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須藤眞一郎行政書士事務所気付
2016年7月5日 中島 眞一郎 (コムスタカー外国人と共に生きる会)
平成28年度男女共同参画inパレア ワークショップ参加企画「熊本地震!外国人被災者救援活動の歩みと課題を考えるシンポジウム」2016年7月3日(日)午後1時30分から午後5時前まで、くまもと県民交流館パレア
10階 第7会議室 で、コムスタカー外国人と共に生きる会の主催で、約80名の参加をえて、開催されました。
会場は、定員54名で、企画当初は30-40名でも集まってもらえたらという想定でしたが、「熊本地震の外国人被災者救援活動の取り組みと課題」というテーマへの関心がつよく、主催者の予想を大幅に超える80名ほどの参加となりました。前半終了休憩後も途中で帰る人が少なく、後半も70名ほどの参加があり、最後まで熱意と熱心な雰囲気に包まれた内容のあるシンポジウムとなりました。
参加者のうち、外国籍の参加者がフイリピン・中國・韓国・インドネシア・パキスタンなど20名ほど、熊本県外からの参加者が、新潟、東京、神戸、広島、北九州、福岡、長崎 佐賀、鹿児島、宮崎など12名、マスコミ関係者 熊本放送(RKK)、読売新聞、熊本日日新聞、共同通信(東京)の参加と取材がありました。
前半、以下の3人の報告者が、パワーポイントを使って、20分から30分程度、その取り組みを報告しました。最初の報告者である熊本市国際交流振興事業団事務局次長の勝谷 知子氏は、「熊本市国際交流会館での取組み」をテーマに、熊本市国際交流会館が避難所となり、保護
した外国人や日本人被災者の状況、避難所生活の様子とともに、避難所運営の大変さ、多言語情報発信の遅れ、館外の他の避難所でくらす外国人の状況把握の遅れなど課題について報告がありました。
次に、熊本イスラミックセンター代表マーロ スイスワヒュ氏から「熊本イスラミックセンターでの取組み」をテーマに、熊本地震被災直後から、熊本大学の避難所に避難していた留学生や家族のなかのイスラム教徒に、避難所で提供される食事が宗教上の理由で食べられないため、イスラミックセンターでハラール食を運び込んで要食べに来てもらう活動、そして、インドネシア大使館や全国のイスラム教徒から寄せられた支援物資(ハラール食品とそれ以外のハラーム食品や救援物資)をイスラム教徒の被災者と、日本人被災者の暮らす避難所へ救援や支援物資を配達していく活動など報告があり、課題として、被災現地でのコディネーターの必要性、日本人の協力者の必要性があげられました。
3番目の報告者として、コムスタカー外国人と共に生きる会代表の私から、「コムスタカの被災者支援活動の取組み」をテーマに、地震発生の翌日の4月15日から多言語情報の発信、熊本市国際交流会館での避難者へ炊き出し支援、被災外国人の個別相談等の取り組みと、国際交流会館が外国人向け避難所となったことの意義として、@本地震で、外国人対象のマイノリテイ向けの避難所が誕生したこと、A外国の大使館やや領事館、海外メディアに対応した災害時の市民外交・自治体外交の拠点となったことを上げました。
そして、課題として、災害は想定外でおこり、事前のマニュアルは存在しないか使えな い、その場合地震直後に被災者の中で救援活動に取り組むコディネーターが存在するか否かで大きく異なってくること、時間の経過とともに救援物資の需要と供給の関係が反比例の関係にあり、需給調整が難しいこと、「官」と連携しながら「民間」の力を強め直性被災者を救援する方向での救援支援活動の重要性を訴えました。
10分間の休憩後 「熊本地震で被災者となって」をテーマに、熊本県内在住の韓国籍、中国籍、パキスタン籍、フイリピン籍、フイリピン出身者の5人の被災者の方から被災報告がありました。地震体験の恐怖、避難生活、その後の暮らし、救援活動など当事者でしかいえない経験や体験が語られました。
熊本地震と同じような直下型地震の被災体験と救援活動の体験者である神戸から参加された方から、1995年阪神淡路大震災の経験について、新潟県長岡市から参加された方から、2004年新潟中越地震の経験について、発言をしてもらいました。その後、参加者との質疑討論に移り、時間ぎりぎりの5時前まで熱心な質疑や報告の発言が続き、時間が惜しまれながら閉会となりました。
追記
熊本地震発生後から約2週間余りに及んだ熊本市国際交流会館での外国人避難所の活動は、これまでの日常の活動や関係の上にいろいろな偶然が重なって生まれ、どれかひつでも欠けるとあのような活動にならなかったという意味で、「奇跡の結晶」であったかもしれません。災害時の多文化共生として、熊本地震でうまれた「外国人避難所」の設置が、今後発生する災害のどこの被災地でも当たりまえのようになり、避難所に国籍や日本語の理解が不十分な避難者の存在を、設置―運営する側が意識するのが当たり前になるようになれればよいと願っています。
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