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コムスタカ―外国人と共に生きる会 Kumustaka-Association for Living Togehte with Migrants

〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目2-14-402

須藤眞一郎行政書士事務所気付

東アジア市民共生映画祭の報告

東アジア市民共生映画祭・熊本上映会 約230名の参加

2011年11月20日  中島  真一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)

 熊本では、2007年7月、2009年6月、2010年6月と過去三回は、「東アジア移住共生映画祭」として企画してきましたが、四回目となる今年は、「東アジア市民共生映画祭」と名称を変更して行われました。(主催は、「東アジア移住共生映画祭2011実行委員会」で、コムスタカー外国人と共に生きる会も実行ン海に参加しています。)
 上映会当日、2011年11月19日、熊本学園大学学生会館ホールで、約230名の参加をえて、午後2時から午後6時半過ぎまで行われました


「レオニーズ物語」
(上映時間19分 2011)  
 1986年4月26日の旧ソ連チェルノブイリ原発事故で、被災した地域に住み、消防士として事故対策作業に従事した一家の物語を、絵と写真と一部実写映像を織り込んだアニメーション映画。

(映画を見た感想)
 2011年3月11日の福島原発事故と重なる映画。そして、住民への「事故の情報隠し」や「安全宣伝」、「住民避難の遅れ」という共通項はありながら、チェルノブイリ原発から3キロにある原発従事者やその家族が住むプリピャチという人口5万人の町の住民全員を事故後36時間で、また30キロ圏内の住民を数日間で避難させた旧ソ連政府と、福島原発事故後、当初2−3キロ圏内、そして、10キロ圏内、最終的に20キロ圏内の住民にしか避難勧告をせず、それ以外の多くの住民を自宅待機あるいは何らの対象とせず被曝させつづけた日本政府との違いに、日本政府や電力会社の住民の命と健康を放射能汚染から守ろうとする価値観のなさを感じさせられました。


「ソーラータクシーで世界一周を」
(上映時間52分  2010年)
 スイスの教師が、子どものころからの夢、化石燃料を一切使わず、太陽光で走る自動車(ソーラーカー 蓄電池をのせた自動車と太陽光パネルのついたレッカー車をけん引して走る。)で、18ヶ月かけて世界一周を実現させた、ドキュメンタリー映画。

(映画を見ての感想)
 この映画は、地球温暖化を阻止するためのCO2排出国での反温暖化キャンペーンとして、国連や各国政府や環境団体から歓迎されて、欧州から中近東、インド、東南アジア、オセアニア、中国、北米大陸を経てヨーロッパへ戻る。CO2の主な排出国訪問を網羅する中で、唯一入国できなかった国が、日本であった。それは、スイス政府が交渉しても、日本政府が、公道で太陽光で動くソーラーカーを走らせることを許可できないと通告してきたため。 現在世界一のCO2排出国である中国でのソーラータクシーへの環境保護団体や市民の大歓迎ぶりと比べても、なんだか、「鎖国」日本を改めて思い起こさせるような、日本社会に知らされていない事実であった。


「バンガバンガ」
(上映時間110分  2010年)
 就活に失敗し続ける韓国人男性パン・テシクが、ブータン人バンガに成りすますことで、ようやく就職できた先は、家具工場でした。そこには、韓国人労働者とともに、より劣悪な待遇で働く東南アジアや南アジア出身の非正規滞在労働者がいました。バンガの涙ながらの奮闘を描くドタバタコミック映画。

(映画を見ての感想)
 ユク・サンヒョ監督の「コメデイにならないシリアスなテーマをコメデイとする」という考えが貫かれた傑作です。私が、これまで熊本学園大学での過去4回の映画祭で上映された全作品の中で最も面白かった映画でした。
 この映画のなかで、「外国人のど自慢大会」で優勝するには、「演歌」をうたわなければならないという話など、東南アジアや南アジア出身の非正規滞在労働者の視点からみると、韓国と日本がよく似ていることに気付かされます・その一方で、シリアスであれ、コミックであれ、移住労働者、なかでも、いつも入管につかまって退去強制されることを恐れながら、働き暮らしている非正規滞在者の存在を、映画のテーマとして取り上げ、それが商業映画として成功し、百万人の観客を動員できる韓国と、彼らや彼女らの存在することにすら、ほとんど関心がもたれない日本との大きな違いにも気づかされました。

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