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コムスタカ―外国人と共に生きる会 Kumustaka-Association for Living Togehte with Migrants

〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目2-14-302

須藤眞一郎行政書士事務所気付

留学の在留資格者からの妊娠・出産の相談事例

   佐久間 より子(コムスタカー外国人と共に生きる会事務局)

 2022年6月、ベトナム人留学生から妊娠出産に関する2件の相談がコムスタカに寄せられました。 これまで妊娠した留学生、特に専門学校生や日本語学校への留学生の在留資格の取り扱いについて不明確でした。 この2つのケースで、妊娠を理由に休学をしていても復学の見込みがある場合には留学の在留資格の更新が可能であること、また在留期間内に帰国し出産する場合も再入国については問題ないことが分かりました。

【ケース1】

 相談者は妊娠を伝えずに2022年4月から日本語学校に入学し勉強していました。 予定では5月に一時帰国をして出産し、親族に子どもを預けて再度来日する予定でしたが、妊娠後期にあたるため飛行機に搭乗できずに6月上旬に日本で出産しました。 出産後に学校に出産したことを伝えたら、通学できないので7月に期限がくる在留資格の更新は難しく、退学になると言われたそうです。 相談者は在留資格の更新後の7月に夏休みを使って子どもを親族に預けるために一時帰国してすぐに再来日し復学することが希望でした。 そこで、コムスタカより、相談者の住む地区を管轄している広島入管に相談したところ、「退学か休学かについては学校の判断なので入管で決めることができないが、学校に在籍している状態で復学できる見込みがあるのであれば在留資格の更新は可能」と言われました。 日本語のできる本人の家族を通じて、上記の返答の内容を学校に伝えると、「日本語学科終了後に同系列の専門学校に進学するのであれば在学を認め在留資格の更新をする」との返答がありました。 相談者は別の専門学校に行くことを希望していたので再度コムスタカに相談がありました。 本人の家族を通じて、同系列の学校に行くという条件を取り消すよう要求し、取り消さない場合は再度入管とコムスタカに相談をして今後の対応を決めると学校に伝えてもらったところ、その条件は取り消されました。 その後相談者は在留資格の更新が認められ、無事に子どもをベトナムの親族に預け、再来日して復学をしています。

【ケース2】

 相談者は妊娠を伝えずに2022年4月に専門学校に入学し、今年8月に出産予定でした。 学校に在籍のまま6月にベトナムに一時帰国して出産し、次年度から復学することが希望でした。 当初学校は「規定はないが慣行で妊娠している生徒は退学してもらい次年度に復学(再入学)してもらう」と言っていました。 コムスタカより相談者の住む地区を管轄している東京入管へ相談したところ、@休学して在籍のまま「留学」から「特定活動」の在留資格に変更してもらうことになる、との返答でした。Aその後入管は学校側に、@の説明は日本で出産する場合で、帰国する場合には適用できないと説明がありました。 コムスタカから再度入管に問い合わせたところ、B休学しても在籍しており、留学の在留期間内であれば、一時帰国して、出産後に来日しても問題はない。 また、妊娠・出産による休学は正当事由となるので、長期欠席状態となっても、留学生や学校側にも不利益な評価とはならないとの回答を得ました。 その後この留学生も無事に在留資格が更新され、在籍のまま6月末に帰国できました。


※以上の記事は、コムスタカニューズレター第110号に掲載したものです。     

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