はじめに
2018年の相談件数は、昨年の203件から296件へ増加しました。2018年の相談の特長として、性別では、外国籍男性からの相談の比率が増え、年齢別では10代、20代の若い年齢層からの相談が増加しました。国籍別では、昨年の16カ国より2か国減少して14ヵ国でした。従来のフィリピンや中国以外に、ネパール、タイ、ブータン、ミャンマー、ベトナム、パキスタン等東南アジアや南アジアの国籍者からの相談が増加し、より多様化してきました。技能実習生や留学生等からの相談が増加してきました。相談内容もビザ・在留資格・国籍に関する相談や離婚や結婚など夫婦関係に関する相談.子どもに関する相談が多いのは変わりませんが、困窮に伴う生活や住居の相談、技能実習生等からの労働に伴う相談などが増えています。
- 相談活動
- 相談件数
2018年 電話での相談は、延べ1000件以上に及びますが、相談の解決へ向け取組んだのは、296件です。電話のみの対応161件、面談62件、同行支援は62件、訪問11件でした。
- 性別等
296件のうち211件(71%)が移住女性、85件(29%)が移住男性からでした。296件の相談のうち子どもの問題(国籍取得、認知、養育費請求、子の親権、日本への呼び寄せなど)、25件(8%)でした。
- 国籍別
国籍別では、フィリピン籍198件(67%)、と一番多く、二番目が中国籍の27件(9%)で、以下、日本人からの外国人に関する相談17件(6%)、タイ籍12件(4%)、ブータン籍9件(3%)、パキスタン籍7件、ネパール籍とインドネシア籍6件、ベトナム籍とミャンマー籍各4件、ペルー3件、その他の国籍各1件が3か国。
- 地域別
熊本県内が、251件(85%)と大半を占めますが、熊本県外が45件(15%)でした。熊本県外の内訳は、九州内18件(6%)九州外25件(8%)、海外から2件(フィリピン、1%)
- 相談内容(主訴別)
相談の内容別では、在留資格に関する相談73件、離婚・結婚など夫婦関係に関する相談36件、家計や生活費に関する相談が27件、家賃や住民票等の住所に関する相談25件、子どもに関する相談25件、雇用や社会保険制度に関する相談23件、調停や訴訟に関する相談23件、技能実習生に関する相談18件、DVに関する相談17件、社会福祉制度に関する相談9件、警察関係の相談7件。相続に関する相談5件、その他8件でした。
在留資格(ビザ)をめぐる相談が最も多いのですが、その中には在留資格を喪失し、非正規滞在者となった外国人や非正規の在留状態で警察に捕まった外国人に関する相談もあります。次に夫婦関係に伴う相談が多いのですが、その中には主訴がDVでなくともDVの伴う相談、フィリピン女性の重婚に伴う相談、離婚や子の親権や養育費などの裁判所での調停や訴訟が伴う相談もあります。
- 訴訟等の伴う相談
2018年に子の面会交流、養育費減額、離婚、不当利得返還請求、損害賠償等請求訴訟など裁判所での調停や訴訟支援をした係争中のケースは9件(うち弁護士を代理人とした日本人夫等から訴えられた相談が3件)でした.
- 熊本地震外国人被災者への中長期支援活動
2018年は、外国人被災者への中長期的な支援活動として以下の取組みを行いました。
- コムスタカホームページ上での地震被災者支援制度等の多言語情報の継続的提供
やさしい日本語、英語、中国語、韓国語、 ベトナム語、フイリピン語、タイ語、インドネシア語、ネパール語の9か国語で熊本地震災害関連被災者支援制度に関する情報をコムスタカのホームページ上で、継続的に更新しながら提供しています。 http://kumustaka.weebly.com/
- 在住外国人シングルマザー被災者等を主な 対象とした日本語読み書きサービスとコムスタカカフエを10月14日、12月16日の2回開催
- 2018年11月10日−11日に熊本市 男女共同参画センターはあもにいで開催された「はあもにいフエスタ2018」に参加して、「熊本地震被災外国人シングルマザーの記録」等のパネル展示(2日間の見学者45人)
- 熊本地震被災外国人シングルマザー等で、D V被害、精神疾患、生活困窮など深刻な問題を抱えた外国人らの継続支援を実施。2018年中の同行や訪問支援は、88回。
- コムスタカ主催の企画
- 2018年2月11日(日曜日)午後1時30分から午後4時30分まで、熊本県民交流館パレア第一会議室で「外国人と介護労働を考えるシンポジウム」を開催し、約60名の参加がありました。
- 2018年10月5日−8日、韓国研修旅に コムスタカメンバー4名参加。
- 行政への政策提言など
2018年3月23日に、2017年度に熊本県から受託した「DV被害者総合支援・加害者対応モデル事業」の成果品(手順書など)を納付して委託事業を終了した。
- コムスタカの事務局会議と勉強会とニューズレターの発行
2018年は、毎月第4日曜日を原則とする事務局会議を年12回開催し、年7回の外国人に関係する問題をテーマに、勉強会を行いました。また、会の活動を報告するニューズレター「コムスタカ」97号と98号、99号と年3回発行しました。
- 外国人の人権問題等をテーマにする講演やパネリストの依頼
2018年中の「在住外国人の人権問題」等をテーマにする講演の講師やパネリストの依頼は、8件ありました。
- コムスタカ関係機関の会議や企画参加
- 3月6日 福岡入国管理局会議室にて、第 20回 移住労働者と共に生きるネットワーク・九州と福岡入管との意見交換にコムスタカより3名参加。
- 3月12日 熊本県庁会議室で開かれた 熊本県DV対策実務者会に、コムスタカより2名参加。
- 5月25日ドリュー・シャウルタフスキ(在 東京アメリカ大使館政治部次席)らコムスタカの連絡先事務所に来所、技能実習生問題とDV被害者支援の取り組等について説明。
- 5月30日 熊本県庁新館2階会議室にて 平成30年度熊本県DV対策代表者会議 に、コムスタカより2名参加、コムスタカとして質問と要望書提出.。
- 6月9日―10日 北海道札幌市で開催さ れた移住者と連帯する全国ワークショップin札幌2018に、コムスタカより2名参加。
- 7月21日 移住労働者と共に生きるネッ トワーク・九州公開学習会:福岡市美野島司牧センター(コムスタカより6名参加)
- 7月27日 熊本市役所駐輪場会議室、平 成30年度熊本市DV対策ネットワーク会議への参加(コムスタカより2名参加、コムスタカより質問と要望書提出)
- 12月6日第15回移住労働者と共に生き るネットワーク九州と大村入国管理センターとの意見交換会が開催され、九州・全国各地から約30名参加(コムスタカから5名参加)
- その他のコムスタカの取り組み
- 2018年1月末からコムスタカで保護したフィリピン技能実習生が、熊本地裁に監理団体と実習実施機関に対して賃金未払いや慰謝料など損害賠償請求訴訟を2018年6月29日に提訴。(実習生は、2018年9月に帰国)
- 2018年11月 フィリピンから日比国際児が昨年に続き再来日して、九州内に在住する父親との2回目面会が実現しました。
2018年 会計報告(決算書)
コムスタカ事務局 岡崎 民
2018年3月から、2019年2月までの会計報告をいたします。
収入 |
会費・カンパ収入 |
¥1,059,324 |
支出 |
「コムスタカ」発送費用
通信費・コピー代・会議室使用費等
他団体年会費・協賛金等 イベント費用 |
¥447,961
¥83,304
¥23,130
¥79,298 |
|
計 |
¥633,693 |
前年度繰越分 |
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¥219,843 |
収入 |
|
¥1,059,324 |
合計 |
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¥1,279,167 |
支出 |
|
¥633,693 |
今年度繰越分 |
|
¥645,474 |
2019年度 活動計画
以下のような活動に取り組みます
- 外国人からの無料相談活動
- 移住者や外国人労働者問題の啓発・イベント活動
- 2019年7月13日 鳥井一平氏(移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事)の講演会 テーマ「増加する外国人とどう向き合うかー多文化共生の地域づくりを目指して」(会場 熊本学園大学1411教室)を企画する。
- 多文化共生の地域づくり活動 熊本市中央区大江校区社会福祉協議会の協力を得て、大江公民館で、2019年5月8日、6月11日の2回「多文化共生の地域づくり講座開講。
- 後援・支援活動
東アジア市民共生文化センター主催で、熊本学園大学を会場として開催される2019年9月21日 熊本県内小中学校教員を対象とした「韓国文化と現代韓国理解のワークショップ」と、2019年11月17日から11月23日の日程で開催される「東アジア市民共生映画祭」の後援団体として支援する。
また、2019年10月6日に熊本市国際交流会館ホールでフイリピン人会熊本の主催で開催される「災害を乗り越え!!第2回フイリピーノフィエスタ」を後援団体として支援する。
- 入管行政への質問と要望書提出
2019年12月開催予定の大村入国管理センターとNGOとの意見交換会への参加し、質問書と被収容外国人の処遇改善へ向けた要望書を提出。2020年3月開催予定のNGOと福岡出入国在留管理庁との意見交換会への参加と質問と入管行政への要望書を提出。
- DV防止施策への加害者介入施策の導入の提言
2019年5月開催予定の熊本県DV対策代表者会議への参加と、熊本県へのDV対策についての質問と要望書提出。(DV防止施策への加害者介入施策の導入の提言を含む))2019年7月開催予定の熊本市DV対策ネットワーク会議への参加と、DV施策への質問と要望書提出
- 熊本地震外国人被災者への中長期支援活動
熊本地震被災外国人シングルマザー等で、DV被害、精神疾患、生活困窮など深刻な問題を抱えた外国人らの継続支援を実施。
- 「移住者と連帯する全国フォーラム熊本2020」開催へ向けた準備活動
2020年6月13日―14日、熊本学園大学での「移住者と連帯する全国フォーラム熊本2020」へ向けた現地実行委員会等の開催へ向けた準備活動
- 2019年7月13日(土) 第一回現地実行委員会開催
- 2019年8月13日(土) 第二回現地実行委員会開催
- 2019年10月19日(土) 第三回現地実行委員会
- 2019年12月上旬か中旬 第四回現地実行委員会
- 2020年1月から6月は、 毎月1回程度開催する。
2019年度 予算書
2019年3月から、2020年2月までの予算案です。
収入 |
会費・カンパ収入
イベント収入 |
70万円
10万円 |
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合計 |
80万円 |
支出 |
「コムスタカ」印刷発送費用
通信費・コピー代・会議室使用費等
他団体年会費・協賛金等 イベント費用 |
45万円
10万円
5万円 20万円 |
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合計 |
80万円 |