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コムスタカ―外国人と共に生きる会 Kumustaka-Association for Living Togehte with Migrants

〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目2-14-402

須藤眞一郎行政書士事務所気付

コムスタカによる外国籍関連の訴訟支援の報告

 2023年10月1日 中島 眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会代表)
 ※ 2022年から2023年9月末現在

 2022年は、以下の6件が係争中(争いのない子の認知調停申立事件3件を含めると9件)でした。 そのうち以下の4件(争いのない子の認知調停申立事件3件を含める7件)が終結しました。 2023年9月末現在、係争中は、3件(継続案ケース2件、2023年4月に1件)の訴訟となっています。

※ 個々の訴訟の詳細については、本ホームページ掲載の各記事をご参照ください。

1.2022年中に終結となった訴訟 4件

@ 2018年6月に提訴した元技能実習生による監理団体と建設会社などへの損害賠償訴訟

 フィリピン人元技能実習生による、強制帰国されそうになったこと、とび職の実習が実際には、民家の解体や道路の工事等の仕事をさせられていたことなどに対して、監理団体や実習実施企業を相手にした損害賠償請求訴訟は、1審判決で、強制帰国されそうになったことのみ監理団体に弁護士費用を含む55万円の支払いを命じる一部勝訴しましたが、許可された職種と異なる仕事をさせられたことについて認められませんでした。 原告は福岡高裁へ控訴し、2022年2月に控訴審で、一審判決に追加して、許可された職種と異なる仕事をさせたことに、建設会社と監理団体(実習生と雇用関係のない)に連帯して慰謝料として33万円を支払うことを命じる逆転勝訴し、被告らが上告しなったため、その判決が確定して終結しました。

A 2019年に提訴した元管理団体職員の日本人父親に対する中国籍の子の認知訴訟1件

 2019年に提訴した日本人父親を被告とする日中国際児の認知訴訟は、被告男性がDNA鑑定を拒否。 また新型コロナの影響で証人尋問が予定されていた母親も来日できなかったため3年以上係争中でしたが、2023年2月にようやく来日でき母親が法廷で証言し、2023年3月の判決で認知が認められる判決が言い渡されました。 被告が控訴しなかったため判決が確定し、被告の戸籍に子の認知が記載されました。

B 2020年12月に起訴されたベトナムの元技能実習生リンさんの死体遺棄刑事事件1件

  2020年11月に双子の子を死産して、死体遺棄容疑で逮捕起訴されたベトナム人技能実習生リンさんの刑事裁判は、2021年7月に1審有罪(懲役8月、執行猶予3年)、控訴審も2022年1月に減刑されながら有罪判決(懲役3月、執行猶予2年)が言い渡されました。 リンさんは、同年1月に最高裁判所に上告し係争中でした。 2022年12月に最高裁は、2023年2月24日に弁論を開くことを決定し、同日の弁論を経て、同年3月24日の最高裁で逆転無罪判決が言い渡され、勝訴して終結しました。

C 2022年に申立てたフィリピン人妻による日本人夫に対する離婚と慰謝料の調停申立事件

 フィリピン人妻による日本人夫への離婚と慰謝料請求等調停は、夫が離婚に合意し、子の親権を母親に、慰謝料を妻に支払うことで2022年中に合意解決しました。

2.2022年に日本人父親と争いのない子の認知の調停申立事件3件

 3件の日本人父親と争いのない子の認知調停申立事件は、いずれも合意解決となりました。 出生届未了の状態での認知調停申し立て事件が2件、出生届後の認知調停申立事件1件でしたが、いずれも父の戸籍に子の認知の記載と、子の日本国籍の取得が認められました。

3.2023年9月末段階では、以下の3件の訴訟が係争中です。

@ 2019年6月に提訴した元監理団体職員(通訳や相談業務に従事)による、監理団体及び上司2名などへのパワハラによる慰謝料や残業代未払等請求訴訟

 フィリピン出身(現在 日本国籍者)の元監理団体職員の女性が、監理団体等を相手に、パワハラによる慰謝料と残業代などの未払い分約200万円の支払を請求した訴訟は、1審判決で残業代30万円、上司一人のパワハラを認め約10万円の支払いを命じる一部勝訴の判決が、一方監理団体が原告の提訴から1年後に記者会見で報道された原告の発言に対して原告を名誉棄損で訴えた反訴で、原告の一部発言に名誉棄損を認め、原告に約30万円の支払いを命じる一部敗訴の判決が言い渡されました。 原告と被告双方とも、福岡高裁へ控訴し、2022年11月福岡高裁判決でも、1審判決で認められた残業代の未払の請求は認められましたが、上司一人のパワハラによる慰謝料10万円の支払い部分は取消されました。 その一方で、監理団体が提訴した反訴で一部敗訴した部分は取消される原告の逆転勝訴判決が言い渡されました。 一審原告は、上告しませんでしたが、一審被告の監理団体は、最高裁判所へ上告し、係争中です。

A 2022年10月にフィリピン人元技能実習生(介護)が、実習先の介護施設・監理団体とその理事や職員らを被告として、損害賠償など請求訴訟を提訴。

 2021年5月に妊娠したことを理由に強制帰国されそうになり、コムスタカで保護したフイリピン籍の技能実習生(介護)は、同年8月にフイリピンへ帰国し、同年12月に子ども出産しました。 そして、2022年10月に実習先の介護施設・監理団体とその理事や職員らを被告として、総額約600万円を超える未払い賃金等請求訴訟を提訴しました。

 追記 イッサさんの賃金・損害賠償請求訴訟は、2022年10月の提訴後、管轄裁判所が福岡地裁行橋支部から同地裁小倉支部に移送となり、裁判官3名の合議事件となり、2023年1月17日に第一回口頭弁論が公開法廷で開かれました。 そして、以後は、受命裁判官2名と原告及び被告らの代理人弁護士により、福岡地裁告小倉支部で、弁論準備手続が3ヶ月1回のペースで続いています。 2024年中には、原告と被告人らの証人調べが行われ、結審−判決となる予定です。

B 日本人夫が、別居中フィリピン人妻に対する離婚等訴訟と妻の夫に対する反訴の提訴。

 2023年4月に日本人夫が、別居中のフィリピン人妻に対して、子の親権と離婚を求める訴訟を提訴してきましたが、有責配偶者からの請求として棄却を求め、2023年9月に、子の親権・慰謝料などを求める反訴を提訴し、係争中です。

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