〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目2-14-402
須藤眞一郎行政書士事務所気付
2012年6月30日 中島 眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)
2012年6月3日(日)午後1時30分から、午後4時30分まで、福岡市早良区百道 ももちパレス三階視聴覚室で、「移住労働者と共に生きるネットワーク九州の第14回総会」と「第七回「語らんね、しゃべらんね 」の集いが開催され、60名余りの参加者がありました。
参加者には、福岡都市圏以外にも、宮崎市、熊本市、大分県別府市、北九州市、岡山県内からの参加者もあり、在住外国人として、中国籍、フイリピン籍、ペルー籍の在住外国人、西日本新聞、毎日新聞、共同通信社の記者、フリーランサーの記者の参加もありました。まず、主催者を代表して共同代表からの開会挨拶、そして、外国籍住民の体験発表には、5人の外国籍住民の報告がありました。
福岡市在住の中国人女性から、求職活動をして、なかなか就職できない現実についての報告、熊本のフイリピン女性は、10年以上の来日経験の中で、日本人夫との関係で悩み、パニック症となり、自殺を考えたが、子どもから引き留められ、思い直して立ち直っていった体験がされました。また熊本からきた中国人女性は、20年以上の来日経験で、日本人の優しさや礼儀正しさを評価する一方、日本社会との文化の違いで悩んだこと、中国人は貧しいとさげすまれたこと、子どもが外国人の子を理由に仲間外れにされたことで傷ついたことなど差別の体験や、日本で育った彼女の子どもたちは、日本人と同じように常に順番をおとなしく待つことがよいという価値観で大きくなっているが、それは半面自分の力で生きていく力を弱くしているという気もするという発表しました。
福岡市在住のフイリピン女性は、日本社会の豊かで、安全で、便利なこと、例えば、お店に武装したガードマンがいないこと、どこにでも自動販売機があり、お金さえあれば24時間欲しいものが手に入る事が便利で素晴らしいと思うが、その反面、自然と共に生きる価値観や自然を大切にする価値観が希薄で、家族などの人間関係も希薄になっている気がするという報告がありました。
フイリピン人会・熊本代表のフイリピン女性は、改定入管法問題のセミナーなどを何回か企画して開催してきたこと、今回の改定で再入国手続きが一年以内の帰国の場合に不要となることや、先日郵送されていた仮住民票に、外国人である自分の名前も、日本人夫や子どもたちと一緒に書かれているのをみて、同じ家族として認められたようでうれしかったこと、熊本市に住む私は、仮住民票が郵送で送られてきたとき英語の説明書が入っていてその内容を理解できたが、他の市町村に住む外国人には日本語だけの文書が送られてきたところではその内容も意味も分からない人が多いうという報告がありました。
外国籍住民の報告につづいて、宮崎から5時間以上かけて参加された方から、宮崎県や宮崎市の多文化共生の現状や防災の視点での取組みの報告がありました。
その後、私が講師となって、40分ほど「改定入管法等施行の外国籍住民への影響」というタイトルで、講演しました。今回の改定が、みなし再入国制度、外国人住民票の作成、 在留期間の伸長などメリットが宣伝されているが、その一方で、国(法務省入国管理局)が、在留外国人情報を一元管理し、在留期間中も住所変更や所属機関の変更、離婚や死別等の身分事項の変更に届出義務を課し、刑事罰や在留資格の取消事由や退去強制事由の拡充をもって管理を強化すること、その結果、在留外国人の在留状況が不安定化し、社会的排除や不平等化が強まる恐れがあることを話しました。
休憩をはさんで、その後、参加者からの質疑応答が約一時間熱心に行われ、主催者の閉会の挨拶で午後4時30分に終了しました。
移住労働者と共に生きるネットワーク・九州の紹介
このネットワークは、日本で暮らす移住(外国人)労働者やその家族の人権擁護や自立への支援を目的として九州で活動する団体や個人が集まり、1998年5月に発足しました。福岡市博多区にある美野島司牧センターを連絡先として、コムスタカー外国人と共に生きる会も加入していますが、団体会員が10団体、賛助団体が4団体、個人会員が49名で構成されています。(2012年4月末現在)そして、毎年5月、6月の総会を開きいています。2006年からは、「語らんね、しゃべらんね」の集いとして、外国籍住民が自らの体験や考えを報告する企画を行っています。
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