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コムスタカ―外国人と共に生きる会 Kumustaka-Association for Living Togehte with Migrants

〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目2-14-302

須藤眞一郎行政書士事務所気付

日中国際児の認知訴訟 認知を認める勝訴で終結

   中島  眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)

 被告(父親)は、技能実習制度の監理団体関係の日本人男性で、中国で現地の送り出し機関から接待に連れていかれたカラオケ店で働いていた原告の母親と知り合い、交際するようになり、二人の間に中国で子ども(原告)が生まれました。

 原告の母親は、子(原告)を連れて2014年及び2016年に来日し、被告との結婚や子の認知について話をしましたが、被告は結婚も認知も拒否しました。 2019年1月、原告の母親は子を連れて三度目の来日をし、被告宅を訪れましたが、被告は母子と会うことを頑なに拒否。 母親は余りのことに腹が立ち、被告宅の窓に石を投げて壊して被告宅に侵入し、逮捕されましたが、同年2月不起訴起訴処分となり釈放されました。 コムスタカでは、原告の母親が中国に帰国する前に相談を受け、母親が逮捕されたときの国選弁護人に子の認知に関する代理人を依頼しました。

 原告の母親は、被告に子の認知を求めますが、被告は頑なに認知を拒否しました。 2019年に家庭裁判所に申立てた認知調停は不調となり、認知訴訟が提訴されました。 しかし、被告の男性はDNA鑑定も拒否。そのため、2021年春には、原告の母親が来日し法廷で証言すれば、結審するところまで至りました。 しかし、新型コロナ感染拡大の影響で来日のためのビザ発給が認められず、原告の母親が来日し証言できたのは提訴から3年8カ月後の2023年2月でした。

 この日、約3時間かけて原告の母親と被告の日本人男性の証人調べが行われましたが、日本人男性の虚偽証言が次々と暴かれ、ドラマの法廷劇のようでした。

 被告の子である証拠として決め手となったのは、調査嘱託で採用された被告の日本と中国の出入国記録、そして原告の母親が持っていた被告男性との数多くの写真。 さらに、被告日本人男性の「DNA鑑定は受けない」という証言でした。 最後に、裁判官が被告の代理人弁護士に「これで結審し、判決を言い渡しますがいいですね」と3回も念を押したのが印象的でした。

 提訴から3年9ヶ月という熊本家裁では最も長い事件となりましたが、2023年3月、熊本家裁で、原告を被告の子として認知するという原告の勝訴判決が言い渡されました。 控訴期限を過ぎても、被告の男性は控訴せず、認知を認める判決が確定しました。 4月下旬に本籍地の役場に認知届を提出して、被告の戸籍に認知が記載され、日中国際児の認知訴訟は、勝訴で終了となりました。



※以上の記事は、コムスタカニューズレター第112号に掲載したものです。     

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