こころよりお礼申し上げます。

(3)コメント(中島)

 2026年熊本地震では、被災した外国人(特に、技能実習や特定技能1号の在留資格で在留する外国人労働者)が飲料水や食糧の不足に苦しみながら、行政の被災者支援から取り残され放置されている現実でした。 避難所や支援物資の場所を知らないという情報周知の問題もありますが、知っていても自転車しか交通手段がなく、電話機の端末しか持たない、休憩時間以外に動けないなど、これらの外国人労働者には、連絡し、取りに行くこと自体困難です。 また、雇用先や監理団体や登録支援機関の強い管理下にあるこれら外国人労働者は、自分の意思で要請し、取りにいくことすら、雇用主や監理団体から認められない状況下にある人たちもいました。 そして、これら外国人労働者の中には、雇用契約が時間給で、1年間の変動労働時間制のため農閑期は給料が低く、そもそもお金がないため」、飲料水や食料を購入することができない、あるいは今後の雇用の継続への不安を抱えている人たちがいました。

 2026年熊本地震は被災地のこれら外国人労働者の問題を改めて顕在化させました。 災害は日常のひずみや格差をより顕在化させていきます。 2026年熊本地震では、被害が深刻な地域で、慢性的な人口減少(自然減と若年労働力の流出)と高齢化による日本人の労働力不足とそれを補う急増する外国人労働者という現実が存在していること、そして、被災により、地域の産業がより衰退し、雇用先が減少していけば、人口減少に拍車がかかり、外国人にも依存できなくなる(外国人もいなくなる)地域となっていく恐れがあります。 それは、また、被災地だけでなく、今後の日本の将来の姿でもあります。

(4)被災地の外国人からの相談

 支援物資の要請以外の7月28日発災から9月27日まで、熊本地震被災地域からの相談件数 6件です。

  • 地震で瓦が落ちてブルーシートをかけてほしいとの相談
  • 日本人夫と子どものいる外国人妻から地震で家が壊れ住めなくなり、友人宅に避難しているが、他に住めるところを探してほしい。
  • 休日の外出など勤務態度がよくないとして「再教育が必要」とのことで監理団体に戻されたとの相談
  • 監理団体の施設滞在中の有給休暇や給与などの扱いの相談
  • 有給休暇の取り扱いについての相談
  • 就労先の会社の支払われる給与が低く,退職したが転籍先を探してほしいとの相談
今後は、支援物資の配達などでつながった被災地の外国籍の人々との信頼関係を築きながら、個別の相談に対応して、雇用問題や技能実習制度(育成就労制度)や特定技能制度にともなう外国人労働者の構造的問題について取り組んでいきます。

(5)熊本地震外国人被災者支援の関係団体の会議と外国人のための相談

 以下は、コムスタカ関係者が参加したものです。

9月5日 熊本市国際交流振興事業団主催、熊本市国際交流会館で
     「外国人被災者支援活動の報告会」(約20名参加〜)

9月6日 熊本県国際課と熊本県国際協会主催   宇城市教育会館 
     「外国人のための相談会}(46名の外国人相談者が来所)

9月14日 熊本県宇城市(災害支援活動)情報共有会議  KVOAD主催
      (約30名参加)

9月17日 熊本県国際協会主催の「熊本地震災害支援のつながる会」(約40名参加)

コメント(中島)

 2026年熊本地震では、ベトナム人コミュニテイによる被災地への災害支援活動が最も早く、60カ所以上、国籍に分け隔てなく3000人以上に支援物資が配布されています。 また,熊本イスラミックセンターを中心とするインドネシア人コミュニテイも、外国人被災者に1000人以上に支援物資の配布がなされ、フィリピン人会・熊本も、コムスタカと協力しながら支援物資の配布を行いました。 これら外国人コミュニテイの支援活動の存在が外国人被災者の救援や支援に果たした役割は大きかったとおもいます。

 一方、被災地の自治体による行政の外国人向け救援支援活動について、外国人被災者へむけた多言語情報の発信や優しい日本語による情報発信も不十分で、避難所に、避難者名簿に国籍別の項目がない(八代市),名簿を用意していない避難所など、要保護者として外国人避難者を把握し、意識した対応がなされていないところが大半と思われます。

 また、被災自治体に多文化共生課や日本語教育に対応する担当課や職員がいない(宇城市)、そもそも、自治体内部に日常的に外国籍住民と接する活動がほとんどないため、災害時に対応できていません。 その意味では,被災自治体の多くは、10年前の2016年熊本地震から余り変わっていないか、マンパワーの減少により、より劣化しているように思えます。

 一方、10年前の2016年熊本地震より、前進したと思えるのは、今回、熊本県国際協会が,委託業務に防災対応が含まれるようになったため、危機管理対策と連携した外国人被災者への災害対応を積極的に行う取り組みが行われ、ホームページなどでの随時災害、防災情報の多言語発信が行われるようになったこと、熊本県国際課と熊本県国際協会主催による「外国人のための無料相談会」の開催(8月30日氷川町 約20人の相談、9月6日宇城市 46人の相談,そして今後、10月18日八代市)が関係機関との協力の下に、企画され、ベトナム、インドネシア、ネパール等のコミュニティ関係者の協力で、外国人被災者が相談に訪れています。

 今後、熊本県国際協会等が主導し、熊本県内の45自治体に,多文化共生担当者(兼職や1年交替でない専門職員)の設置、災害に備えた外国関住民の防災教室や防災訓練の実施等義務づけ、日頃から外国籍住民と接し,顔の見える関係を作れる職員の養成などが望まれます。

八代市での外国人のための無料相談会

 令和8年熊本地震 外国から来た皆さんのための相談会

日時  2026年10月18日 午前11時から13時 

場所   JAやつしろ西部購買センター(八代市古閑浜町3602−2)

熊本県国際協会 https://www.kuma-koku.jp/page387.html?type=top

 ※ コムスタカからも生活相談員として参加します。


 ※ 熊本県八代市(人口約11万7千人うち在留外国人約4300名 2026年8月末住民基本台帳による)在留外国人住民数
国籍別
 1,フィリピン 1463人
 2,ベトナム 920人
 3,インドネシア 778人 
 4,カンボジア 580人
 5,中国 215人  
 6,ミャンマー 176人 
 7,タイ 61人 
 8,ネパール 38人  
 9,韓国 32人 
 10,スリランカ19人

在留資格別 
 1,技能実習 2055人 
 2,特定技能 1578人 
 3,永住者  214人
 4,技術・人文知識・国際業務 146人  
 5,特定活動 98人
 6,日本人配偶者等 87人 
 7, 定住者  57人  
 8,家族滞在 55人 
 9,特別永住者 30人
 10, 教育 20人


※ 熊本県在留外国人人口 総数  3万2372人(2025年12月末日)
国籍別 
 1,ベトナム 7015人 
 2,インドネシア 5032人 
 3,フィリピン 4409人 
 4,中国, 3543人  
 5,ミャンマー 2542人

shop info店舗情報

コムスタカ―外国人と共に生きる会

〒862-0950
熊本市中央区水前寺3丁目2-14-402
須藤眞一郎行政書士事務所気付
groupkumustaka@yahoo.co.jp