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コムスタカ―外国人と共に生きる会 Kumustaka-Association for Living Togehte with Migrants

〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目2-14-402

須藤眞一郎行政書士事務所気付

令和6年度 熊本市DV対策ネットワーク会議報告

佐久間 より子(コムスタカ事務局)

 2024年11月19日に熊本市役所にて熊本市DV対策ネットワーク会議が開かれました。以下は、熊本市へのコムスタカからの質問と要望です。


コムスタカ―外国人と共に生きる会から熊本市への質問と要望

質問

    

質問(1) 令和5年度の熊本市におけるDV相談件数のうち外国籍からの相談件数を教えてください。また、通訳人を付けた件数も教えてください。

回答 (男女共同参画課)
・令和5年度の熊本市のDV相談件数は1,293件で、うち外国籍の方からの相談件数は10件(男女共同参画課10件)でした。
・通訳人をつけた件数は2件で、その他、相談者の日本語能力に応じて、やさしい日本語や、ポケトークなどを活用し、相談を受けています。


質問(2) 熊本市外国人総合相談プラザへのDVに関する相談件数を教えてください。

回答 (国際課)
窓口での相談受付は下記のとおりです。
・DVが理由の離婚相談…3件
・DVが理由の住まいの相談…1件
その他、通訳対応等を行っております。
・通訳対応…5件(回)(同じ方の対応)


質問(3) 令和5年度の熊本市におけるDV相談件数のうち、同性間のDVに関する相談件数、男性が被害である相談件数、DV加害者からの相談件数を教えて下さい。

回答
(男女共同参画課) 
・令和5年度の熊本市のDV相談件数は1,293件で、うち同性間のDVに関する相談件数は0件、男性がDV被害者である相談件数は30件(中央区0件、東区3件、西区2件、南区13件、北区1件、男女共同参画課11件)です。
・DV加害者からの相談は別計上ですが、15件(男女共同参画課3件)です。


質問(4) 令和5年度の市営住宅のDV被害者の目的外使用の利用状況(継続中、退去者、新規入居者)を教えてください。

回答 (市営住宅課)
令和4年度からの継続入居11戸(16名)
令和5年度新規入居5戸(12名)
令和5年度中、延べ提供戸数16戸(28名)
令和5年度退去戸数6戸(9名)

 
質問(5)
 令和5年度の民間シェルターへの支援施策の内容と条件に昨年度とくらべて変化はありますか。また補助を受けた民間団体は何団体でしたか。

回答 (男女共同参画課)
・令和5年度の「熊本市民間緊急一時保護施設運営費補助金」の交付対象や補助対象経費は、令和4年度からの変更はありません。
・令和5年度交付団体数は、3団体です。
(対象)DV被害者の保護及び自立支援を目的とした民間シェルターを継続して1年以上運営し、かつ以降も引き続き運営する団体のうち、政治、宗教及び営利を目的とせず、会則等を定めて運営しているもの。
(補助内容)民間シェルターの運営に要する経費で、家賃や光熱水費等の2分の1の額とし、予算の範囲内で交付。ただし、1団体上限50万円。


質問(6) 一時保護やDV相談後に自宅や帰郷、元の居住地域へ戻ったDV被害者への支援として新たな取り組みはありますか。また今後新たな取り組みを検討されていますか?検討されているのであれば、それはどういうものですか?

回答 (男女共同参画課)
現在策定に向けて取り組んでいる、困難な問題を抱える女性への支援に関する基本計画に基づいて、在宅のDV被害者への支援も必要と考えています。


質問(7) 平成29年度に熊本県が行ったDV被害者総合支援・加害者対応モデル事業の取組結果を踏まえ令和元年度に完成したガイドラインにある、再被害防止のための加害者への介入は行っていますか。また、今後加害者介入として新たな取り組みを検討されていますか?検討されているのであれば、それはどういうものですか?

回答 (男女共同参画課)
熊本市配偶者暴力相談支援センターは、被害者側の相談機関であるため、加害者に対する直接的な介入は行っておりませんが、加害者からの相談があった場合は、ガイドラインに沿って内容を傾聴し、加害者が希望する場合は専門的なカウンセリングを紹介するなど、関係機関と連携した対応に努めています。


質問(8) 令和5年度の面前DVとして、警察から熊本市が通報を受けた件数、また熊本市が、面前DVの通報後にその子どものいる家庭を訪問した件数を教えて下さい。

回答 (児童相談所)
・面前DVとして、警察から通報を受けた件数524件
・面前DV通報後にその子どものいる家庭を訪問した件数151件
(各区保健こども課)
・警察から通報を受けた件数0件
・面前DVとして児童相談所から事案送致された件数86件
・対応状況:訪問77件、電話・面接9件

質問(9) 児相とDVの相談機関の連携に関して、新たな取り組みは行っていますか。また新たな取り組みを検討されていますか?検討されているのであれば、それはどういうものですか?

回答 
(児童相談所)
・虐待通告等に対応する中で、DVが疑われる場合は必要に応じて関係機関(区役所や警察等)に支援を引き継いでおります。現時点で新しい取組を行ってはおりませんが、今後も各機関との情報共有や連携に努めてまいります。
(男女共同参画課)
・新たな取り組みではありませんが、児童相談所や各区保健こども課と連携しながら、被害者支援に取り組んでいるところです。個別会議を通じて、情報を共有し、支援を一緒に考えており、今後も丁寧な連携を行いながら、相談者に寄り添った支援を行ってまいります。


質問(10) 2024年1月の会議時に提出した質問への回答として、外国籍の相談者に対して「通訳人をつけた件数は0件ですが、ポケトークなどを活用し相談を受けています」とありました。また、「通訳等が必要な場合などは、国際課や外国人総合相談プラザと連携し対応しております。」とありました。具体的にどのような連携をして対応しているのでしょうか。

回答 (男女共同参画課)
・本市への相談件数は、質問1への回答のとおりです。
・必要に応じて、国際課へ通訳者の派遣を依頼し、通訳を介して相談を受けています。
・相談者が通訳として支援者を同伴するケースもありますが、場合によっては、相談員が英語で対応を行っています。
・その他、今年度から出入国在留管理庁の通訳支援事業である「電話通訳サービス」に登録しており、通訳者を介した20言語による3者通話が可能となっています。


質問(11) 2024年1月の会議に提出した外国人被害者への相談窓口の周知や行政関係等の説明書や申請書などの多言語化の要望に対しての返答として「DV被害者向けの相談先カードについては、多言語化を検討しており」、また「本市の関係各課の説明書や申請書等については、多言語化が進んでいると聞いております」とありましたが、どの程度進んでいるのでしょうか。多言語化が進んでいる説明書や申請書等のリストがあれば教えてください。

回答 
(国際課)
・庁内の申請書や説明書等の多言語化については、転入手続きの関係資料をはじめ、窓口手続き等で必要な資料を中心に、随時翻訳作業を行い、対応を進めております。特に、児童手当等の子育てに関する申請書やご案内は重点的に多言語化しています。
(男女共同参画課)
・今年度は、日本に住む外国人に向けたやさしい日本語のDV相談窓口周知カードを作成予定としています。


質問(12) 外国籍の方で、永住者や定住者だけではなく、「家族滞在」や「留学」、「技能実習」、「特定技能」、「特定活動」及び在留資格のない方も母子生活支援施設への入居対象となりますか。

回答 (こども家庭福祉課)
・入所理由が何か?ということになると思います。DV、虐待、不適切な家庭環境、住宅・経済問題、養育問題などの理由で入所されますが、決定は、その方の住民票がある所の福祉事務所(熊本市5区はそれぞれの区役所保健子ども課)になります。最終的には福祉事務所の判断になります。(母子生活支援施設協議会)
・国籍等問わず熊本市の福祉事務所の所管区域内に居住している母子であって、児童福祉法に基づいて児童の福祉に欠けるところがある場合は、入居の対象としております。


質問(13) 「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が2024年4月に施行されたことを受けて、今後母子生活支援施設での、同伴児童のいない妊婦の方の受け入れの検討はされていますでしょうか。

回答 
(母子生活支援施設協議会)
・この法律が施行される時に、困難女性の居場所として、母子生活支援施設を是非活用して頂きたいと思いました。現在、県とは緊急一時保護の契約を交わしており、市とはショートステイの契約を交わしていますが、年間を通して利用頻度は低いので、居場所支援について、4月に一度市と県にお話をさせて頂きました。県は厳しいとの事ですが、市は前向きにご検討頂けるようです(困難女性への支援ですので、単身女性、単身妊婦、母子とお伝えしています)
(男女共同参画課)
・困難な問題を抱える女性への支援の中で、単身女性や単身妊婦の母子生活支援施設への入所について、ニーズの把握が必要なことと、自治体単独の事業となり財源の確保が課題となることから、他都市の状況を調査するなど研究してまいります。


質問(14) 作年度のDV対策ネットワーク会議で、熊本市の関係機関の担当職員が新しくなり、「これまでのように『検討します』で終わるのではなく、『今年度から○○○を実施します』といえるようにめざします。」という発言がありました。熊本市のDV対策の施策で、従来の先例踏襲でなく今年度あるいは来年度から何か取り組む施策はありますか。

回答 
(男女共同参画課)
・令和6年度のDV対策に大きな変化はありませんが、相談員による英語での相談対応、同行支援やアウトリーチによる相談対応など、試行的に実施しているところです。
・現在、困難な問題を抱える女性への支援に関する基本計画の策定に取り組んでおり、来年度以降は、DVだけでなく、困難な問題を抱える女性の相談体制の整備を図る予定です。

要望

1.DV被害者のための短期避難施設の設置、あるいは、他の法律などの一時保護施設のDV被害者への活用
 DV加害者から離れて、今後のことを安心して考えることができるために、DV被害者が1日から1週間程度無料で利用できる「短期間の宿泊できる避難施設」の設置を要望します。 熊本市直営の施設設置が難しい場合には、民間シェルターなどに委託して、人件費を含む十分な公的補助を付与する予算を組むことを要望します。 また、他の法律などに規定されている一時保護措置があるのであれば、DV被害者のために活用できるようにして下さい。

回答 (男女共同参画課)
本市では、直営の施設は設置していませんが、民間シェルターを運営する団体に対し、運営に要する経費のうち家賃や光熱水費等の1/2の額(1団体上限50万円)を、補助金として交付しています。
・緊急時における一時保護が必要な場合は、関係機関と連携し、本人の訴えや状況を考慮して最も適当と考えられる施設へ入所のお願いを行っております。
・民間シェルター運営団体への支援については、現在策定中の「困難な問題を抱える女性への支援に関する基本計画」でも取り組んでいくことから、支援のあり方について、他都市の状況やシェルター利用の状況を調査するなど研究してまいります。


2.DV加害者対応施策の実施
 一時保護やDV相談後に、加害者と同居を継続したり、同一地域で別居して暮したりしている被害者に対して、再被害にあわないための見守り活動や、被害者支援の観点からの(更生プラグラムへの誘導を含む)DV加害者への介入を行う相談員の養成や設置を要望します。

回答 (男女共同参画課)
・相談員の養成については、熊本県が作成された「熊本県DV被害者総合支援ガイドライン」や国・県の研修等を活用し、相談員のスキル向上に努めてまいります。
・再被害にあわないための見守り活動などのアフターケアは、困難な問題を抱える女性への支援においても求められているところですので、ニーズの把握をするなど研究してまいります。


3.外国人被害者への対応の充実
 外国人がDV相談窓口にたどりつくことができるよう周知を行ってください。多言語でのリーフレット等の作成にとどまらず、ウェブサイトやSNSでの多言語での情報発信を強化してください。
 また、熊本市への外国人からのDV相談、また熊本市外国人総合相談プラザへの外国人からのDV相談にも多言語で適切な対応が迅速に行えるよう、被害者が日本人と同様の支援を受けられるように連携強化を行ってください。

回答 (男女共同参画課)
・ホームページでは、全体的に多言語化だけでなく、やさしい日本語も使い、情報発信を行っているところです。
・今後も外国人総合相談プラザと連携し、被害者の支援を行ってまいります。

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