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コムスタカ―外国人と共に生きる会 Kumustaka-Association for Living Togehte with Migrants

〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目2-14-402

須藤眞一郎行政書士事務所気付

監理団体への損害賠償等本訴/反訴事件 最高裁判所判決言い渡しの御案内

 2024年4月7日 中島 眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会代表)

事件番号 令和5年(受)第365号 損害賠償等本訴、損害賠償反訴事件
最高裁判所判決言い渡しの御案内

1.最高裁判所判決の言い渡し

時 2024年4月16日火曜日午後3時 (傍聴は先着順)

所 最高裁判所第三小法廷 (今崎 幸彦裁判長)

争点について

 労働基準法第38条2 第1項 「労働時間の算定をし難いとき」にあたるといえないとした原審の判断の当否

※ 反訴は、1審は名誉毀損の成立を一部認め被上告人へ支払いを命じたが、控訴審で名誉棄損の成立は否定された。 最高裁は、反訴に関しして、上告人の上告を棄却し、控訴審判決が確定(上告人の敗訴確定。)

 本訴については、1審、控訴審とも上告人に残業代の一部未払いの支払いを命じた。 本訴に関して、上告人の上告を最高裁は受理し、弁論を開き、上記の争点に関して判決を言い渡す。 なお、阪急トラベルサポート事件の最高裁判例は、控訴審で認められた残業代の一部支払を不服として会社側が上告し、最高裁が上告を受理し弁論が開かれたが、最高裁は、上告人(会社側)の敗訴(労基法第38条の2 第1項の適用を認めず、原審判決を是認する)判決を言い渡している。

※ 参考判例 平成24年(受)第1475号 残業代等請求事件

(平成26年1月24日最高裁第三小法廷判決 阪急トラベルサポート事件

2.当事者

(1)被上告人  女性 〈1982年11月生 41歳〉     
 フイリピン出身 日本国籍者  熊本市内に在住
 弁護団  くまもと法律事務所(松野信夫弁護士ら)
 〒860−0078 熊本市中央区京町1−10−8MKビル2F
 電話096―325−9911

(2)上告人  協同組合グローブ
・本部  〒720-0067 広島県福山市西町二丁目5番6号
 TEL:084-922-8202  FAX:084-926-0546
・熊本支所 〒861-8046 熊本県熊本市東区石原一丁目5番8号
 TEL:096-349-7211  FAX:096-349-7212

3.事件の経緯と概要

(1)提訴に至る経緯

 コムスタカー外国人と共に生きる会に2018年12月下旬に監理団体(事業組合グローブ 上告人)の元職員(被上告人)からパワハラにより退職を余儀なくさせられたことと、2017年7月から事務所に立ち寄ることなく自宅から出張先(大分県や宮崎県や福岡県など)へ直行・直帰に変更され、残業代が支払われなくなったという残業代未払いの相談がよせられる。

 原告が2018年11月からパワハラによる退職を訴え、雇用保険を申請していた問題で2019年1月16日ハローワーク熊本の審査部で、一部嫌がらせの言動が認定され、正当な理由のある自己都合による退職が認められる。 原告は、2019年3月4日熊本労働局にパワハラによる退職に伴う損害請求等のあっせん申立を行う。 被上告人があっせん受入れ、同年4月16日に熊本労働局で1回目が開かれるも、被上告人は、一切パワハラの事実を認めず、斡旋不成立で終了。 一方、残業代未払いについては、2019年3月15日熊本労働基準監督署へ申立するも、同年3月29日上告人は、労基署に対して、問題がないという説明で、これ以上労基署として関与できないとして終了となる。 そこで、弁護士に依頼して、事業組合グローブと上司2名を被告として、2019年6月4日火曜日に熊本地裁にパワハラに対する慰謝料と未払い残業代の支払を求める訴訟などを提訴することになった。

(2)訴訟の事案の概略と一審判決、控訴審判決の要旨

 技能実習制度は、技能実習生への人権侵害問題を引き起こす問題の多い制度です。 技能実習生を斡旋する監理団体には、技能実習生への不当な扱いをしているところもありますが、技能実習生だけでなく監理団体で正社員として働く指導員等の職員への不当な扱いをしているところも見られます。 主にフイリピン人技能実習生を実習実施者にあっせんしている監理団体である協同組合グローブ(本部 広島県福山市)の熊本支所に2016年9月から2018年10月まで約2年間技能実習生の通訳や相談など担当する指導員として勤務した熊本市内在住のフイリピン出身(現在は日本国籍者)の元女性職員が原告となり、上司によるパワーハラスメントと残業代など賃金等未払を理由に、協同組合グローブと上司2名を被告として、慰謝料や残業代の未払い分の支払いなど総額約200万円の支払い求める訴訟(本訴)を熊本地方裁判所に提訴しました。 また、提訴した当日の2019年6月4日に記者会見を被上告人が行い、マスコミ(KKT,KAB、日テレNEWA24、熊本日日新聞社)がそれを報道したことで、2020年5月28日に反訴として、被上告人に対して総約550万円の損害賠償訴訟を上告人が提訴(反訴)しました。 被上告人が提訴後3年近く審理を経て、熊本地方裁判所(裁判官  佐藤 丈宜)で、2022年5月17日(火曜日)に一審判決が言い渡されました。

一審判決

 この一審判決は、本訴に関して、上告人(一審本訴被告、反訴原告)が主張していた労基法第38条2の事業外みなし労働時間制を認めず、被上告人(一審本訴原告、反訴被告)が主張していた組合員企業への自宅から直近直行の移動時間を労働時間としても認めませでしたが、裁判官が被上告人の勤務時間数と賃金額を計算し、残業代における未払い賃金があることを認め、上告人へ被上告人に対して29万6080円の支払いを命じました。 また、被上告人へのパワハラについて、被上告人の上司一人について認め、その上司に被上告人へ11万円の支払いを命じました。 しかし、反訴について、被上告人の残業の時間は月27時間程度が最大であるのに、記者会見で月30時間以上あったと述べたことを理由に、被上告人の上告人への名誉毀損をみとめ、33万円の支払いを命じました。

控訴審判決

 双方が、この1審判決を不服として福岡高裁へ控訴しました。 控訴審である福岡高等裁判所(山之内 紀行裁判長)は、2022年11月20日に判決(原判決)を言い渡しました。 原判決は、本訴について、残業代の未払いに関して一審判決と同じ判断をして、上告人の労基法第38条の2事業外みなし労働制の適用を認めませんでしたが、パワハラに関して、1審判決が認めた被上告人に上司一人の11万円の支払いを取消しました。 その一方で、反訴に関して、1審判決がみとめた名誉毀損の成立を認めず被上告人から上告人に33万円の支払いを取り消しました。

 この控訴審判決に対して、被上告人は、上告しませんでしたが、上告人は残業代未払いについて、労基法第38条の2事業外見なし労働制の適用及び名誉毀損の成立を理由として、上告及び上告受理申立てを、最高裁判所に行いました。

(3)最高裁判所の弁論

 2024年2月13日に最高裁判所第三小法廷は、被上告人の上告は棄却する決定を行いましたが、上告受理申立に関しては、名誉毀損の成立に関しては排除する一方、労基法第38条2の事業外みなし労働制に関して、キャリア業務日報に「指示あり」「同行」と記載されている日を除いて上告審として受理する決定を行い、2024年3月26日(火曜日)午前11時に口頭弁論期日が最高裁第三小法廷で開かれました。 弁論は、上告人と被上告人代理人弁護士の5分程度の弁論のあと、裁判官より双方に二度平成26年1月24日最高裁判決を踏まえての弁論であるかを二度確認して閉廷となり、判決期日を2024年4月16日(火曜日)午後3時と指定して閉廷となりました。

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