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コムスタカ―外国人と共に生きる会 Kumustaka-Association for Living Togehte with Migrants

〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目2-14-302

須藤眞一郎行政書士事務所気付

ベトナム人技能実習生グエットさんの死体遺棄被告事件 判決宣告公判の報告

2025年3月12日  中島 眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)

  2025年3月7日{水}午前11時20分から50分まで、傍聴券の抽選番号が配布されました。 この日傍聴席29席に対して約50名の傍聴希望者が並び、午前11時50分過ぎに当選番号が公表されました。 また、午後1時15分から福岡地方裁判所前の公道で、約60名の参加で、門前集会を20分ほど行いました。

 グエットさんの刑事裁判第7回判決宣告公判は、午後2時から午後2時30分まで、福岡地方裁判所911法廷で、テレビの冒頭撮影が数分行われたあと、46の傍聴席(一般傍聴席29、特別傍聴人席2、司法記者籍15)が埋まる中で開廷しました。

 福岡地方裁判所刑事第4部 鈴嶋晋一裁判長(他は田野井蔵人裁判官、中元隆太裁判官)は、開廷を宣言し、被告人のグエットさんを前に、「主文 被告人を懲役1年6月に処する、未決勾留日数中60日をその刑に参入する。この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。」という有罪判決を読み上げました。

 この訴訟は、グエットさんが「判示の日時場所においてグエットさんの出産した男児の死体をごみ箱内に入れた行為が、死体遺棄罪における『遺棄』に当たるか否か、被告人に同罪の故意が認められる否かが争点でした。 そして、2023年3月24日最高裁判所第2小法廷判決が示した「『遺棄』に当たるか否かを判断するにあたっては、それが葬送の準備または、その一過程として行われたものか否かという観点から検討しただけでは足りず、その態様自体が習俗上の埋葬等と相いれない処置といえるものか否かという観点から検討する必要がある」という判断基準を巡って争われました。 しかし、判決は、弁護人の無罪主張をすべて退け、検察官の主張に沿って、「被告人の行為は死体遺棄罪における『遺棄』にあたり、被告人に同罪に故意が認められる」という有罪判決でした。 鈴木裁判長が、主文に続き、判決理由(「罪となるべき事実」「争点に対する判断」「量刑の理由」)を読み上げました。 その後、グエットさんに、この判決に不服のある場合には14日以内に控訴できることを伝え、鈴木裁判長が、審理の終了を述べて、閉廷となりました。 開廷から閉廷まで約30分程度でした。

 公判終了後の午後3時から20分ほど、福岡裁判所司法記者クラブ記者室で、弁護団弁護士らによる本日判決への記者会見が行われました。 その後に、公判終了後の報告集会は、日本パブテスト福岡城西キリスト教会2階ホールで、当初の午後3時30分から10分遅れて3時40分から開始し、会場内参加約70名以上(主催者側を含めて)また、オンライン参加17名の約90名をこえる参加で行われました。

 この集会では、弁護団弁護士より、本日の有罪判決への批判、そしてグエットさんが、有罪判決に抗議し、控訴して無罪判決の実現をめざすことを述べたアピール文を日本語で読み上げました。 その後各地の支援団体代表や支援者の連帯のアピールが行われ、カンパをよびかけたとところ、カンパ金約5万5000円が集まりました。      そして、午後5時前に終了となりました。

グエットさんのアピール文
有罪判決へのコメント

私の無罪の主張のため、皆様が支援してくださって、心より感謝申し上げます。 私の無罪の主張が認められず、大変残念です。 私は、子どもの遺体を捨てたり、隠したりしていません。 この判決には納得できないので、高裁裁判所へ控訴して、無罪を実現したいと思います。 私自身と孤立出産する外国人女性や日本人女性のために頑張ります。 これからも応援よろしくお願いします。ありがとうございます。

2025年3月7日
グエン テイ グエット

グエットさん刑事裁判支援のための寄付のお願い

 グエットさんの支援のため、控訴審へ向けて裁判費用(弁護士費用や実費等)が必要となります。 そのための支援金の寄付を募ります。 ご賛同いただける方は下記の口座への送金をお願いします。(グエットさんの裁判支援などの記載をお願いします)

郵便振替 外国人技能実習生権利ネット・北九州 01750-8-84519
郵便振替口座  コムスタカ外国人と共に生きる会 01970-4-26534
※ こちらのサイト(Syincable)からは、クレジットカードからの寄付ができます。

 控訴審でグエットさんの逆転無罪を実現していくために、孤立出産する女性を刑事罰で罰するのではなく、社会福祉の対象として保護していく価値観の転換が必要です。 以下のニュースや番組など視聴や拡散をお願いします。

「孤立出産は犯罪ではない、グエットさんは無罪」

1.ないがしろにされる「安全に出産する権利」 21歳ベトナム人 ...(RKB毎日放送 / 2025年3月7日 19時10分)


2.孤立出産遺棄、逮捕ではなく在宅捜査を(ABEMA NEWS)


3.「孤立出産」事件、逮捕された女性の「実名」報道に疑問の声も…裁判闘った弁護士「女性は3度傷つけられる」(2月22日  弁護士 ドットコムニュース)

 ※ この記事の孤立出産する女性への逮捕や起訴、実名報道に関するコメントも、これまで私たちが主張してきた「孤立出を犯罪化しない、実名報道をやめる」という主張に好意的な意見が増えだしてきている感じがします。変化は確実に起きてきていると思います。

4.TBS報道特集  特集「孤立する妊婦を守るために」(2025年3月15日(土)午後5時30分から)

グエットさん支援のための署名・寄付のお願い

グエットさんの無罪を求める署名活動と、支援のための寄付をお願いしています。

詳細は、こちらのページをご覧ください。

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